ラバウル戦線異状なし の商品レビュー
第二次世界大戦中のラバウル戦線での手記 冒頭から戦争中にも大変な苦労を重ねながらも火山観測していた話が興味深いし、当時に日本人の精神を表していると思う 戦争中というと何もかも高圧的、画一的であったような印象だが、むしろその柔軟性に驚かされる 半分以上が空襲によって補給が途絶えてい...
第二次世界大戦中のラバウル戦線での手記 冒頭から戦争中にも大変な苦労を重ねながらも火山観測していた話が興味深いし、当時に日本人の精神を表していると思う 戦争中というと何もかも高圧的、画一的であったような印象だが、むしろその柔軟性に驚かされる 半分以上が空襲によって補給が途絶えていく中で、ドクターストーンばりに生活に必要なものを一つ一つを研究し自作していくさまは興味が尽きない 一風変わった軍記ではあるが、読んでいて飽きることなく、また現代への示唆に富んだ本であった
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ラバウルの艦隊司令長官として、終戦まで現地で指揮を執った草鹿中将の回想録。ラバウルといえば航空隊が有名なので、第一航空艦隊の航空参謀だった草鹿龍之介と混同していたが、草鹿任一は砲術が専門らしい。 ラバウルは、航空部隊が引き上げた後も米軍は攻撃を加えるものの上陸・占領することなく放...
ラバウルの艦隊司令長官として、終戦まで現地で指揮を執った草鹿中将の回想録。ラバウルといえば航空隊が有名なので、第一航空艦隊の航空参謀だった草鹿龍之介と混同していたが、草鹿任一は砲術が専門らしい。 ラバウルは、航空部隊が引き上げた後も米軍は攻撃を加えるものの上陸・占領することなく放置され、物資や人員の補給がない中で自給体制に入って終戦に至ったが、その中で、食料生産、紙や布の生産、更には残骸となった航空機からゼロ戦や艦攻を作るなど創意工夫に富んだ活動をした。味噌まで作ったというから驚きだ。著者の回想も、戦闘と生産活動が半々くらいで語られている。補給がないため苦労も多く、戦病死も多かったようだが、それでも多数の軍人・軍属が終戦まで生き延びたことは、部隊の自活力の現れであろう。
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激戦下の南太平洋において落日無援の孤城を守り抜き、自給自足で武器と食糧を調達、最後まで航空戦を指揮した名将の回顧録。初文庫化。〈解説〉戸?一成
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