アーサー・マンデヴィルの不合理な冒険 の商品レビュー
マルコ・ポーロの『東方見聞録』と同じ頃、行ったこともない東方世界旅行記を著したアーサーの父。アーサーは苔と羊歯の庭いじりを生きがいとして1人静かに暮らしていたが、ある日教皇から呼び出され、亡き父の書に記されたプレスター・ジョンの王国を探すよう命じられる。 同行するのは、柄の悪い修...
マルコ・ポーロの『東方見聞録』と同じ頃、行ったこともない東方世界旅行記を著したアーサーの父。アーサーは苔と羊歯の庭いじりを生きがいとして1人静かに暮らしていたが、ある日教皇から呼び出され、亡き父の書に記されたプレスター・ジョンの王国を探すよう命じられる。 同行するのは、柄の悪い修道士ペトルスと書物好きで夢見がちな異母弟エドガー。 不思議で不気味な生き物・植物と遭遇し、数々の命の危機を乗り越えて辿り着いた先に…? 一つ一つの遭遇譚が一章建となっているので、キリよく読みやすかったです。 とにかく奇想天外な異国の生き物・風物が、読んでいて楽しかったです。 結構辛そうな旅路だったので、私も行ってみたい!…とはならず、こうして読んでるだけが一番安全だよね…と思いました(笑)
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父ジョン・マンデヴィルが書いた本 『東方旅行記』を読んだ法王から 東方にあるというキリスト教国に行き 敵対する他教徒から国を守る援軍を 頼んでくれと言われたアーサー。 弟のエドガー、修道士のペトルスと共に 旅に出るのだが…。 なんだこりゃ( ^∀^) こんなトンデモ本は大嘘だか...
父ジョン・マンデヴィルが書いた本 『東方旅行記』を読んだ法王から 東方にあるというキリスト教国に行き 敵対する他教徒から国を守る援軍を 頼んでくれと言われたアーサー。 弟のエドガー、修道士のペトルスと共に 旅に出るのだが…。 なんだこりゃ( ^∀^) こんなトンデモ本は大嘘だから そんな国あるわけない!と チョー嫌々なアーサーだけど アマゾネスの国に迷い込んだり マンドラゴラを採るはめになったり じゅうぶんトンデモ冒険ですやん! で、最後に辿り着くのは どうも我が国のようです、たぶん。 冒険の道筋を描いた表紙と口絵も素敵。 楽しい大人の寓話でした。 ちょっと『百年の孤独』の香りもする。 びっくりしたのは『東方旅行記』が実在し しかも東洋文庫に入ってるってことだ。 そっちも気になる。
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幻獣達が出てくる単なる冒険譚かと思い気軽に読み進んでいたが、 旅の中で稀代のイカものと思っていた父親の事をもしかするとこうだったのかも…? なんて主人公が、思い至ったところちょっと良かったな。
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マルコポーロが「東方見聞録」を発表したのと同じ頃。世界の果てはどこなのか、海の先には、山の向こうには何があるのか、まだ世界が謎に包まれていた頃。行ってもいない東方世界の旅行記を著したペテン師の父親ジョン•マンデヴィルのかわりにプレスター•ジョンなるキリストの王を探すために東方の地...
マルコポーロが「東方見聞録」を発表したのと同じ頃。世界の果てはどこなのか、海の先には、山の向こうには何があるのか、まだ世界が謎に包まれていた頃。行ってもいない東方世界の旅行記を著したペテン師の父親ジョン•マンデヴィルのかわりにプレスター•ジョンなるキリストの王を探すために東方の地へと旅立つことを命じられた息子アーサーの物語。 羊のなる木、魚にのる女戦士、気前の良さを競う犬頭人、マンドラゴラ。 これらの不思議な生き物たちと、人とかかわることが嫌いで、道中ずっと帰りたがる主人公アーサー。 旅の途中で出会う恐ろしい出来事や、不思議な人々との交流。 あまり好きではなかった父親への変わりゆくアーサーの想い。 ファンタジーたっぷりの心温まる物語でした。 物語上の世界地図や、物語に出てくる不思議な生き物の絵図、装丁も素敵! で、読み終わって最後のページ、参考文献の一覧を見てびっくり。 ジョン・マンデヴィルの東方旅行記は、14世紀に書かれた実在する謎の旅行記らしいです。
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装丁がきれいで買った本。「東方旅行記」なる本を著したジョン・マンでヴィルの長男が、ローマ教皇の命令でキリスト教の国を探して東方世界を旅する話。「羊が木になっていたり、アマゾネスがいたり、奇想天外な国々を旅することになり、とっても楽しい。「東方旅行記」は架空の本と思っていたら実在す...
装丁がきれいで買った本。「東方旅行記」なる本を著したジョン・マンでヴィルの長男が、ローマ教皇の命令でキリスト教の国を探して東方世界を旅する話。「羊が木になっていたり、アマゾネスがいたり、奇想天外な国々を旅することになり、とっても楽しい。「東方旅行記」は架空の本と思っていたら実在する。しかも訳されている。付録の選書リストを見ると、他にも色々と読んでみたくなる本がいっぱいで、しばらく架空旅行ができそう。
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大好きな宮田珠己さんの小説 あの独特なユーモアあふれる文体は小説にも合うのだなと感心した。 最近のエッセイは昔に比べてパンチが弱い印象だが、小説はもっと読んでみたいと思った。
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バロメッツ! ここでその存在を知ることができたとはなんという僥倖であろう。 このあたりから、ワクワクがとまらなくなった。 なに?バロメッツって!美しく不思議な扉絵、この表紙を持ち歩き、カフェや公園で開くとたちまちファンタジー世界に飛ばされる。
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(借.新宿区立図書館) プレスター・ジョン(祭司ヨーハンネス)伝説を巡る冒険談が最後は日本らしき国で終わるという日本の作品らしい終わり方をするフィクション。なかなか面白くできた作品だと思う。 この前に『西洋中世奇譚集成 東方の驚異』を読んでいたので理解しやすかった。というかその関連でこちらを読んで見たもの。ということで次はいよいよ読みかけで放置していた『パウドリーノ』を読む準備ができたということか。
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装丁と絵に興味を惹かれて購入したが,最後は意外な結末だった。普通の冒険ものと思い読み進めつつ、途中すっかり西欧の似非冒険者の書いた本を読んでいる気になり、最後は「あ、日本人が書いてる本だった…」と思い出した。絵がたまりません!
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完読できなかった本に評価をつけるのも申し訳ないので、星2つ。本屋のポップが誤解を招いた。プレスター・ジョンを探しに行く使命を帯びた人物が実在し、その人を主人公にした歴史小説かのように宣伝されていた。装丁もきれいだったので大して立ち読みもせずに買ってしまった。 読んでみると、フ...
完読できなかった本に評価をつけるのも申し訳ないので、星2つ。本屋のポップが誤解を招いた。プレスター・ジョンを探しに行く使命を帯びた人物が実在し、その人を主人公にした歴史小説かのように宣伝されていた。装丁もきれいだったので大して立ち読みもせずに買ってしまった。 読んでみると、ファンタジーのライトノベルだった。おそらくこういうものの類の中では質は低くないのだと思う。それでも、ライトノベルに慣れていないため、漫画のセリフを繋げたような会話主体の文章や手垢のついた擬態語や擬音語をてらいもなく多用する文体が読むに堪えなかった。 子どもが読んだらおもしろいかもしれない。余計なお世話だが、もう少し、本を小さくして、岩波少年文庫的に売り出したらよいのではと思った。
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