藤井恵の毎日大豆 の商品レビュー
ダイズはおもしろい。豆の中でも炭水化物系のアズキ、エンドウ、インゲンなどの雑豆と言われるものは、炭水化物が40%〜45%近くあり、たんぱく質は20%程度だ。ダイズは炭水化物が7%で、たんぱく質が33%、油脂が18%近くある。植物は光合成で炭水化物をつくる。ダイズはどうやって、そ...
ダイズはおもしろい。豆の中でも炭水化物系のアズキ、エンドウ、インゲンなどの雑豆と言われるものは、炭水化物が40%〜45%近くあり、たんぱく質は20%程度だ。ダイズは炭水化物が7%で、たんぱく質が33%、油脂が18%近くある。植物は光合成で炭水化物をつくる。ダイズはどうやって、それだけのタンパク質と油脂を作るのだろうか。どう考えても、根粒菌の役割が大きい。根粒菌は、空地中の窒素が土壌に混ざっている窒素を利用し、根粒菌がアンモニア態窒素に変えて植物に送り込んでいる。この機能を十分に使えば、窒素肥料がいらない。窒素肥料をやるから、根粒菌が働かない。また、菌根菌がダイズに着生すれば、リン酸も供給されることになる。地下資源では、リン酸は限られていて、モロッコやサハラ、中国雲南にしかない。それも自分で供給すれば、肥料は極めて少なく、そして効率的にタンパク質を蓄える。肉のタンパク質が18%と比較してダイズは33%だから、優秀だ。 大豆の祖先はツルマメで、人類は紀元前6000年前に中国の黄河流域で栽培していた。そこからダイズが選ばれて、4000年前に登場し、「大豆」と呼ばれるようになった。約2000年前の弥生時代に伝来した。中国との往来が旺盛になった7世紀以後に、仏教とともに、豆腐、味噌、醤油、納豆の技術が伝来した。鎌倉時代には、仏教によって殺生が許されず肉食が禁止されていて、大豆を中心とした日本の伝統食が発展した。 日本では、コメ、ムギ、アワ、ヒエ、マメ(ダイズ)を五穀とよび、これらの作物を大切にしてきた。奈良・平安時代、陰暦2月4日に神祇官・国庁で五穀豊穣を祈り行った祭として祈年祭が行われた。五穀とは、『古事記』では、米、麦、アワ、ダイズ、小豆、『日本書紀』では米、麦、アワ、ヒエ、豆だった。旧暦の立春が新年であったため、その前の日に邪気(「鬼が住む煩悩や欲望を追い払う」)を払う目的ではじまったのが節分で豆まきをした。米と同じエネルギー源で霊力を持つとされる豆をまくことで、病や災いを祓い、更にその豆を食べることで力をいただけると考えられた。大粒種は、煮豆に。中粒種が豆腐、味噌、醤油に。小粒種が納豆に使われた。 本書では、いかに美味しく大豆を食べるかを指南している。大豆には、ポリフェノールのイソフラボン、中性脂肪を減らす大豆レシチン、脂肪を燃焼させる大豆サポニン、腸内細菌を整える大豆オリゴ糖などの機能性があると指摘する。 大豆氷:豆を水にしたしてミキサーにかけペースト状にして氷らせる。これを料理の時に使う。なるほど、いいアイデアだ。畑の肉と言われている大豆を、味噌汁やポタージュ風、ミートソースに加える、ハンバーグに加える。大豆ミートもできる。中国風呉汁もできる。ひじきの煮物にしても良い。 やっぱり、煮豆が一番や。食べながら、健康になった気がする。こうやって、レシピ本を読んでいると楽しくなる。
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