ポイズン ドクターM の商品レビュー
全体的に質の高い医療ミステリーアンソロジー。 浅ノ宮遼さんの片翼の折鶴。切ない夫婦愛。人間愛。短いけど感動的。 五十嵐貴久さんの老人と犬。安定の五十嵐さん。まあ、奥さんの気持ちはよくわかりますね。 大倉崇裕さんの是枝哲の敗北。立体駐車場での殺人事件。こんな男にはざまあな結末。 海...
全体的に質の高い医療ミステリーアンソロジー。 浅ノ宮遼さんの片翼の折鶴。切ない夫婦愛。人間愛。短いけど感動的。 五十嵐貴久さんの老人と犬。安定の五十嵐さん。まあ、奥さんの気持ちはよくわかりますね。 大倉崇裕さんの是枝哲の敗北。立体駐車場での殺人事件。こんな男にはざまあな結末。 海堂尊さんのガンコロリン。短いけど面白い。星新一のショートショート的な面白さ。 塔山郁さんの笑わない薬剤師の健康診断。これも面白い。他の作品も読んでみたい。 葉真中顕さんのリビングウィル。何だか考えさせられるお話。構成はありきたりなんだけど、でも切ないですね。 連城三紀彦さんの夜光の唇。妻と愛人と、それに混乱する美容整形外科医の男。お話としてはとても面白いけど、果たしてこれ、ミステリー?でも面白いから良し。
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医療ミステリー、7人の名手が紡ぐ名作揃い。 それぞれ謎あり、ユーモアありで、楽しめます。 診断学で真理を見抜く臨床医。 動物と話が出来る獣医。 事件を事故に偽装する皮膚科部長。 尊厳死を巡る混沌、などなど 『是枝哲の敗北』、『笑わない薬剤師の健康診断』が好きですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『リビングウィル』葉真中顕★★★★ 安楽死と尊厳死をきちんと書き分けてあり、好印象。ここが曖昧だと話がおかしくなる。 意識が戻らず、いわゆる植物人間になると言われた親族が損得勘定や、リビングウィルについて考える。 でも患者本人は、実は意識はあるが発信できない、そんな状態だったら… そして意識があるとしたら患者本人の気持ちが変わることもあるかもしれない。 本当に難しい問題だと改めて感じる。
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海堂尊さんの作品を読みたくて借りました。ガンコロリンという画期的な薬の開発に沸き立つものの、最終的な結末が…。その他の話はサラリと流し読む感じで終了。また、時間があるときにじっくり読もうと思う。
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「こんな話だった」と後で思い出して話せる、印象の深い話が色々集まった、 ドクターMのアンソロジー2冊目。 前回は分厚くて盛り盛りだった。 こんなふうにテーマがあって、このくらいのボリュームだと読みやすいかも。 『ポイズン』毒はいろいろだった。 文字通り毒や薬のトリックもあれば、...
「こんな話だった」と後で思い出して話せる、印象の深い話が色々集まった、 ドクターMのアンソロジー2冊目。 前回は分厚くて盛り盛りだった。 こんなふうにテーマがあって、このくらいのボリュームだと読みやすいかも。 『ポイズン』毒はいろいろだった。 文字通り毒や薬のトリックもあれば、皮肉や毒気にあふれた話、人の心にひそむ毒など。 シリーズ物の中の1編というものもあって、元のシリーズが読みたくなった。 獣医の土井先生、福家警部補(ドラマ化されていたんですね)、薬剤師の毒島さん。 アンソロジーのいいところの一つは、読みたい作家さんが増えることだ。 『片翼の折鶴』浅ノ宮遼 双極性障害の妻は、自分が死んだら脳をブレインバンクに提供して、自分を苦しめていた病に対する研究に使ってほしいという意思表示をしていた。 同時に、癌にもかかっていて、あと半年の命だった。 彼女は夫にあることを依頼する。 『老人と犬』五十嵐貴久 元警察官の老人は、現役時代に取り締まっていた暴力団の一派に殺される、という考えに取りつかれている。 南武蔵野署の副署長・立花令子(たちばな れいこ)が話を聞きに行く。 『是枝哲(これえだ さとし)の敗北』大倉崇裕 是枝哲は49歳にして総合病院の皮膚科部長。院長の娘を妻に持つおかげだ。 不倫関係にあるMR足立郁美が急に結婚を迫ってきて、邪魔になった。 完全犯罪のつもりだったが、福家警部補に追い詰められる。 『ガンコロリン』海堂尊 ガン撲滅は、人類の悲願である。 しかし、飲むだけで癌を撲滅し、予防もできるという夢のような薬が開発された後、医学界に、そして人類に何が起きるか。 『笑わない薬剤師の健康診断』塔山郁 ある時は医師以上に患者の身近に寄り添う薬剤師。 薬のことを語り出したら止まらない毒島(ぶすじま)さん。 『リビング・ウィル』葉真中顕 「リビング・ウィル(生前の意志)」とは、万が一の時に(植物人間状態になった場合など)、尊厳死を希望するか否か、あらかじめその意思を書面に記したもの。 皮肉な結果に。 これは、笑っていいのか、戦慄しなくてはいけないのか。 『夜光の唇』連城三紀彦 美容外科医・藤木集介は結婚13年、浮気を繰り返していた。 結婚記念日に、妻からの贈り物が届く。 少し時代が古い作品だが、さすがの細やかな描写がゾッとさせる。 ホラーだ!サイコホラーを感じる!!
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朝日文庫による医療系ミステリーのアンソロジー第2弾。 サブタイトルにポイズンとあるが、いわゆる毒殺縛りというわけではなく、掲載内容は、臨床医、獣医学、がん抑制薬学、薬剤師、終末医療、美容整形と、前作同様に幅広い。 作家陣も旬の方から往年のベテランを取り揃えており、キレのある短編ば...
朝日文庫による医療系ミステリーのアンソロジー第2弾。 サブタイトルにポイズンとあるが、いわゆる毒殺縛りというわけではなく、掲載内容は、臨床医、獣医学、がん抑制薬学、薬剤師、終末医療、美容整形と、前作同様に幅広い。 作家陣も旬の方から往年のベテランを取り揃えており、キレのある短編ばかり。 連城三紀彦は定番のアダルティぶり。 海堂尊も、トンデモっぽい大風呂敷だけど、さもありなん的な巧さ。 連作シリーズからの掲載作品もあり、気になるモノはここから追いかけるきっかけになるかも。個人的には塔山郁の「笑わない薬剤師の健康診断」がヒット。元ネタ本チェックしてみようと思った。 COVID-19感染拡大により何かと注目されがちな医療関係。それに因んでのモノではなく、そうなる前からの企画らしい。
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+++ 足の痒みに悩む水尾爽太は、訪れた薬局で毒島という女性薬剤師に出会う。誤診を見抜いた彼女に興味を抱き、伯父の病状について相談すると、話は予想外の方向へ──(「笑わない薬剤師の健康診断」)。医療ミステリーアンソロジー第2弾! +++ 「片翼の折鶴」 浅ノ宮遼 「老人と犬」 五...
+++ 足の痒みに悩む水尾爽太は、訪れた薬局で毒島という女性薬剤師に出会う。誤診を見抜いた彼女に興味を抱き、伯父の病状について相談すると、話は予想外の方向へ──(「笑わない薬剤師の健康診断」)。医療ミステリーアンソロジー第2弾! +++ 「片翼の折鶴」 浅ノ宮遼 「老人と犬」 五十嵐貴久 「是枝哲の敗北」 大倉崇裕 「ガンコロリン」 海堂尊 「笑わない薬剤師の健康診断」 塔山郁 「リビング・ウィル」 葉真中顕 「夜光の唇」 連城三紀彦 +++ 誰もが関わらずにはすまない医療を題材にしたミステリだが、切り口はそれぞれにまったく異なり、飽きることなく愉しめる。たださすがに医療にかかわるミステリなので、そのまま命を左右する分、恐ろしさもひとしおである。ことに、リビング・ウィルの難しさには、改めて唸らされた。自分のこととして、しっかり考えなければと思わされる。怖さを含めて愉しめる一冊だった。
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『ガンコロリン』はコメディっぽい感じ。 『笑わない薬剤師の健康診断』は他の話も読みたくなる。 『リビング・ウィル』はちょっと考えさせられる。
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