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2024/09/08

環境問題、移民問題、兵器問題など現代もいろんな課題が山積みだ。私たちは分断され、こちら側かあちら側かに分かれて、もう一方を糾弾する。 なんだか殺伐としている。 長い間不仲だった姉妹、ぎくしゃくしてる親子、大げんかした恋人たち。 クリスマスに参加した偽の恋人が、彼らのとがった部分...

環境問題、移民問題、兵器問題など現代もいろんな課題が山積みだ。私たちは分断され、こちら側かあちら側かに分かれて、もう一方を糾弾する。 なんだか殺伐としている。 長い間不仲だった姉妹、ぎくしゃくしてる親子、大げんかした恋人たち。 クリスマスに参加した偽の恋人が、彼らのとがった部分を少しずつ柔らかくまるくしていっているようだった。 お互いそんなに憎しみ合う必要はないんだ。 昔に戻ったり、見えないものが見えたりして、混沌としているようだが、小さな小道具や言葉遊びが効果的だった。

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2024/08/08

クリスマスの日恋人のフリをしてもらうラックスと疎遠だった母の元へ行くアート。ラックスの自然な態度が母の心を少しずつ溶かしていく。仲の悪い母と伯母の関係も変えながら物語は過去を行きつ戻りつしながら進んでいく。あやふやな記憶と幻想妄想も混じりながら、アートも性格が変わって成長していく...

クリスマスの日恋人のフリをしてもらうラックスと疎遠だった母の元へ行くアート。ラックスの自然な態度が母の心を少しずつ溶かしていく。仲の悪い母と伯母の関係も変えながら物語は過去を行きつ戻りつしながら進んでいく。あやふやな記憶と幻想妄想も混じりながら、アートも性格が変わって成長していくようだ。 バーバラヘップワースの作品が象徴的に登場する。

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2023/04/27

スイスイ読めるし、なぜか情景とか雰囲気が映画を見てるような感じで脳内で再生される 作品全体に出てくる全ての趣味嗜好が私の感覚と合うんだろうなと思う

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2023/01/27

冒頭の『死んだ dead』に繋がる言葉を探す(私にとっては)ばか息子アートと、 『頭 head』にクリスマスよと話しかける母ソフィア。こんな気が触れたような雰囲気から始まる… 『秋』よりももっと政治的で時代背景を感じさせるのに、とても面白く読ませる。 バカ息子アートは素敵な彼女...

冒頭の『死んだ dead』に繋がる言葉を探す(私にとっては)ばか息子アートと、 『頭 head』にクリスマスよと話しかける母ソフィア。こんな気が触れたような雰囲気から始まる… 『秋』よりももっと政治的で時代背景を感じさせるのに、とても面白く読ませる。 バカ息子アートは素敵な彼女シャーロットにあいそをつかされる。嘘だらけの彼のSNSに我慢ならないのだ。 しかしクリスマスには母の家へ帰るため、シャーロットの代わりをしてくれる女性を雇う。彼女との出会い、図書館を出たところのバス停で3時間以上も集中して何かを読んでいた。若そうだが かなりの美人。そんなことよりもその集中力がすごい。読んでいたのは…チキンショップのメニューのチラシ!彼女の名はラックス、イギリスに留学したくてやってきた。今は、住むところを探す毎日。彼女がとにかく最高! クリスマス、ソフィアの様子がおかしい。(だって、『頭』と過ごしているのだもの)母を介抱し、親戚を呼ぶようアートに指示したのも全てシャーロット役のラックスだ。そして、犬猿の仲である姉、アイリスがやってくる。 アイリスは活動家だ。若い頃から反社会活動をしていた自由奔放な姉と、真面目な妹シャーロット。 なぜだかアイリスの周りには人々が自然と集まってくる。息子ですら彼女になついているのが気に入らないのだ。 でもこの老姉妹がクリスマスを過ぎ、少しずつ心が溶けてゆく瞬間があって… いくつかの時代に話が遡ったり、戻ったり、クリスマスの思い出もいくつかあって… まるでクリスマス・キャロル。ソフィアはスクルージみたい。。 ラックスが最高なのは、どうしてクリスマスだけが、地上に平和を全ての人に善意をなの?どうして1年中そうしないの?第一次世界大戦の時にクリスマスの時だけ休戦したって話し馬鹿げてる。ってかっこよく言うの。そしてシェイクスピアの『シンベリン』という話について語るところも最高におもしろ。 合間に描写される『グリーナムの女たち』について私はまったく無知だったのですが(Google検索しました)アイリスの女性像を思い浮かべる助けになりました。 そしてそして、ラストの方には若きダニエル老人も、相変わらず素敵な美術品に囲まれて登場!素敵だった。 例の国民投票、ブレグジットがもちろんベースの時代。世代を超えた女たちの出会いがとっても素敵なおはなしでした。

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2022/05/10

アメリカでならとっても強そうな名前(モハメド?)なんか自分はいつも、「日本人スタッフと編集者がダメ」って書いてるが、この人は逆で、新潮社にうまいこと騙されているような気がするよ。この可愛らしい表紙じゃなかったら、みんな手に取っていたかい?新潮社からリリースになってから、ずっと肩透...

アメリカでならとっても強そうな名前(モハメド?)なんか自分はいつも、「日本人スタッフと編集者がダメ」って書いてるが、この人は逆で、新潮社にうまいこと騙されているような気がするよ。この可愛らしい表紙じゃなかったら、みんな手に取っていたかい?新潮社からリリースになってから、ずっと肩透かし食らっているが、うーん、次の春、夏は読むだろうかー。せっかくイングランド以外(貴重)の(スコットランド)作家の作品なのに、残念だあー。

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2022/03/20

クリスマスに恋人と母を訪ねるはずだったアートは、直前に別れてしまい、バス停でたまたま出会った女性に恋人を演じてもらう。…と書くとスムーズなのだか、小説自体は母親が突然見えるようになった頭だけの何かを眼科医に診てもらう、というシーンから始まる。過去と現在、母親とアート、母親の姉、様...

クリスマスに恋人と母を訪ねるはずだったアートは、直前に別れてしまい、バス停でたまたま出会った女性に恋人を演じてもらう。…と書くとスムーズなのだか、小説自体は母親が突然見えるようになった頭だけの何かを眼科医に診てもらう、というシーンから始まる。過去と現在、母親とアート、母親の姉、様々なシーンが交互に出てくる。その上、英語圏では常識的なフレーズやキリスト教的知識などが色々出てくるのでできるちょっと大変。 読み終わった感じは、ほっとした温かさといったところか。

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2022/02/28

★★★の評価は、こちらの問題。 英語が得意ではないので、言葉遊びについていけない。 シェークスピアや文化にも疎い。 その当たりを理解していたら、もっと惹かれたのだと思う。 ディケンズの「クリスマス・キャロル」を下敷きにしたらしい、 時間が入り組む構成は面白いのだけれど、 頭は何な...

★★★の評価は、こちらの問題。 英語が得意ではないので、言葉遊びについていけない。 シェークスピアや文化にも疎い。 その当たりを理解していたら、もっと惹かれたのだと思う。 ディケンズの「クリスマス・キャロル」を下敷きにしたらしい、 時間が入り組む構成は面白いのだけれど、 頭は何なんだ?四部作なのに、いきなりこれから読んだからいけないのか? と悩んでいたら、あとがきに「頭は?」と訳者も書いておいでだ。 な~んだw 英国やヨーロッパの今を垣間見ることのできるという点で貴重。 そして、まちがいなく、後半に入ると、おもしろくなる。

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2021/12/23

現代のクリスマス・キャロル、という紹介文が気になって手に取った。もうすぐクリスマスなので。 ざっくりあらすじを書くと、主人公のアーサーはクリスマスには恋人のシャーロットと共に母の家で過ごそうと予定していたが、直前にその恋人と大喧嘩をして一緒にクリスマスを過ごせなくなってしまった。...

現代のクリスマス・キャロル、という紹介文が気になって手に取った。もうすぐクリスマスなので。 ざっくりあらすじを書くと、主人公のアーサーはクリスマスには恋人のシャーロットと共に母の家で過ごそうと予定していたが、直前にその恋人と大喧嘩をして一緒にクリスマスを過ごせなくなってしまった。 たまたま出先で出会ったラックスという女性を雇って帰省中恋人(シャーロット)役になってもらうことに。そしていざ母の家に帰ると母親の様子がおかしくて…?というお話。 幻想的な表現や、あれは一体なんだったんだろう?と最後まで謎の残る部分があったり、何度も過去と現在、語り手の一人称が入れ替わり立ち代わりする形式なので、読んでいる間私はほんとうに今この本を読めているのか?先の展開が読めない…!と戸惑いつつ読んだ。 しかし分からないなりに引き込まれ、次第に話の中のキーワードがパチパチと繋がってゆき、読み終わった時には不思議な穏やかさが残った。 言葉の掛け合いが面白かった。 個人的にはだんだんソフとアイリス(アーサーの母とその姉)老姉妹のやり取りが好きで、他の登場人物にも読んでるうちに愛着が湧いてくる。 何度も読み返してじっくり味わいたい。 訳者あとがきによると秋、冬、春、夏の四部作のうちの一作らしい。四部作なので連なってはいるが、それぞれ単体で楽しめるとの訳者お墨付き。 春、夏はまだ日本語訳が出てないのかな? 順番は前後するがそのうち秋を読んで、春、夏の日本語訳の出版を楽しみに待つ。

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