偽恋愛小説家、最後の嘘 の商品レビュー
編集者・月子は担当の恋愛小説家・夢宮宇多との恋と仕事に悩んでいた。 そんな折、恋愛小説のベストセラー作家・星寛人が自宅マンションの屋上で死体となって発見される。しかも、死亡推定時刻に屋上は施錠されているという密室状態で、真夏であるにもかかわらず死因は凍死だという。 犯人はどう...
編集者・月子は担当の恋愛小説家・夢宮宇多との恋と仕事に悩んでいた。 そんな折、恋愛小説のベストセラー作家・星寛人が自宅マンションの屋上で死体となって発見される。しかも、死亡推定時刻に屋上は施錠されているという密室状態で、真夏であるにもかかわらず死因は凍死だという。 犯人はどうやって星を殺害したのか? ネットでは「犯人は雪の女王」との噂が囁かれる一方で、SNSには彼が期せずして「最高傑作」と言い残した新作短編の一部が連投される謎の現象も発生する。 これ、続編の最終章だったんですね…あらすじは読んだけど、まさかの最終章だとは思わず。ちゃんと確認すれば良かった。 小説家との恋と仕事に悩んでいる月子ちゃん。編集という仕事って、よく知らないけど大変だよね。外部編集者の糸里さんには、「よくこんなでOKが出たね」と嫌味を言われるし、有名作家がSNSで呟いた短編集を探すために、編集長からは無理難題言われるし、月子ちゃん本当に大変だったね。 まぁ、真夏なのに凍死した作家と遺された短編集の行方、そして「雪の女王」に隠された本当の話と今回の事件との関係。なかなかだったけど、どうしても最終章から読んでる私は、なんとなーく置いてきぼりになってる感があって仕方なかった。まぁ、かくにんしない私がいけないんですけどね。 まぁ、月子ちゃんと夢センセがなんか少しいいかんじになったのは良かった。月子ちゃん頑張ったしね。 2023.7.29 読了
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童話・雪の女王になぞらえた殺人事件を紐解いていく小説家と編集者。 事件を通して月子と夢センセの思いがゆっくりと雪解けていく終着点にあたたかさを感じました。同時にふたりが歩み出したその先の物語も気になる。一歩踏み出したふたり、見たいなあ! 登場人物の関係性だけではなくミステリ要素も...
童話・雪の女王になぞらえた殺人事件を紐解いていく小説家と編集者。 事件を通して月子と夢センセの思いがゆっくりと雪解けていく終着点にあたたかさを感じました。同時にふたりが歩み出したその先の物語も気になる。一歩踏み出したふたり、見たいなあ! 登場人物の関係性だけではなくミステリ要素もある内容で、物語の裏の裏まで緻密に考えられている作品。この物語にも森先生の裏のお話やメッセージがあるのかなって思わず深読みしちゃう。それくらい童話の設定を丁寧に分析されていて実際の童話も読みたくなっちゃった! 恋愛ミステリ、素敵な分野です。
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最終回?の割になんか締まらなかったなぁと思ってしまった。森さんのいつも通りの物語の解体は面白かった。自分自身、読みやすいミステリ自体そこまで好きではないからちょっとあっさりしすぎたのかも。途中まで読むとなんとなく展開が見えてきてしまった。真夏の凍死って言うから、もう少し派手なのを...
最終回?の割になんか締まらなかったなぁと思ってしまった。森さんのいつも通りの物語の解体は面白かった。自分自身、読みやすいミステリ自体そこまで好きではないからちょっとあっさりしすぎたのかも。途中まで読むとなんとなく展開が見えてきてしまった。真夏の凍死って言うから、もう少し派手なのを期待していました。ミステリって難しい。
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偽恋愛小説家シリーズ。真夏のマンションの屋上で凍死したベストセラー作家の事件の謎。そして最高傑作とされるその遺稿を巡って繰り広げられる駆け引き。アンデルセン「雪の女王」の解釈を取り入れた物語には恋愛要素もありますが、やはり惹きつけられるのは謎要素ですよねー。 編集者としての自分を...
偽恋愛小説家シリーズ。真夏のマンションの屋上で凍死したベストセラー作家の事件の謎。そして最高傑作とされるその遺稿を巡って繰り広げられる駆け引き。アンデルセン「雪の女王」の解釈を取り入れた物語には恋愛要素もありますが、やはり惹きつけられるのは謎要素ですよねー。 編集者としての自分を模索する月子と、夢宮とのもどかしい関係性。そして夢宮の意味深な発言といい、これはもう完結編まっしぐら? 事件を巡っての各登場人物たちに秘められた謎といい、事件の影にあった秘められた物語といい、派手さはないもののぐっと惹きつけられます。真夏の凍死、ってので派手なトリックを期待したものの、それはなかったけれど……いやいや、そういうトリックメインじゃないですものね。 ああそれにしても、夢宮の小説は読みたいですね本当に。ロマンティックな出だしからバラバラ死体を発見……めっちゃ面白そうじゃないですか!(笑)。
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とある有名な恋愛小説家が真夏の朝に、凍死体として発見された。死ぬ直前に、傑作が出来たと編集者達を騒がせていたにもかかわらず…。各出版社が、こぞって原稿資料を探す中に月子も加わっていく。 月子が編集者として成長している事が分かるし、月子の思考が夢せんせいに似て来ているように思った。事件を解く鍵は、アンデルセンの『雪の女王』。今回の一冊で、1番好きな童話が取りあげられてて嬉しかった。
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登場人物それぞれの思惑、強気な発言に振り回されながらも、月子が成長していくのが分かった。事件の真相が分かっても、どこか切ない中でその成長過程に救われたような気持ちに。 タイトルにある「嘘」 「嘘も方便」と言うし、ついていい嘘とそうでない嘘があると私は思っている。ついてはいけない嘘はかえって自分の首を絞める。読後にそんなことを考えた。
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なかなか興味深い結末だった。 夏に凍死というぶっ飛んだ設定を持ってきたけど凍死が肝なのではなくそこから雪の女王につなげるためのものでトリックよりも背景に重きを置かれたミステリのような恋愛小説。 この作品に出てくる作家がまさに書くような作品 2022.1.22 9
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幸いにも雪の女王は読んだことがあったので、予備知識はありました。 このシリーズは、夢センセによるおとぎ話の解体、新解釈が面白いのですが、今回は編集者側のお話があったのが良かったです。ロマンスもあってドキドキさせてくれるのも◎。ミステリもありロマンスもありっていうのは、つまり夢セン...
幸いにも雪の女王は読んだことがあったので、予備知識はありました。 このシリーズは、夢センセによるおとぎ話の解体、新解釈が面白いのですが、今回は編集者側のお話があったのが良かったです。ロマンスもあってドキドキさせてくれるのも◎。ミステリもありロマンスもありっていうのは、つまり夢センセは森先生のことなのでは?(笑)
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今回はあまりはまらなかった。作家につく編集者って何するのか気になる。月子はもっと口出しした方がいいが、編集者のカラーが出てしまうほど手を入れるのはどうなのか…。
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シリーズ3作目にして最終巻。 童話をテクストとして解き明かすことで、事件を解明していく。 今回はアンデルセンの『雪の女王』 作中の季節は夏なのに、事件の死因が凍死、カバーイラストのイメージカラーの赤がクリスマスのようで、読んでいる間中、冬に迷い込んでいるかのようだった。 事件の...
シリーズ3作目にして最終巻。 童話をテクストとして解き明かすことで、事件を解明していく。 今回はアンデルセンの『雪の女王』 作中の季節は夏なのに、事件の死因が凍死、カバーイラストのイメージカラーの赤がクリスマスのようで、読んでいる間中、冬に迷い込んでいるかのようだった。 事件の真相は「せつない」だけでは言い表せない。禁断を表すときの果実や花は何故赤なのだろう。カバーの色は禁断を表す赤をイメージしているのだろうか。 月子と夢センセの関係も、これで終わりと思いたくないほど。 読者の中で、夢センセと、センセに振り回されながらもしがみついていく月子の二人の関係がいつまででも続いていくことを願う。 できれば、続きを読みたい。
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