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歴史修正主義 の商品レビュー

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25件のお客様レビュー

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2022/03/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

歴史修正主義(中公新書) 著作者:武井彩佳 発行者:中央公論新社 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 ヒトラー賛美、ホロコースト否定論から法規制まで

Posted byブクログ

2022/02/25

『#歴史修正主義』 ほぼ日書評 Day551 本書では冒頭から、欧米では、「アウシュビッツにガス室はなかった」「ユダヤはドイツから補償金を搾り取るためにホロコーストを利用する」など主張は「否定論denial」と呼ばれ、「修正主義revisionism」とは区別されると言い切っ...

『#歴史修正主義』 ほぼ日書評 Day551 本書では冒頭から、欧米では、「アウシュビッツにガス室はなかった」「ユダヤはドイツから補償金を搾り取るためにホロコーストを利用する」など主張は「否定論denial」と呼ばれ、「修正主義revisionism」とは区別されると言い切っている。 にも関わらず、筆者の主張においては、意図的に(日本では両者が峻別されていないから、という理由で)両者を混同させる。 この手法で、第二次世界大戦の負の側面に関する責任を日独を始めとする「敗戦国」に全て負わせようとする「釈明史観」に疑問を抱いた人までも、言ってみれば "あなたはホロコーストを否定するような「歴史修正主義者」の輩に加担するつもりか" と追求することで、彼らの覚醒を妨げ、再洗脳しようとするのが本書の趣旨である。 曰く "「南京虐殺は中国共産党による捏造である」「慰安婦はみな娼婦であった」などの言説は(…)明らかに否定論の分類に入る" 等である。 ここでは細かに論じることはしないが、慰安婦について問題となっているのは軍部による強制の有無であって、全てが職業的な売春婦であったか否かではないことは、確認しておきたい。 評者の拙い言説に比べ、Amazonブックレビュー "さぬきうどん" さんの投稿が客観的かつ的を得たものだったので、掟破りな感もあるが、以下引用しておく。 〜〜〜〜〜 事実を捻じ曲げて都合の良いように歴史を書き換える。 こういったイメージが所謂日本人の歴機修正主義だと思う。 この本もタイトルもこういったイメージに基づいて書かれているように読む人を仕向ける。 しかし、西欧でいわれている「歴史修正主義」とはこういった字義的なものとは異なる。 (以下、渡辺 惣樹氏の著書『戦争を始めるのは誰か』から抜粋。) 本来の「歴史修正主義」とは、戦前の日独を全面肯定する歴史観のことではありません。米英の外交に過ちはなかったのか、あったとすれば何が問題だったのか、それを真摯に探る歴史観のことです。 「公式の歴史」では、ベルサイユ体制と国際連盟体制を破壊した枢軸国(日独伊)の他国への侵略が第二次大戦の原因と説明されますが、実は英米参戦の「必要」や「理由」は後からでっち上げられました。「ヒトラーはどん底のドイツ経済を立て直した」「オーストリア国民はドイツへの併合を熱烈に歓迎した」「借金に追われていたチャーチルにとって、ナチス台頭は絶好のチャンスとなった」などと、本当のことを言ってしまうと、連合国が作り上げた戦後体制の正当性が崩れてしまうのです。 (引用終わり) 例えば韓国の慰安婦問題や、中国の南京大虐殺は歴史的な事実ではありません。 しかし韓国や中国を歴史修正主義であると批判する欧米系メディアは存在しません。 歴史修正主義は誰かを批判し、非難するのに便利な言葉ではあります。 ただ声高に言う人は何らかの意図をもっていると思うべきでしょう。 第二次大戦という「確定した歴史」を批判的に論じること。 そして無反省に歴史を受け入れることを強いる。 「歴史修正主義」と非難することは思考停止をもたらしかねない危険があるのではないか。 内心の自由、言論の自由、学問の自由。 普遍性を持ったものではないとおもう。 https://amzn.to/3h9HO52

Posted byブクログ

2022/02/23

 ちょうど鎌倉時代の歴史を読んだ後に読んだ。歴史はいろいろと利用される。学術的なお勉強は騙されないために大切だな。  あと、歴史を歪めなきゃならんほどの体験をするってのもなかなか気の毒だと思った。  それと、確信犯的に嘘だとわかってて自分のために利用するの賤しいなと…

Posted byブクログ

2022/02/22

この本から特に得たことは「特定の歴史言説が社会の前面に押し出されるとき、背後にある政治的意図や経済的利害を読み取るメディアリテラシーが必要となる」という部分だ。 特に、個人での発信が容易になった現代において、その人物が発信しているコンテキストも理解した上で、判断をするリテラシーの...

この本から特に得たことは「特定の歴史言説が社会の前面に押し出されるとき、背後にある政治的意図や経済的利害を読み取るメディアリテラシーが必要となる」という部分だ。 特に、個人での発信が容易になった現代において、その人物が発信しているコンテキストも理解した上で、判断をするリテラシーの重要性が特に顕著であると思う。 この重要性を、歴史修正主義という視点から指摘した良書。上記なコンテキストも含め、善悪のような単純化された二項対立をわかりやすさから簡単に迎合する我々の弱さを認知し、それに対抗していく意思を持ちたいと思った

Posted byブクログ

2022/02/01

「歴史修正主義」という言葉を知ったのはいつからだろう。特に印象に残っているのは映画「主戦場」を見た時だ。つい先頃、監督を名誉毀損で訴えた「歴史修正主義者」の請求が棄却された。 また、これも最近のこと、NHKの番組で「歴史戦」という言葉が使われ、「政権の歴史認識に基づき事実集めて検...

「歴史修正主義」という言葉を知ったのはいつからだろう。特に印象に残っているのは映画「主戦場」を見た時だ。つい先頃、監督を名誉毀損で訴えた「歴史修正主義者」の請求が棄却された。 また、これも最近のこと、NHKの番組で「歴史戦」という言葉が使われ、「政権の歴史認識に基づき事実集めて検証」と説明されたと知り、えっ⁉︎となった。 「歴史修正主義」について、無知ではいられなくなってきた。タイムリーにこの本を読み、私のようなものにも分かりやすく書かれていて勉強になった。そして非常に難しい問題だということもわかった。歴史学者の反論をいちいち気にしない人たちにとって、歴史学だけでは全く太刀打ちできない。一般の人々が、声の大きい、人の優越感?劣等感?、心の弱さにつけ込む歴史修正主義者につけいられないようにするだけのリテラシーというのだろうか、知識を一人一人つけなければいけないのだろうと思った。 ネットがひどい上に、NHKを始めとするマスメディアさえ乗っ取られかけているとなると、大変厳しい。 政府の歴史認識を否定すると処罰する国があることを思う時、ボヤボヤしてると日本も危ないと、ますます不安になる。

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2022/01/21

新書では珍しく満点評価。とても良い本だった。最近の動向から歴史修正主義について知りたくなったのだが、ナチスドイツ以降、長い歴史修正主義の問題がある事を初めて知った。非常に勉強になったし、歴史学という学問にも興味を覚えた。良書。

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2022/01/21

歴史の不確かさ 歴史修正主義の歴史。歴史のあるところに歴史修正主義あり。特にナチ犯罪の否定について。 法規制のながれ。ヘイトスピーチの文脈から国家の権威づけまで。 法規制にまつわる記述が、このテーマでここまで体系的に記された類書を知らないのでとても勉強になった。ナチ否定も網羅的...

歴史の不確かさ 歴史修正主義の歴史。歴史のあるところに歴史修正主義あり。特にナチ犯罪の否定について。 法規制のながれ。ヘイトスピーチの文脈から国家の権威づけまで。 法規制にまつわる記述が、このテーマでここまで体系的に記された類書を知らないのでとても勉強になった。ナチ否定も網羅的に扱い、その根深さを示すことにも成功している。

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2021/12/30

ヒトラー賛美、ホロコースト否定論を例に挙げながら、歴史修正主義の勃興、衰退について考察した新書。排外主義が台頭する近年において、この本は歴史というものがどのように形作られていくのか、なぜそれが真実として語り継がれることになるのか、手法的なアプローチを教えてくれる。 「フェイクニ...

ヒトラー賛美、ホロコースト否定論を例に挙げながら、歴史修正主義の勃興、衰退について考察した新書。排外主義が台頭する近年において、この本は歴史というものがどのように形作られていくのか、なぜそれが真実として語り継がれることになるのか、手法的なアプローチを教えてくれる。 「フェイクニュースは無視」「ホロコースト否定=やばいやつ」のような雑な処理をすると、ますます勢力拡大を助長する羽目になるので、いかにして向き合っていくべきか、なぜこういった発想になるのかを理解する一助となる。歴史学は批判検証が絶えず繰り返されている学問だからこそ、陰謀論のような思考が停止した発想とも向き合っていく必要があるのだと思った。 表現の自由の制限の観点では、欧州と米国では法規制の度合いが異なる点も興味深い。ヨーロッパではヘイトスピーチをはじめ、表現の自由を制限するケースも少なくなく、ホロコースト否定論を唱えると違法なる場合がある。一方アメリカでは合衆国憲法修正第1条で表現の自由が言及されているように、言論の自由に対する介入は消極的な姿勢。

Posted byブクログ

2022/12/10

読売新聞20211121掲載 評者:加藤聖文(国文学研究資料館准教授歴史学者) 東洋経済20211218掲載 中央公論「目利き49人が選ぶ2021年の私のオススメ選書」20224掲載 評者:川島真(東大大学院総合文化研究科教授,アジア政治外交史,東アジア国際関係史)、松木武彦(国...

読売新聞20211121掲載 評者:加藤聖文(国文学研究資料館准教授歴史学者) 東洋経済20211218掲載 中央公論「目利き49人が選ぶ2021年の私のオススメ選書」20224掲載 評者:川島真(東大大学院総合文化研究科教授,アジア政治外交史,東アジア国際関係史)、松木武彦(国立歴史民俗博物館教授,考古学)、山下ゆ(書評ブロガー) 日経新聞2022123掲載 評者:野上麻理(GSKコンシューマー・ヘルスケア・ジャパン社長)

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2021/12/02

「歴史修正主義は、過去に関するものであるように見えて、実はきわめて現在的な意味を持つ。・・・歴史修正主義は本質的に未来志向である。歴史が修正されることで将来的に取り得る選択肢も正当化されるからだ」(p 16引用) ナチスによるユダヤ人虐などを事例にして、歴史修正主義について書かれ...

「歴史修正主義は、過去に関するものであるように見えて、実はきわめて現在的な意味を持つ。・・・歴史修正主義は本質的に未来志向である。歴史が修正されることで将来的に取り得る選択肢も正当化されるからだ」(p 16引用) ナチスによるユダヤ人虐などを事例にして、歴史修正主義について書かれている。また、歴史修正主義の政治的利用の問題などについて。著者の言わんとするこはわかるのですが、私には難しかったです。

Posted byブクログ