ディープラーニング学習する機械 の商品レビュー
※ 出版社さんから紙版をいただきましたが,自分でも電子版を購入してレビューしています 著者のLeCunさんは,HintonさんやBengioさんと並んで,第3次AIブームの火付け役である.AIの歴史,自叙伝,ニューラルネット仕組み,そしてAIのさまざまな問題や今後の展望について...
※ 出版社さんから紙版をいただきましたが,自分でも電子版を購入してレビューしています 著者のLeCunさんは,HintonさんやBengioさんと並んで,第3次AIブームの火付け役である.AIの歴史,自叙伝,ニューラルネット仕組み,そしてAIのさまざまな問題や今後の展望について語った本である. ◆ 第1章:AI革命 データがあればいくらでもすごいAIが作れるぜ!みたいなタカ派のLeCunさん,それに対してハト派のBengioさんみたいな印象を今まで持っていた.現状のニューラルネットに出来ないことを率直に認め,論理の必要性を述べている.初期の論理ベースのAIにも気を遣って紹介している印象を受けた. ◆ 第2章:AIならびに私の小史 自叙伝パートIである.誤差逆伝播法を誰が考えたのかは議論があるのだが,導出しただけでなく,実際に動かすのが難しいところを実装までやったところが,やはりHintonさんは違ったという意見は印象に残った.あと,NECの北米研究所のあたりの経営陣の話は残念だったなと思う. ◆ 第3章〜第7章 初期のパーセプトロンから,現在の深層学習までの仕組みの紹介.数式の代わりにプログラムのコードを使って紹介しているが,あまりうまい説明のようには思えない.というわけで★を一つ差し引くが,この本のおいしいところは第9章と第10章なので,この本の価値が損なわれる訳ではない. ただ一箇所,第6章で,LeCunさんが名を上げた畳み込みニューラルネットの元になったネオコグニトロンを作った福島さんについて賛辞を述べているのは印象深かった. ◆ 第8章:Facebook時代 自叙伝パート2である.ザッカーバーグさんがLeCunさんをスカウトするとき,論文まで読んで来ていたというのは感服した. ◆ 第9章:そして明日は?AIの今後と課題 ここからがメインディッシュである.現状のAIの限界への認識と,それをどう克服してゆくかの展望を述べている.Kehnemanさんのシステム1と2を使って,意識的な処理と,無意識な処理とを統合するのが重要というBengioさんがよくされる話を紹介している.もちろん,AI研究者はこの問題を認識しているが,さてどうやればいいかはみんな悩んでいる.ただ難しいというだけでなく,学会とかでは Predictive Learning という名で呼んでいる自身の解決案を紹介ししている.だが,現状では,どんな点がうまくいなくて,どんなことが必要になるというのを存分に語っている. ◆ 第10章AIの問題点 メインディッシュの2皿目では,AIと社会に関わる問題について,LeCunさんの意見を述べている.楽観的ではあるのだが,ちゃんとその理由も考察している点はさすがである.人間を支配するAIが発生しないと考える理由が個人的には面白かった.
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ディープラーニングの素人でも楽しく読める。数学的な記述が数式というよりプログラムのような書き方なのがちょっと残念。 AIの問題点の10章がいい。 学会誌の書評欄で知って図書館から借用。
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著者のお茶目さが垣間見られてとても面白かった。AIの未来像について、学びもあるし、異なる意見も持てたし、とにかく頭をフルで使わされる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ヤン・ルカンによるディープラーニングの本は自身の半自伝的な内容となっている。 機械学習などの話題も広く扱われているが、内容について説明することを目的とした本ではないため、ある程度の前提知識は必要になる(数式も全く出てこないわけではない)。この本で誤差逆伝播法について理解することは難しいが、歴史的な背景から書き起こしているため、誤差逆伝播法についてわかっている人が読めば得る所は多いだろう。 ・AIは学習するが論理的な推論は行えない。チェス用のプログラムに将棋は指せない。 ・強化学習は現実の世界では使い物にならない。強化学習は失敗をした後、パラメータをチューニングしていくというシステムなので、自動運転を強化学習でやろうとして何回も崖から落ちるというわけにはいかない。人間が20時間ほどの教師なし練習で運転を学習できるようになるので、機械学習には新しいパラダイムが必要なのだ。動物はみな、観察によって世界の仕組みを学び、世界で生き残るための予測モデル(常識)を得ている。 ・人間の思考だけが特別なものではない。脳は計算する機械に過ぎず、原理的には電子機械であるコンピュータによって再現可能であると革新している。フロイト曰く「重要な科学革命はどれもみな、唯一共通な特徴として、自分たちは宇宙の中心に位置しているという確信を打破したのを皮切りに、人間の尊大さが依拠していた台座を次々に取り去ってきた」
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ヤン・ルカン「ディープラーニング 学習する機械」読了。Dxや機械学習の事は何かと耳にする機会が増えたように思う。しかしながら、そもそも何が本質なのかわからない。そこでその中心人物の1人である著者の書を読んでみた。その起点は2012年の畳み込みニューラルネットワークにあるとの事。ヒ...
ヤン・ルカン「ディープラーニング 学習する機械」読了。Dxや機械学習の事は何かと耳にする機会が増えたように思う。しかしながら、そもそも何が本質なのかわからない。そこでその中心人物の1人である著者の書を読んでみた。その起点は2012年の畳み込みニューラルネットワークにあるとの事。ヒトの神経回路を模倣し各レイヤーで抽出する事で小負荷で認知するメカニズムは生物の点からも興味深い。また、本質を区別する指標を得た。
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最後の方が特に面白かった。子供の発育とか発明が先で理論があと、とか。 やっぱりみんな博士論文書くまで行くのがいいかもしれん
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AI脅威論を一蹴したりなど、ルカンは冷静にAIを見ている。ルカンの想像を超えるスピードでAIは進化していきそうだが。
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