ESG入門 新版 の商品レビュー
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ESG関連4冊目。運用会社の世界的大手であるアムンディの日本法人が出した本。 感想。 バランス良い。これまで読んだ他の本よりもIIRCのフレームワークを推し。 備忘録。 ・国際統合報告協議会IIRCは、企業の活動を捉えるためのフレームワークを6つの資本で整理した。財務資本、製造資本、知的資本わ人的資本、社会関係資本、自然資本。 ・いずれかの資本を毀損すると、企業活動の持続に大きな制約を与える。 ・共有価値。マイケル・ポーターとマーク・クレイマーが定義した概念。社会のニーズを満たし、課題に取り組むことで生み出される経済的な価値のこと。 ・ESGとSDGsの違いについて、「SDGsは目的・ゴールであり、ESGは手段である」と述べている。他の本にはなかった腹落ちする表現だ。ゴールとしてのSDGsは理想と現実のギャップを明らかにする。数ある理想と現実のギャップのうち、どこに、どのように貢献するかがパーパス。パーパスに沿ってギャップを解消するためのプロセスがESG投資でありESG経営。うまくいってギャップを解消できるモノやサービスが誕生すると対価が支払われる。 ・以前までの資本主義市場は、常に新しい市場が出現し角度することが前提とされていたのではないか。今や多くの市場が成熟。そうやって限られた市場の中で自己の利益追求合戦になると、社会全体は良くならない。 ・GPIFのESG投資開始。 ・インベストメント・チェーン。資金の提供者から、資金を最終的に使う企業に至るまでの経路および各機能のつながりのこと。2014年の伊藤レポートで定義された。 ・ESGの具体的な課題例は有用。 ・アムンディが実際にどのようにESG投資をするのかの記載がありがたい。 ・「守りのESGから攻めのESGへ」。リスク対応が守りのESG。価値創造につなげるのが攻めのESG。この両立が大事。 ・マテリアリティについてはSASBによる、サステナビリティ情報の定義を推している。それは、①財務諸表に反映された情報、②事業の価値創造にとって重要だが財務諸表に反映されない情報、③社会の持続可能性にとって重要な情報に分類される。企業は③を②として説明できるようにすることが重要。
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