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2034 米中戦争 の商品レビュー

3.5

11件のお客様レビュー

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2024/08/06

米中戦争が近未来で起こるとしたというシミュレーションとして読みました。 作者の一人は米国海軍の重鎮で、小説という形にしたのは、警告の物語として強く記憶に残ると思ったからと述べている。 米中双方の偉い人達は相手の取るであろう行為を推測できるので、結果として全面戦争の抑止力が働くはず...

米中戦争が近未来で起こるとしたというシミュレーションとして読みました。 作者の一人は米国海軍の重鎮で、小説という形にしたのは、警告の物語として強く記憶に残ると思ったからと述べている。 米中双方の偉い人達は相手の取るであろう行為を推測できるので、結果として全面戦争の抑止力が働くはずという核抑止力の論理は簡単に破られる。「目には目を」というポピュリズムに押される政権は、全面核戦争へエスカレートする道を簡単に選んでしまいそうです。ポピュリズムに負けない、やられてもやり返さない理性的な政権を選ぶ必要あります。ことし選ばれる新米大統領は大丈夫でしょうか? 通常兵器の戦争での負け戦が戦術核を使う理由になるという本ストーリーは現在進んでいる戦闘を考えると畏怖を感じる。ロシアもイスラエルの政権も、通常兵器で大敗したら、民衆の目を戦術核を使ってきそうです。攻撃の応酬のエスカレートを止める手段が、本小説のようにあるとは思えない。背筋が寒くなります。

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2024/02/05

米海兵隊の特殊部隊に従軍していたアッカーマンとNATOの最高司令官も務めた元米海軍大将スタヴリディス提督が書いた米中戦争のシミュレーション。 戦争という国家間の危機においても、当たり前だけれどそこには判断、実行を重ねる個人がいて、その積み重ねが結果につながるのだと改めて感じた。...

米海兵隊の特殊部隊に従軍していたアッカーマンとNATOの最高司令官も務めた元米海軍大将スタヴリディス提督が書いた米中戦争のシミュレーション。 戦争という国家間の危機においても、当たり前だけれどそこには判断、実行を重ねる個人がいて、その積み重ねが結果につながるのだと改めて感じた。 各登場人物の背景や考え立場が表現されていて、少しずつ思惑のボタンがかけちがうことでエスカレートしていくさまがリアルで、恐ろしくて、興味深かった。 国家間の歴史、関係性や地理、ホワイトハウスの高官や米海軍での役職などの分掌を理解して読むと、より面白さを感じられる気がする。 これからは国防においてはサイバー能力がいかに重要かということについても理解が進んだ。 日本の外務省が中国のサイバー攻撃を受け大規模な情報漏洩を起こしていたとのニュースを目にしたばかり(しかも米政府から警告までもらっている)で不安は募る 今後もサイバーセキュリティの観点でもニュースにアンテナをはろう

Posted byブクログ

2023/01/25

CSISのウォーゲームのような米中戦争のシュミレーション 戦闘経過は違うものの、戦争の結果と戦後の世界秩序の変化については、CSISのレポートに似ているのではないか? 本書は2034だが、2027までに起こりうると言われている現在、私達は何に備えておけばいいのだろうか? トランプ...

CSISのウォーゲームのような米中戦争のシュミレーション 戦闘経過は違うものの、戦争の結果と戦後の世界秩序の変化については、CSISのレポートに似ているのではないか? 本書は2034だが、2027までに起こりうると言われている現在、私達は何に備えておけばいいのだろうか? トランプ政権からの流れが、先の大戦前の状況と似てるところがあるのが気になる

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2023/01/24

近未来に米中が戦争となる仮想戦記。 中国、イラン、ロシアが絡みアメリカが中国との戦争に引きずり込まれる。 米中戦争となれば、影響必至の日本について本書ではほぼスルー。 日本不在で物語は進む。 まぁ、実際米中で戦争になれば日本なんて両国にとってはあまり関係ないことは予想の範囲...

近未来に米中が戦争となる仮想戦記。 中国、イラン、ロシアが絡みアメリカが中国との戦争に引きずり込まれる。 米中戦争となれば、影響必至の日本について本書ではほぼスルー。 日本不在で物語は進む。 まぁ、実際米中で戦争になれば日本なんて両国にとってはあまり関係ないことは予想の範囲内。

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2022/09/14

いま一つ入り込めない。やはり翻訳物は合わないかも。 もちろん私は戦争にしてもIT方面にしても専門的なことはろくすっぽ解らないのだが、それにしてもリアリティが感じられなかったことが大きい。 米中戦争の入り方はまだ良いとして、強烈なサイバー攻撃?で米艦隊の電子技術無効化や、その直ぐ後...

いま一つ入り込めない。やはり翻訳物は合わないかも。 もちろん私は戦争にしてもIT方面にしても専門的なことはろくすっぽ解らないのだが、それにしてもリアリティが感じられなかったことが大きい。 米中戦争の入り方はまだ良いとして、強烈なサイバー攻撃?で米艦隊の電子技術無効化や、その直ぐ後の米による中国都市への戦術核攻撃、それに伴う妙に落ち着いた感じの核報復応酬。空母から艦載機で上海に核爆弾を落とすってのも疑問だし。現代戦ってこんなに淡々と進められるのか、という違和感。 まぁ戦争が後味悪いものというのは良く感じ取れた。

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2022/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フィクションであり、サイバーに関して極端になんでもできすぎることになっていることに違和感は感じるものの(台湾侵攻の容易さとか中国の行動にち密さと杜撰さが混在していること等、違和感があることをあげつらえばきりがないが、フィクションなのでそこを難詰めすることに意味はない)、米中の対立においてどのような事態が生起しうるのかの頭の体操としては楽しめた。 一番興味深く印象深かったのがインドの行動。 米中の対立に、中立の立場で両者に軍事介入するという行動。 これが実際に行われるのかどうかは全くわからないが、国際社会において存在感を示すという意味で、軍事力の非常に効果的な使用法であり、米中戦争(厳密には戦争ではない。散発的な武力の応酬というべきか。)の中で、一番の果実を得るのがインドであると描くのは、フィクションではあるものの著者の慧眼と感じた。 翻って日本について考えてみた場合、米国との同盟との名の下に、完全に欧米に追従する形の行動をとって、本当に国際社会において存在感を示せるのか。 何もせず、米国、そして日本が国際社会の中で相対的に国力が低下していく中で、国土や経済的な権益を確保していけるのか。 戦争は望ましくないものの、(ウクライナを見ても明らかなように)結局のところ軍事力がなければ国を守れない現実を目の前にして、いかにして今後軍事と経済のバランスを考えなければならないかということを改めて感じさせれた(本書そのものの内容からは大幅に脱線しているが)。

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2022/04/18

図書館で借りた。 近未来の戦争を描いた小説。軍人すなわち専門家が描き、タイトルから察するように、これから起こる世界を知るのに良い教材とのこと。 私には難しかった。ただでさえ「小説から知る」というのは苦手な上、用語等にもついていけず、どうも文章から映像が浮かんでこない。ほとんど読...

図書館で借りた。 近未来の戦争を描いた小説。軍人すなわち専門家が描き、タイトルから察するように、これから起こる世界を知るのに良い教材とのこと。 私には難しかった。ただでさえ「小説から知る」というのは苦手な上、用語等にもついていけず、どうも文章から映像が浮かんでこない。ほとんど読めなかった。

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2022/04/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いま、ウクライナで『戦争』が起きていますが、これはそれよりも先の話。 ここで描かれているほど、ICT機能においてアメリカが中国に劣勢になるという事は、ちょっと考えにくいのではないかと思いますが、アメリカと中国が何かしらの事柄で衝突するという事はありうる話だと思います。そういう意味で、これは現実の話ともいえるのではないかと。いまから12年先の話ですからね。 それと、思いの外インドが力をつけているのも興味深いですね。これも、現実としてありうる話ですね。インドの経済成長の著しいです。ウクライナでの『戦争』で、中国と同じく独自の立場をとっているのは、その自信の表れなのかもしれません。逆に言うと、アメリカの威信の低下を示しているとも言えますが。 核兵器を使うと、たとえそれが戦略核ではなくて戦術核だとしても、未来は無いんですよねぇ。

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2022/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「これは警告の物語。小説という形にしたのは、読者が自らを登場人物と重ね合わせることで強く記憶に残ると思ったから」  これは著者のひとり、スタヴリディス氏が巻末解説を寄せた梶原みずほ氏(朝日新聞編集委員)に語ったもの。その警告をリアリティあるものとして受け取るには絶好のタイミングで読めた(絶好、とまで書くのは極めて不謹慎とは思いつつ)。  本書のあらすじは、テレ東BIZの動画を参照されたし。 ( https://www.youtube.com/watch?v=9lWlBikev9Q ) 私もこの動画で本書を知り、翻訳が出てから手にした。それが、このタイミング(2022/2月下旬)だったのも、なにかの因縁?ロシアのウクライナ侵攻を横目で眺めながらの読書となり、 「戦争には誤算がつきものだ。必ず誤算が生まれる。だからこそ、戦争勃発時には双方が勝てると信じているのだ」  こうした本書の記述を生々しく感じながら読み進んだ。  物語としての面白味は、著者が「読者が自らを登場人物と重ね合わせることで強く記憶に残ると思ったから」と言うように、限られた登場人物に焦点を当てつつ展開する点か。第三次世界大戦ともいえる世界規模のお話に主だった登場人物は5人、米国駆逐艦艦長大佐、インド系米国安保担当大統領補佐官、米軍パイロット少佐、中国在米大使館国防武官、イラン革命防衛隊准将だ。重要な役回りを演じるインド退役海軍中将を入れても6人。  彼らの、ヒトトナリ、動向を追うことで彼らの目線で見た世界が描かれていて、込み入った内容のわりに読みやすい構成は、上手い。  上記の登場人物も、米国駆逐艦の艦長が女性だったり、インド系大統領補佐官は小さな娘がいることから30前後、米軍パイロット、中国大使館武官も近い年齢だろう。イラン軍准将はベテラン40-50代、そしてインド退役軍人は、大統領補佐官の叔父にあたるということで、60代あたりと想像できる。このように、国籍、民族の違いだけでなく、性別、年代もバラけさせた配分も、多くの読者が誰かに自分を重ね合わせて物語に入っていける巧みな点だ。  物語は、南シナ海で、サイバー攻撃を受けたアメリカ軍が中国に翻弄されることでスタートする。ITテクノロジー頼りの米軍が、中国に武力設備を無力化されて緒戦を落とす。近未来の戦争は、実弾がモノをいう時代ではないということが強く印象づけられる。  が、結局は、その後は報復に対する報復という泥仕合(しかも核を使用しての)に発展してしまうのだが、この作品では、全人類を滅亡させる戦略核使用の前に、この米中戦争を終結させるべく、第三国が仲裁役を果たすという結末へと、怒涛の勢いで展開していく。  物語としては、大どんでん返しも起死回生の奇策もなく、かなりの想定内の収まりではあるが、展開する中で、米中それぞれの思惑、相手国に対する洞察、分析などの表現が、元海兵隊のジャーナリストと元NATO軍最高司令官による共著なだけに信憑性が高そうで、実に面白いのだった。  中国の高官がアメリカをこう評する。 「彼らは感情に支配されている。刹那的な道義と、自分たちがかけがえのない国だという妄信に支配されているのだ。映画をつくるだけの国であれば、素晴らしい気質だが、我が国のように千年単位で生き延びる国にはふさわしくない・・・・。今後、アメリカはどこに向かうのか?千年後には国だったことさえ忘れられている。刹那にすぎなかったと記憶されるだろう。はかない刹那だったと」  中国人に語らせてはいるが、これはアメリカ人自身が抱いている自国に対する不安なのかもしれない。  この物語が出た2021年は、中国が「海警法」を改訂し、台湾侵攻への可能性を高め、それに対抗する西側諸国の南シナ海での中国包囲網の形成が一気に進んだ年だ。あからさまな力と力の均衡の裏側で、本書の発端となったサイバー攻撃の可能性が着実に進んでいるのではないだろうか。  国益の在り方、平和維持の方法、あるいは国際秩序維持の論理の変換までもが進行しているように感じる。  今のウクライナ問題(2022年3月現在)も、単にロシアの力の誇示だけではない気がしてならないし、2034年に向けての不気味な胎動の始まりなのかもしれないと、現実に照らし合わせながら、危機感を持って楽しめる、今が旬の好著だろう。

Posted byブクログ

2022/02/13

サイバー攻撃がどういうものなのか、臨場感を持って伝わってきた。物理的な武力で勝ってれば良いというものではない。なるほど。 あと日本の影の薄さもなんだかリアル。西側陣営の小国の1つみたいな描かれ方、というか事実そうなんだろうな。

Posted byブクログ