破蕾 の商品レビュー
官能的な作品と知りつつ手に取りました。 冲方丁さんが女性名で出した時代小説であり官能小説。 罪を犯した妖艶な女性を中心に描いた連作短編集 女性が主人公だけれど、感情は男性的な気がした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
沖方丁が別名で書いたまさかの官能時代小説。話が遡っていく3編の連作集で、淫靡で倒錯的な場面が濃厚に描かれている。 最初の話は、礼節をわきまえた武家の娘で御家人に嫁いだお咲が主人公。旗本の屋敷に差し入れを届けにいくが、そこに待ち受けていたのは、ある罪人の女の身代わりに「市中引回し」の刑を受けよという命令。驚く間もなく緊縛された彼女は淫靡な手段で容赦ない辱しめを受け変貌させられていく。 話は、次に罪人の女・芳乃が娘時代に奥奉公した時に遡る。彼女は高位の方の御屋敷で奥女中として働く母が、その主との間にもうけた子であり、自分も母のように出世すごろくの「あがり」を得たいと思っていた。この話の中では僧侶たちと奥の女たちとの倒錯的な集団乱交の世界がこれでもかというほど過激に描かれている。 最後は芳乃が奉公していた御屋敷の女剣術指南役・お景の娘時代の話。 男色の兄弟子とその相手、そしてお景の3人が肉体を求め合うようになる。そのインモラルな場面がなんとも妖艶だ。 いずれも、読むのが背徳行為にあたるようで恥ずかしい気がした。特に最初の作品はまるでSM小説を読んでいるような感じだった。
Posted by
一次創作の官能小説をあまり読んだことがないのですが、三つのお話それぞれに刺さる性癖が違う色シーンがあり、それでいて謎が明かされるのは素晴らしいなと思いました。
Posted by
先入観なく読み始めたらびっくりした。 なんと、官能連作集。 しかも、作者は冲方丁だという。 これまでの作品と全く違うジャンルだが、力を入れたことがわかる。 官能作品、つまり「猥褻」といえば、法学を学んだものなら必ず聞く裁判例がある。 「チャタレイ事件」という、表現の自由と猥褻に...
先入観なく読み始めたらびっくりした。 なんと、官能連作集。 しかも、作者は冲方丁だという。 これまでの作品と全く違うジャンルだが、力を入れたことがわかる。 官能作品、つまり「猥褻」といえば、法学を学んだものなら必ず聞く裁判例がある。 「チャタレイ事件」という、表現の自由と猥褻について争われた事件である。 それを思い出すような内容を著者はあと書きで述べている。 本作の内容としては、市中引き回しの刑をある女の代わりに受ける女性、そしてその「ある女」の物語だ。 それは淫靡極まりない。 読んでいて年甲斐もなくどきどきしてしまった。 登場人物たちは何を求めているのか、それはひとえに「生」ではないか。 生きることは、何かを求めること。 生きることとは欲望。 ほとばしるさまざまなもの、滴るもの。 これらを想像の中で浴びて、しばしぼんやりとする。 性を通して生を描いた本書は、気を抜けばその妖しさに引き摺り込まれてしまいそうだ。
Posted by
官能という言葉に引っかかりてにとりました。 一週間で読み終えました。 難易度 中 感動★☆☆☆☆ 涙線☆☆☆☆☆ 興奮★★☆☆☆ 感心★☆☆☆☆ 伏線★★★☆☆
Posted by
- 1