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メルケル 世界一の宰相 の商品レビュー

4.5

33件のお客様レビュー

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2022/08/11

女性で首相、ニュースで見聞きするだけでも存在感を感じた彼女の経歴に興味があり、手に取る。 この本の位置付けを語れるほど知識を持っていないが、彼女の経歴・考え方について知る。

Posted byブクログ

2022/07/17

もっと突っ込んだものを期待していたので★2だが、内容は◎。 メルケル前ドイツ首相自身の語りではなく、周囲へのインタビューからなるので物足りなさもあるが客観的ではある。▼牧師の娘で、東ドイツの警察国家で育ち、物理学者であるメルケルは、道徳と倫理を重んじ、Fact(事実)を基に論じる...

もっと突っ込んだものを期待していたので★2だが、内容は◎。 メルケル前ドイツ首相自身の語りではなく、周囲へのインタビューからなるので物足りなさもあるが客観的ではある。▼牧師の娘で、東ドイツの警察国家で育ち、物理学者であるメルケルは、道徳と倫理を重んじ、Fact(事実)を基に論じる科学的な政治家だ(多くの政治家は感情的だと思う。権威主義でもデマゴーグでも決してない)。ドイツ人としてではなく世界の一員として地球全体を考え気候変動問題のために働き、そして過去から学び再び分断や争いを防ぐため渡り合った賞賛すべき資質を持った政治家だと思う。▼彼女はFactを重んじるため、人身掌握術といったうまいように人の心を掴む政治家スキルは下手なところが逆に信頼できるのだが、時に欠点となる。難民政策など立場によって賛否は分かれるが人道的だと分かっていても難民を受け入れる政策をできる政治家はなかなかいないと思う。

Posted byブクログ

2022/07/10

非常に読み応えがあり、学びが多い一冊でした。 メルケルという人物を知るだけでなく、ヨーロッパの歴史や政治、世界の流れを理解する上で、非常に役立ちました。 メルケルは事実に基づいた粘り強い交渉の人でした。 多くの歴史・文化・思想を持つ難しいヨーロッパの中で、物理学者らしく事実を...

非常に読み応えがあり、学びが多い一冊でした。 メルケルという人物を知るだけでなく、ヨーロッパの歴史や政治、世界の流れを理解する上で、非常に役立ちました。 メルケルは事実に基づいた粘り強い交渉の人でした。 多くの歴史・文化・思想を持つ難しいヨーロッパの中で、物理学者らしく事実をベースに困難な調整を進めます。そして東独出身の彼女は民主主義や自由の重要性を認識しており、その価値観を世界に訴えていきます。 プーチン、トランプ、中国などとも、謙虚な姿勢で対等に謙虚な交渉を続けていきました。 彼女のライフスタイルは、政治スタイルと同様、目立つことはなく、ベルリンの賃貸アパートで、質素に配偶者と暮らしているようです。 今までの私の政治家のイメージは、言葉のパワーを使ったリーダーシップタイプでしたが、メルケルは全く違いました。事実を中心に粘り強い交渉で物事を前に進める。そして信頼感を蓄積し、他国のリーダーや人民との信頼感を築いていく。様々な価値観が衝突する現代において、最もふさわしいリーダーであったと思いました。 謙虚さ、忍耐力、レジリエンス、理性の大事さを学びました。

Posted byブクログ

2022/06/16

欧州の政治や問題には、詳しくない私ですが、メルケルの人間性に興味があって読見ました。 歴史や宗教、民主主義、共産主義など今まで知らなかったこと少し理解できた。 1人の女性として尊敬に値する人でした。 難しい部分もありましたが、概ね理解できた。

Posted byブクログ

2022/06/12

読みごたえのある一冊でした。 2021年首相退任までの様子が書かれているので、現在の世界(EU)情勢がよく分かった。 イギリスのEU離脱に見られるように、決して一枚岩ではないEUの中で重要なポジションにいるのがドイツの首相。 メルケルさんは、35歳まで東ドイツで暮らした女性の物...

読みごたえのある一冊でした。 2021年首相退任までの様子が書かれているので、現在の世界(EU)情勢がよく分かった。 イギリスのEU離脱に見られるように、決して一枚岩ではないEUの中で重要なポジションにいるのがドイツの首相。 メルケルさんは、35歳まで東ドイツで暮らした女性の物理学博士という西側諸国の政治家としては稀有な存在です。 謙虚で質素、正確で根拠(エビデンス)に基づいた意思決定を信条とする。 どんな時でも、どんな相手でも、地道に辛抱強く合意点を見つけ出し問題解決に取り組んできた。 「日本の女性政治家」といえば、市川房枝さん、土井たか子さん、「日本のお母さん」といえば、京塚昌子さんが思い浮かびます。 メルケルさんは政治家なのですが、「ドイツの肝っ玉かあさん」というイメージもどこかに感じます。 これほど存在感と信頼感があり、親近感すら感じる政治家は他にはいません。 メルケルさんは、戦争に敗れロシアに支配された東ドイツという国で人生の半分を過ごしている。 ベルリンの壁が崩壊の時、そこに35歳のメルケルさんもいた。 壊された壁の向こうは、自由度も経済力も科学技術力も別世界だった。 東ドイツはどうなるのだろうと心配になったが、東西統一だと聞いてびっくりした。 ベルリンの壁が崩壊の時、東ドイツに派遣されていたKGBの諜報活動局のプーチンもいて、(おそらく)苦々しい思いを抱いていた。 今またロシアがウクライナ侵攻を再開しているが、2014年のロシアのウクライナ侵攻に対して粘り強く交渉し停戦に尽力したのがメルケルさんです。 メルケルさんはロシア語が話せる。プーチンはドイツ語が話せる。両者は通訳なしに会話ができる。 メルケルさんは長い間ロシアの監視社会の中で生きてきたので、ロシアの思想も理解しておりプーチンと最善の対応ができる人物として頼られもしたのだ。 ロシアのエネルギー、中国の市場、アメリカとは安全保障と、この3国と特に密接な関係にあるのがドイツという国だ。 アメリカとは、ブッシュ、オバマ時代は友好関係を築いてきたが、2017年にトランプが出現しアメリカが信頼できるパートナーではなくなった。 ドイツにとって最重要3国のトップが、プーチン、習近平、トランプになってしまったのだ。 実は2016年メルケルは首相の座を降りようとしていたが、世界各地での権威主義の台頭がそれを許さなかった。 ISテロ対策と難民受け入れがあり、イギリスのEU離脱が決まり、トランプが西側の秩序を壊しまくる。 プーチンは西側諸国の分断を大いに喜ぶ。習近平は様子を見て弱いところをじわじわ攻めてくる。 このままではプーチン、トランプ、習近平に好き勝手にやられる。世界の秩序を守るためにリーダーの役目を続けるしかない。 メルケルさんは、4期目は特に環境問題対策とデジタル技術の向上に注力するつもりだった。 AIと量子コンピュータの勉強もしていた。中国の技術力に脅威を感じていたのだ。 しかし未知のウイルスのパンデミックにより、コロナ危機管理マネージャーに急遽変身せざるを得なくなる。 コロナ対応に関しては、ドイツ人はメルケルの発する言葉を信じた。 メルケルに嘘をつかれたことは一度もなかったからだ。 15年間信頼を積み重ねてきた首相が、自分の言葉で自分の本心で語っているのが伝わって来たのだ。 日本やアメリカのように、公式な情報が信じられないのとは違っていた。 「国家レベルの危機にあっては、首相はそこにいる必要があって、責任者として指揮する姿を人々に見せなくてはならない。」 という当たり前のことをきちんと実践し、頻繁に国民に訴えかけた。 2005年首相になった当時は、東ヨーロッパやロシアとの友好関係維持やドイツ国内の問題改善に注力していたようだが、 2010ギリシャ財政危機からは、ドイツの首相というよりもヨーロッパの代表のようになる。 「自国のことだけを考えていればいいわけではないのです。我々はみな、この世界の一員なのです。」と言わざるを得ない世の中になってしまった。 メルケルさんの考え方や演説での発言内容は、当たり前のことのように思えるのだが、それが絶賛されるような社会は危険な兆候なのだともいえそうだ。 4期目の任期の終盤にきて、「レガシーは何か。」という質問には、そんなことを考えているヒマはないと答えていた。 自分を振り返る(=おおむね自分への言い分けで終わる)ことがじれったく我慢ならなかったようだ。 メルケルさんは、サッカーが大好きらしい。 世界中が平和の中で、純粋にワールドカップサッカーが楽しめる日が来て欲しいものだ。

Posted byブクログ

2022/05/17

4月に放送されたメルケルのドキュメンタリー番組で、ドイツでは恒例の退任式での音楽演奏に、ニナ・ハーゲンの歌を選んだというのを見て俄然興味がわき伝記を読んでみた。それにテレビで若いころの姿をみたのも大きい。 メルケル首相といえばコロナ禍の2020年12月、「あれが祖父母との最後の...

4月に放送されたメルケルのドキュメンタリー番組で、ドイツでは恒例の退任式での音楽演奏に、ニナ・ハーゲンの歌を選んだというのを見て俄然興味がわき伝記を読んでみた。それにテレビで若いころの姿をみたのも大きい。 メルケル首相といえばコロナ禍の2020年12月、「あれが祖父母との最後のクリスマスだった」なんてことにはさせたくない、と拳をあげて演説する姿がとても印象に残っている。 そんな堂々たる姿になろうとは思いもよらない、東ドイツでの中高、大学時代、ベルリンでの研究生活、そして35歳での壁崩壊、政治家への転身。実はそこらへんの結婚とか再婚あたりを知りたかったのが当初の読み始めの目的だったのだが、首相になってからの部分も、目の前で歴史が動いているような臨場感で、政治の話は難しいかと思いきや意外に読みやすく、メルケルとともに歩んだような読後感があった。・・月並みだが、凄い人、ずっしり重い職業人生。 各国大統領との駆け引き、子ブッシュ、プーチン、習近平、オバマ、トランプ、マクロン、さらにユーロ危機でのギリシャへの対応、クリミア侵攻、シリア内戦による難民受け入れ、そしてコロナ危機への対応と、世界の変化を実感した。 著者がハンガリー出身(1949生)で同じく旧ソ連下での衛星国としての生活を体験していることも、大きいかもしれない。膨大な関係者に会っているが、メルケル氏は私生活のことはほとんど話さないため、離婚後再婚するあたりまでのことは、同じ研究所員の中にシュタージへの通報者がいたことが後で判明し、記述の情報源はその通報者から、というなんとも皮肉な結果になっている。離婚した独身女性ということで通報すべき人にメルケルはなっており、どこに旅行にいった、どんな本を読んでいる、など報告されていた。 みた番組は 2022.4.18 BSプ 映像の世紀バタフライエフェクト「ベルリンの壁崩壊 宰相メルケルの誕生」(45分) 冒頭が退任式で、それは「カラーフィルムを忘れたのね」という歌でメルケルの青春の歌なのだそうだ。ニナ・ハーゲンは過激な黒メイクのパンクロッカーとしてリアルタイムで知っていたが、実は東ドイツ出身でパンクは西に亡命して活動していたのだ、というのも番組で分かった。 壁崩壊の時メルケルは35才。「カラーフィルムを忘れたのね」は1974年の歌で、メルケルは20歳で大学で物理を学んでいた頃だ。デートにカラーフィルムを忘れて、撮った写真は白黒になってしまった、というポップな歌。パンクのニナからは想像もつかないぽっちゃりしたかわいい姿で普通のポップソングを歌っている。でもこの白黒の世界は抑圧された東ドイツを批判しているという。 本ではハンブルクに母方の親戚がいたため、西側のものも送られてきて、若い頃の夢は「ブルース・スプリングスティーンを聴きながら、ロッキー山脈をドライブすることだった」とあって、なにか親近感がわいた。 あと1本は、 2022.4.30 BS1 世界のドキュメンタリー「メルケルの残したもの16年間の軌跡」(45分2021フランス) これは研究所時代の同僚で後に映画監督になったミヒャエル・シンドヘルムが出て語ったり、政治家になってから継続して写真をとる企画の写真家などが出てきて、コンパクトにメルケルの歩みが分かった。この番組を見ていたので本が読みやすかったと思う。 2021.11.25第1刷 図書館 学習院大学ドイツ語圏.文化学科 退任式の曲 https://de-gakushuin.jp/news/2021-12-05/ ハフポスト 「祖父母との最後のクリスマスにしないで」(新型コロナ) https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5fd2ca07c5b68256b113c436 この本で日本が出て来たのは3.11の震災の1行くらい。訪日歴を調べると、 メルケル氏来日歴 1997年(橋本龍太郎) 京都議定書採択のため環境担当大臣として訪日 2007年8.29(安部1次) 首相として初訪日(公式実務訪問賓客) 2008年7.7-9(安部1次) G8北海道洞爺湖サミット出席のため訪日 2015年3.16(安部) 訪日(公式実務訪問賓客) 2019.2.4(安部) にも訪日している。!なんとこの日東京に行っていた。国立競技場わきのオリンピックミュージアムなどを見学。近辺でドイツの旗が道沿いにありガイドさんがもうすぐ通る予定と言い車を見た記憶。 2019.6.28(安部) G20大阪サミットで訪日

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2022/05/05

メルケルの生い立ちと功績がまとめられている。 メルケル本人が書いていないためしょうがないが、もっと内面世界を知りたい

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2022/04/29

トランプや習近平、そしてプーチンという、権威主義的で信頼の置けない世界のリーダー達と堂々と正面から渡り合ったメルケルは、やはり歴史に残る偉大な政治家だったと改めて感じる。 女性なのに、だからという言葉が意味を成さず、圧倒的な人間力があり、そしてもちろん多少なりとも評価が分かれると...

トランプや習近平、そしてプーチンという、権威主義的で信頼の置けない世界のリーダー達と堂々と正面から渡り合ったメルケルは、やはり歴史に残る偉大な政治家だったと改めて感じる。 女性なのに、だからという言葉が意味を成さず、圧倒的な人間力があり、そしてもちろん多少なりとも評価が分かれるところもあるが、人格者なのであろう。 バイデン、マクロンの言葉には、彼女のような重みは感じられない。 そして、メルケルの引退と同時にウクライナへの侵攻を仕掛けたプーチン。 メルケルが抜けた西側諸国に、プーチンと渡り合える人物は果たしているのだろうか?

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2022/04/13

メルケルのコロナ対応に際して国民に呼び掛けた演説に感動して、どんな人物か少しでも知りたいと思い、読み始めました。 東日本大震災の惨事から原発政策からの完全撤退の決断、ロシアの天然ガスパイプラインへの投資の決断、中国への経済的傾斜への舵取り、ユーロ危機に際してEU支援に背を向けるも...

メルケルのコロナ対応に際して国民に呼び掛けた演説に感動して、どんな人物か少しでも知りたいと思い、読み始めました。 東日本大震災の惨事から原発政策からの完全撤退の決断、ロシアの天然ガスパイプラインへの投資の決断、中国への経済的傾斜への舵取り、ユーロ危機に際してEU支援に背を向けるも、コロナ禍で財政疲弊したEU加盟の国への支援にフランスと共に財政負担を決断等、その時々のドイツやEU、民主主義陣営を守るべく行動の数々がまさにメルケルなのだと思います。 首相の仕事を「私の呪わしい努め」と表現する人物、「努力の人だったと歴史書に書かれたい」と語る人物、本書が言うには「名誉や功績より、結果を求める人物」、国内政治への権限が制約されている連立政権の首相でありながら、世界のリーダーとしての活躍に驚くばかりです。 メルケルの再登場を求める様なロシアのウクライナ侵攻を目にして、この事態を今解決に導いてくれる政治家が居るのだろうかと思いました。

Posted byブクログ

2022/04/02

メルケルと関わった人からの証言も多く、メルケルの人物像が浮かび上がってくる。そして、アメリカとEUなどの大国の力のある首相らがどのように現代社会を作っているかが分かる。現代ヨーロッパの政治、近代の歴史書として素晴らしい。ロシアがウクライナに侵攻している時なので、プーチンとメルケル...

メルケルと関わった人からの証言も多く、メルケルの人物像が浮かび上がってくる。そして、アメリカとEUなどの大国の力のある首相らがどのように現代社会を作っているかが分かる。現代ヨーロッパの政治、近代の歴史書として素晴らしい。ロシアがウクライナに侵攻している時なので、プーチンとメルケルとの戦いが現実感のある身近な事として受けとめることができた。

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