人間の絆(下) の商品レビュー
今の世の中は、価値観の多様化が謳われつつも、自分と異なる価値観に触れると自分の価値観が否定されていると感じる人が多く、とかく傷つきやすい。どんな生き方をしても、それぞれ違った絨毯の切れ端の模様。みんなどこかを病んでいて、悩んでいて、生きている。人間の嫌な面をこれでもかと描き出して...
今の世の中は、価値観の多様化が謳われつつも、自分と異なる価値観に触れると自分の価値観が否定されていると感じる人が多く、とかく傷つきやすい。どんな生き方をしても、それぞれ違った絨毯の切れ端の模様。みんなどこかを病んでいて、悩んでいて、生きている。人間の嫌な面をこれでもかと描き出しているけれど、馬鹿だなぁ哀れだなぁと思いつつ、豊かな人間愛を感じずにはいられない作品。
Posted by
1人の青年の人生を体験できた気がします。 主人公の卑屈さや口の悪さに時々ムッとさせらましたが、誰だって言葉にせずとも心に嫌な自分が現れるときはあるわけで、これも成長の過程と思って読み進めました。 最後までどうなるのか全く想像できず、長編ですが夢中で読みました。 大切にしたい本が...
1人の青年の人生を体験できた気がします。 主人公の卑屈さや口の悪さに時々ムッとさせらましたが、誰だって言葉にせずとも心に嫌な自分が現れるときはあるわけで、これも成長の過程と思って読み進めました。 最後までどうなるのか全く想像できず、長編ですが夢中で読みました。 大切にしたい本がまた増えました。
Posted by
帯が絶賛してたので購入。読み終わったあとはふーんと思ったが、じわじわとラストシーンがきいてくる名著。多分つらいことがあったり進むべき道がわからなくなった時にふと思い出して立ち直らせてくれるタイプの本なんだろうなと思った。
Posted by
登場人物が人生について語る部分が興味深かった。 英国の紳士階級の気取った会話もおもしろい。 シンプルな文体で読みやすい。主人公に共感すると読みにくいかも。いつかまた再読したい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
評価はまだつけられないな…… 「月と六ペンス」みたいにガーッと感動はしなかった。でもところどころむちゃくちゃに感情をゆすぶられたり、主人公の言動にもう本を投げ捨てたくなるほどイライラしたり、よくわからない感情で涙がでてきたり、「つまらなかった」というわけではない。でもストレートに「よかった!」とは言えない感じ。 またもう少し時間が経ってから読み直したら気持ちも変わるだろか。 --- Of Human Bondage タイトル、光文社版だと「人間のしがらみ」って訳だけど、個人的にはどっちもそうだな、という感じ 人間どうしの間にあるものは暖かい絆であるときもあるし、やっかいなしがらみであるときもある そういう意味でも、この新潮社版のカバーデザインが好き 上巻は棘のつるでまさしく苦しみの象徴っぽいけど、下巻は葉っぱの芽吹いた希望のデザイン どうでもいいけど色もなんか好き
Posted by
フィリップの医学修業期の友人関係やミルドレッドやノラとの恋愛、特にミルドレッドの悲惨な人生に巻き込まれる絶望の日々、金銭的な限界状況下、度重なる裏切りにも拘らず最後までミルドレッドを扶助するフィリップの懊悩。 最悪の状況下、アルセニーに助けられ危機を脱出し、伯父からの遺産相続も実...
フィリップの医学修業期の友人関係やミルドレッドやノラとの恋愛、特にミルドレッドの悲惨な人生に巻き込まれる絶望の日々、金銭的な限界状況下、度重なる裏切りにも拘らず最後までミルドレッドを扶助するフィリップの懊悩。 最悪の状況下、アルセニーに助けられ危機を脱出し、伯父からの遺産相続も実現し、誠実で着実な娘のサリーと結ばれる。 足の不具等のハンディを超えて医師になり自由に世界を旅する夢に向かって、生き方を模索し人間を磨く青春の物語。
Posted by
株に全財産投機して失敗する。家賃が払えず家に戻れれない。金をくれない叔父の死を願う。傲慢でひどい目ばかりあわされる女にいつまでも執着する。こどもができて自分の夢がやぶれるかと怯える。そんな男に特に若い読者は嫌悪感を持つだろう。一方で小心で欠点を気にし先の夢ばかりみている主人公に自...
株に全財産投機して失敗する。家賃が払えず家に戻れれない。金をくれない叔父の死を願う。傲慢でひどい目ばかりあわされる女にいつまでも執着する。こどもができて自分の夢がやぶれるかと怯える。そんな男に特に若い読者は嫌悪感を持つだろう。一方で小心で欠点を気にし先の夢ばかりみている主人公に自分を重ねることだろう。失敗を重ね世間を疎ましく感じた自分が潰れずに、最後は意味ないと感じていた世間に救われる。含蓄ある話だった。2022.5.3
Posted by
描かれているのは、読んでいて気分が悪くなるような、どうしょうもない人間の生き様。 が、人間の本質や生き方が描かれているように感じた。 人に振り回され、裏切られ、貧困にあえいでも、人に救いを求める。 読後にタイトル「人間の絆」とは何だろうかと考えさせらる。
Posted by
フィリップという医者の息子が、母親を亡くす場面から始まる彼の半生を描く物語。 「月と六ペンス」でも思ったが、モームは「人間」の描写がとても上手い。 人の美しさ、醜さを現実的に表現しつつ、読む側が飽きずに読めるよう話がどんどんと展開していく。 「月と六ペンス」の主人公ストリックラン...
フィリップという医者の息子が、母親を亡くす場面から始まる彼の半生を描く物語。 「月と六ペンス」でも思ったが、モームは「人間」の描写がとても上手い。 人の美しさ、醜さを現実的に表現しつつ、読む側が飽きずに読めるよう話がどんどんと展開していく。 「月と六ペンス」の主人公ストリックランドを想像させるセリフがあったりと小ネタも面白かった。
Posted by
- 1