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写真集 #ゴイサギはいいぞ の商品レビュー

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2件のお客様レビュー

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2022/09/14

京都・鴨川には多くの野鳥がいますが、本書のゴイサギもその1つ。 ちょっとペンギンに似た配色で、実際、ペンギンと見間違える人も多いようですね。 ゴイサギ、ちょっと変わった名前ですが、その由来は『平家物語』(巻第五 朝敵揃)にあります。醍醐天皇が池のほとりでこの鳥を見かけ、家来に捕っ...

京都・鴨川には多くの野鳥がいますが、本書のゴイサギもその1つ。 ちょっとペンギンに似た配色で、実際、ペンギンと見間違える人も多いようですね。 ゴイサギ、ちょっと変わった名前ですが、その由来は『平家物語』(巻第五 朝敵揃)にあります。醍醐天皇が池のほとりでこの鳥を見かけ、家来に捕ってくるように言います。飛び立ってしまうだろうなと思った家来ですが、「宣旨ぞ(帝のご命令ですよ)」というと、鳥はおとなしく捕まります。醍醐天皇がこれを誉め、「この鳥は今日から五位に任じよう」と官位を与えられたとのこと。『今昔物語』の「芋粥」の男が五位、まぁそこそこ高い官位というところでしょうかね。ちなみに帝に命じられて捕まえた家来は六位だったんだそうで、「えー、俺より鷺が上!?」と思わなかったのかいささか気になるところです。 閑話休題。 で、本書はそんなゴイサギの写真集。著者さんは身近な普通種の生物を撮り続けてきたカメラマン。近年はゴイサギがお気に入りなんだそうです。 「和」の色合いの羽、愛らしいフォルム。飛ぶ際には意外に翼が大きく堂々たる飛翔姿を見せてくれます。そして、魚を取るときちょっと「どんくさい」のもチャームポイント。著者さんは愛をこめて「ゴイちゃん」と呼んでいます。繁殖期には、後頭部に3本、白い羽毛が伸びるのですが、これもおしゃれな感じがしますね。 鴨川に住むゴイサギを撮っているので、水との対比がまた美しい。流れる川にたたずむ日本画のような一幅。羽についた水滴のアップ。魚を捕る瞬間のしぶき。 ゴイサギは、英語ではnight heron(夜の鷺)と呼ばれ、日本でも夜烏と呼ぶ地方もあるそうです。そんな夜のゴイサギに迫った写真もまたちょっと違う雰囲気で楽しいです。 帝の家来に掴まった一件。ほんとのところ、天皇の威光に恐れ入ったんじゃなくて、ただ単純に「どんくさい」からだったんじゃないのかなーとちょっと失礼なことを思いつつ、ゴイサギのさまざまな姿を楽しませてもらいました。 *ちなみにこれ、タイトルがハッシュタグ付きになってるのが今っぽい感じがしますが、リアルタイムで口コミがわかったりして便利、とかなのかな・・・? さて、私のレビューも著者さんの目にとまるでしょうか!?

Posted byブクログ

2021/12/08

丸々としたボディが印象的な表紙と、「○○はいいぞ」という某怪談ゲーム発祥のネットスラング系タイトルにつられ、思わず手に取った。 落ち着いた配色に、なんともいえないユーモラスなフォルムが特徴の鳥だが、正面は意外と鷹のように精悍な顔つきでギャップが大きいところも魅力だ。 シーンもアン...

丸々としたボディが印象的な表紙と、「○○はいいぞ」という某怪談ゲーム発祥のネットスラング系タイトルにつられ、思わず手に取った。 落ち着いた配色に、なんともいえないユーモラスなフォルムが特徴の鳥だが、正面は意外と鷹のように精悍な顔つきでギャップが大きいところも魅力だ。 シーンもアングルも凝っていて退屈しない、表紙から期待した通りの内容で、可愛さも格好良さも凝縮された一冊だ。 ゴイサギを「ゴイちゃん」と呼び愛でる著者のコメントにも心が温まる。 この本で京都鴨川に生息しているのはカップルだけじゃなく野鳥も多いことを知った。

Posted byブクログ