アルタイの片隅で の商品レビュー
著者20歳前後の身辺雑記。訳文であっても、まだ文章が小慣れていないのがわかる。ただ本書が貴重なのは、ゴビ砂漠あたりで遊牧民相手の雑貨商を営む漢族一家の少女の身辺雑記である点だ。国家の政策により定住化が強制されつつある遊牧民の、それ以前の暮らしぶりや、彼らを相手に商売を営む漢人の生...
著者20歳前後の身辺雑記。訳文であっても、まだ文章が小慣れていないのがわかる。ただ本書が貴重なのは、ゴビ砂漠あたりで遊牧民相手の雑貨商を営む漢族一家の少女の身辺雑記である点だ。国家の政策により定住化が強制されつつある遊牧民の、それ以前の暮らしぶりや、彼らを相手に商売を営む漢人の生態が等身大で描かれており、その地の人々の生活のあり様をリアルにイメージさせてくれる。老若男女様々な人々、そして子羊・犬・ニワトリ・金魚などの動物たちのことが、一つひとつ愛情を持って描かれている。
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新疆の遊牧地域で雑貨店や裁縫店を営む生活を綴ったエッセイ。読んでいるだけでこちらまでも寒くなってしまうほどの厳しい環境の中での生活。それでも日々のささやかな楽しみや人とのつながりが穏やかな時間を繋いでいく。どんな人にも平和に暮らしていく権利があり、それは誰にも侵されてはいけない。
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