美しい自然の色図鑑 の商品レビュー
ドイツの地質学者アブラハム・ゴットローブ・ヴェルナーが1774年に考案した、鉱物の外的特徴に基づいた分類体系に端を発する、カラーチャート図鑑。のちにスコットランドの美術家パトリック・サイムが発展させ、1821年には110色にまで拡張した。 冒頭のヴェルナーの収集した鉱物コレクシ...
ドイツの地質学者アブラハム・ゴットローブ・ヴェルナーが1774年に考案した、鉱物の外的特徴に基づいた分類体系に端を発する、カラーチャート図鑑。のちにスコットランドの美術家パトリック・サイムが発展させ、1821年には110色にまで拡張した。 冒頭のヴェルナーの収集した鉱物コレクションが色ごとに132個紹介されている。白、青、緑、黄、赤系統と順に鉱物のグラデーションが並ぶ。これがみごとだ。 色の紹介場面は、1.白・灰色・黒、2.青・紫、3緑、4.黄・橙色、5.赤・茶色に分かれている。 各色ごとに、その色が含まれる動物、植物、鉱物の細密画がいろいろな書物から引用され載せてある。自然の色だけあって、日本画の色、顔彩とか岩絵の具なんかと似ている。 No.1「スノー・ホワイト」は、白を代表する特朝敵な色合い。最も純粋な白。何も混ざっていなくて新雪を思わせる。 動物だと”ユリカモメの胸”、植物だと”マツユキソウ”、鉱物だと”カララ大理石と石灰華” No.2「赤みが買った白」は、スノーホワイトにほんの少量のクリムゾンとアッシュグレーが入っている。 動物”ムネアカヒワの卵”、植物”クリスマスローズの裏側”、鉱物”陶土” といった具合で、なるほどクリスマスローズ(白の)の裏側は、一部薄いピンクでそれがうっすら全体にグラデーションになっている。 No.55「ダック・グリーン」はエメラルドグリーンに少量のインディゴブルー、適度な量の雌黄、ほんの少しのカーマインが入っている、と説明。 動物が”マガモの頸”、植物が”ヨーロッパイチイの葉の表側” 鉱物が”セイロナイト” なるほど「マガモ」の頭か、と色が身近になる。 No.85ヴァーミリオン(朱色)はスカーレットにほんの少し茶色ががかった赤が入っている。植物では”トマト” 真っ赤に熟した大きなトマト。 2021.10.25初版第1刷 図書館
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