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ミチクサ先生(下) の商品レビュー

4.1

28件のお客様レビュー

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2022/11/21

伝記ではなく、あくまでも小説であるため多少の脚色は仕方ないのだろうが、「天災は忘れた頃にやってくる」という台詞は寺田寅彦自身が言った物ではなく、弟子が論文で誤った引用をしたものがきっかけであることがあたかも彼の口から言ったように描写されていることと、本の誤植なのだろうが中村是公の...

伝記ではなく、あくまでも小説であるため多少の脚色は仕方ないのだろうが、「天災は忘れた頃にやってくる」という台詞は寺田寅彦自身が言った物ではなく、弟子が論文で誤った引用をしたものがきっかけであることがあたかも彼の口から言ったように描写されていることと、本の誤植なのだろうが中村是公のルビが「なかむらよしこと」ではなく、「なかむらこれきみ」とされていたのが個人的に残念だった。 ただ、漱石の門下生や正岡子規との関係、妻鏡子とのことなど、入門編として読むことは勧めたい。

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2022/08/09

(上)から続く。 夏目漱石の小説家としての活動が明治38年から11年間という短い期間だったことに驚く。短くも濃厚な作家人生だったのだなあ。 不満だらけの教師の職場、ままならないことばかりの英国留学、多忙を極め命を削りながらの執筆生活、、、。淡々とでもイキイキと語られる漱石先生の物...

(上)から続く。 夏目漱石の小説家としての活動が明治38年から11年間という短い期間だったことに驚く。短くも濃厚な作家人生だったのだなあ。 不満だらけの教師の職場、ままならないことばかりの英国留学、多忙を極め命を削りながらの執筆生活、、、。淡々とでもイキイキと語られる漱石先生の物語、読んでる端から物凄く作品を新たに読んでみたくなった。

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2022/07/11

夏目漱石さんの人生を特に盛り上がりもなく非常に淡々と描いていて、それなのに読み終わる頃には漱石さんのことがなんだか好きになってしまい、彼の本を読み直したくなる1冊でした。 たまには、こういう淡々とした作品を読むのも良いね。 若い子とかは、この本を読んでから漱石さんの小説を読んだ...

夏目漱石さんの人生を特に盛り上がりもなく非常に淡々と描いていて、それなのに読み終わる頃には漱石さんのことがなんだか好きになってしまい、彼の本を読み直したくなる1冊でした。 たまには、こういう淡々とした作品を読むのも良いね。 若い子とかは、この本を読んでから漱石さんの小説を読んだ方がいいね。

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2022/06/19

筆者による漱石の作品解説の様相もあり、漱石文学の魅力を知る書籍としても楽しめた。 この時代、親しい人の死が人生の早い段階から身近にあるということが、文学に大きな影響を与えていたと感じる。幸福なことながら、それは現代文学が失った感覚なのかもしれない。 またこの時代、文学というも...

筆者による漱石の作品解説の様相もあり、漱石文学の魅力を知る書籍としても楽しめた。 この時代、親しい人の死が人生の早い段階から身近にあるということが、文学に大きな影響を与えていたと感じる。幸福なことながら、それは現代文学が失った感覚なのかもしれない。 またこの時代、文学というものが娯楽の中心、王道であったこと。これもまた今とは違った感覚なのであろう。

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2022/05/14

若くして亡くなり、波乱に満ちた人生だったと思いますが、実際、金之助本人としてはこんな感じで案外あっさりとしたものだったのかも知れません。月並みですが、漱石の作品を久しぶりに読んでみたくなりました。

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2022/05/06

ほぼ正岡子規との関係を通じて描かれる夏目漱石の生涯。 漱石としての活動年数は短く、夏目金之助として書かれた本書はその実像に近く感じる。 作者の小説は余り読んだことがないが、親しみやすくどこか暖かみやユーモアを感じさせるもので、本書にふさわしい。 短い活動期間に、前例のない小...

ほぼ正岡子規との関係を通じて描かれる夏目漱石の生涯。 漱石としての活動年数は短く、夏目金之助として書かれた本書はその実像に近く感じる。 作者の小説は余り読んだことがないが、親しみやすくどこか暖かみやユーモアを感じさせるもので、本書にふさわしい。 短い活動期間に、前例のない小説という形式を開拓し、傑作を多数残し、数多の後進を育てた漱石は正に巨匠、文豪であったが、人間的な魅力にも溢れた人物だったことだろう。

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2022/05/03

面白かった。漱石が亡くなるところまで、きっちり終わっているので、読了感が満足。下巻は東京に戻り、猫を書き、小説家になっていくのだが、やはり英国留学と子規との別れ、吐血と漱石のバイオの山場はきっちりと抑えられている。 猫は小学生高学年から読んで、各年代で読んでるが、何度読んでも面白...

面白かった。漱石が亡くなるところまで、きっちり終わっているので、読了感が満足。下巻は東京に戻り、猫を書き、小説家になっていくのだが、やはり英国留学と子規との別れ、吐血と漱石のバイオの山場はきっちりと抑えられている。 猫は小学生高学年から読んで、各年代で読んでるが、何度読んでも面白いと思うねぇ。もちろん、好みでいうと、行人とか虞美人草とかのほうが好みなんだが、猫は今のラノベに近い痛快さとスピード感がたまらん。  シェークスピア、読書論、芸術美術、人物、文章にも目利きをした漱石が、やさしくわかりやすく描かれている。個人的には、もうすこしメンタルアップダウンの激しい、エキセントリックで線の細いところのある歌舞いた人物を想像していたので、ちょっとズレはあるが、これはこれで楽しく読めた。 p255 「早稲田から輿に乗せられて、旅に出た。一流の船室で移動し、一流の宿に泊まり、一流の人々に挨拶を受け、金之助はたちまち体調を崩した。」

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2022/05/02

■ Before(本の選定理由) 上巻を読了。まだ小説は書いていない。 正岡子規には死の影が近づいている。 果たして漱石はその後どんな日々を過ごしたのだろう。 ■ 気づき 最後に会った日に正岡子規が漱石に送った句「秋の雨 荷物濡らすな 風邪ひくな」。死期を悟ったなかで、こんなに...

■ Before(本の選定理由) 上巻を読了。まだ小説は書いていない。 正岡子規には死の影が近づいている。 果たして漱石はその後どんな日々を過ごしたのだろう。 ■ 気づき 最後に会った日に正岡子規が漱石に送った句「秋の雨 荷物濡らすな 風邪ひくな」。死期を悟ったなかで、こんなにも気丈に振る舞い、ユーモアを大切にした姿に涙が止まらなかった。 また、漱石が文学を志すのは意外に遅く、公費留学中のロンドンで、安アパートで一人、35歳の正月を迎えた朝だったという。 ■ Todo この感慨を胸に漱石の小説を読み返したから、きっと違った風景=漱石の日々の断片を見ることだろう。分量で敬遠していた「吾輩は猫である」も読んでみよう。 そして、何かを始めるのに、遅すぎるということは無い。 自分の中の「兆し」の感覚を大切にしてあげよう。

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2022/05/01

伊集院静さんの○○先生シリーズ、且つ、夏目漱石先生ときたら読まないわけにはいかない。 ノボさんとの交流と別れ(真の友との関係が羨ましい)、松山熊本での教師生活(教わった生徒が羨ましい)、帝大の講義や講演会(聴いてみたかった)、寺田寅彦他の弟子との交流(木曜会に入りたい)、鏡子夫人...

伊集院静さんの○○先生シリーズ、且つ、夏目漱石先生ときたら読まないわけにはいかない。 ノボさんとの交流と別れ(真の友との関係が羨ましい)、松山熊本での教師生活(教わった生徒が羨ましい)、帝大の講義や講演会(聴いてみたかった)、寺田寅彦他の弟子との交流(木曜会に入りたい)、鏡子夫人との生活(思っていたよりも素敵な夫婦だ)、そして猫との関係。 3度目の漱石制覇がしたくなった。

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2022/04/29

英国留学を経て小説家へと進む金之助。 文豪はこうして誕生したんだな、と勉強になりました。日本人なら誰もが知る夏目漱石。氏の有名な作品より先に読んでおきたい1冊。

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