英文を正しく理解するための学習英文法のコツ の商品レビュー
つい最近読んだ『学習英文法拡充ファイル』の姉妹本で、書かれたのも同時期。著者が独自に書き溜めた「文法ノート」が元になっているので、網羅的でないという点は共通しているが、こちらの方は簡単な英文解釈の練習問題がついていたりして、少し学習者向けに配慮した内容、ということになっている。...
つい最近読んだ『学習英文法拡充ファイル』の姉妹本で、書かれたのも同時期。著者が独自に書き溜めた「文法ノート」が元になっているので、網羅的でないという点は共通しているが、こちらの方は簡単な英文解釈の練習問題がついていたりして、少し学習者向けに配慮した内容、ということになっている。 正直言うと、割と難しかったかなあと思う。どれくらい授業に還元できるのだろうか、という部分で悩ましいところ、というのが正直な印象だった。例えば序盤で、“I read many books every day.”の2通りの解釈「『私が毎日(every day)読むような本の数が多い(many)』 と言っているのか、『私が多くの本(many books)を読むと言うことが毎日(every day)続いている』と言っているのかの違い」(p.7)とあるが、これは結構難しい話なんじゃないかなと思うし、この解釈に違いがあることを知ることがどれくらい中高生の英語学習に有益なのかはピンと来なかった(もちろん英語の教員が分かっておくべきなのは当然だと思うけど)。それでも授業やテストで扱えそうだな、と思った内容を探していくのは楽しかった。例えばTom is not the man that his father was. (p.57)のような文は高校英文法でも出てくるけど、なぜwhoが使えないのか、という理由は「具体的人物や物そのものを指しているのではなく、そのような名詞句が表す性質・特性などを問題としているから」(p.57)というのは分かりやすい。さらにCicero was the man who Tully was.はwhoを用いる、というのも納得。あとは (ambiguous) と書かれている文が結構たくさん出てくるが(John asked Bill to go. (p.152)とか、He beats his wife, because I talked to her. (p.176)とか)、上の数量詞は難しいと思ったけどこれくらいだったら生徒に考えさせるのは面白いかなとも思った。 という感じで、大学の英文法の授業か、英語の教員なら読むとちょうどいいかなと思うけど、中高生には厳しいし、社会人のやる英語としては、これを知ってもどうなんだろう、という感じがした。(23/09/03)
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