方丈の孤月 の商品レビュー
下鴨神社の神職の家に生まれながらも プライドばかり高い卑屈で意固地な性格ゆえ 零落し、最後は京の山中の庵で暮らした鴨長明の一生を描いた作品。 怠け者で凝り性で、卑屈で・・・と ひどく人間くさい長明が最後にはすべてを捨て去り 悟ったような心に落ち着くまでが切ない。 ってか、神職...
下鴨神社の神職の家に生まれながらも プライドばかり高い卑屈で意固地な性格ゆえ 零落し、最後は京の山中の庵で暮らした鴨長明の一生を描いた作品。 怠け者で凝り性で、卑屈で・・・と ひどく人間くさい長明が最後にはすべてを捨て去り 悟ったような心に落ち着くまでが切ない。 ってか、神職から仏教へ乗り換えるってアリなんだ!と驚き
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方丈記は、古文でもあり、無駄をそぎ落とした文章なので、作者・鴨長明はさぞ高潔な人物だと感じていたが、本書ではとても人間臭く描かれている。神職の家に生まれたが、生来の人付き合いの悪さと逃避癖から神官としては大成せず、下鴨社の正禰宜であった父の死後に零落していく様は、彼の棲む世界を巧...
方丈記は、古文でもあり、無駄をそぎ落とした文章なので、作者・鴨長明はさぞ高潔な人物だと感じていたが、本書ではとても人間臭く描かれている。神職の家に生まれたが、生来の人付き合いの悪さと逃避癖から神官としては大成せず、下鴨社の正禰宜であった父の死後に零落していく様は、彼の棲む世界を巧みに泳ぎ切れない悲哀を感じた。大原、日野の里と隠棲場所を替え、方丈の庵を終の棲家にしたわけだが、「やることがいっぱいであって、実はすこぶる忙しい」というくだりは、野田知佑氏が語る大自然・ユーコンでの生活を彷彿させ、肯ける。
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出世欲や承認欲といった社会の中にいることでしか得られない満足と、芸術家としての孤高の追求欲が、鴨長明の中で共存している。疫病と飢饉が相次ぐ中世世界の場面描写も見事。田舎の現実世界を体現するがや丸が清涼剤。
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神職の家に生まれながら、不運と挫折の連続。 天変地異に見舞われた京を歩き、地獄絵図を精力的に取材。 その後、後鳥羽院に認められ、新古今和歌集に十首入撰を果たします。 しかし思わぬ横槍が入り、失意の底に。 晩年、方丈に坐し、世の無常と己れを見つめ、生きる意味をひたすら問う。 己の人...
神職の家に生まれながら、不運と挫折の連続。 天変地異に見舞われた京を歩き、地獄絵図を精力的に取材。 その後、後鳥羽院に認められ、新古今和歌集に十首入撰を果たします。 しかし思わぬ横槍が入り、失意の底に。 晩年、方丈に坐し、世の無常と己れを見つめ、生きる意味をひたすら問う。 己の人生は何だったのか。 鴨長明の一生を描きます。
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鴨長明の生涯をテーマにした小説。武士中心の政治への転換が進む環境で、名家出身者の困惑と達観が感じられる一冊。方丈期はこういう心持ちで、描かかれたろうと感じられた。
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