クアドラプル プレイ の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
〇お二人の間で30年間続けられた両吟のなかから。(うち18年間はやり取りがない) 昨年7月に蝦名泰洋さんは永眠。 こちらは野樹かずみさんから蝦名さんへのアルバムでもあるのかな “短歌さん”が楽しく行き来していた ◎短歌両吟は、もともとは俳諧の連歌から同想されました。付け合いを二人で行う場合、両吟と呼称するようです。 本書では、蝦名泰洋と野樹かずみが、一首交代、十首ごとに先攻後攻を変えて短歌両吟を試みました。 〇各章より、好きな両吟を1つ ほんとは、章全ての句を順に読んでいくのがよいのだけど おんなしくらいの句をかえしていくの技量がいるのだろうなあ 「序にかえて キラル アキラル」 この人を鏡は映す雪月花むかしおろかにいまもおろかに 泰洋 鏡ごしに笑ってくれた子がある日ぼくはママをゆるさないと言う かずみ 〇するどいトゲもあって、時間の経過を噛みしめる感じもあって 「妹、真綿の錬金術師」 さみしい子がこぐブランコが三日月に近くなったり遠くなったり かずみ 忘れたり思い出したり忘れたり苺細工の記憶の町で 泰洋 〇夕方とか、薄暮かな 「キキとララの肖像」 老いて消える青とはどんな空だろう子の蒙古斑うすくなりゆく かずみ あこがれがあせないようにがまんする聴きたい曲を聴かないように 泰洋 〇見えなくなった青を考えたり、懐メロ聴きたいけど聴かない気持ちわかる 「ソフィア・シンフォニア」 人間の人間たちの再びの過失が見えぬ歯車を組む 泰洋 水車とはこういうものと言いたげにギーゴットンと水車はまわる かずみ 〇ギーゴットンといまも軋みながら歯車のまわる音が聞こえるような 「フェリーニ忌」 教室を出されて民具館へしまわれてしずかな足踏みオルガン かずみ 正午なり音楽室から購買へ走る二十三秒五八 泰洋 〇学び舎の光景。足踏みオルガンの音、また聴きたい 「クアラドル プレイ」その後の巻から ほんとうに上手にゾウさん描けたわねって、ばっちりキリンを描いたつもりが 泰洋 「かなしみ」というところぜんぶ「たのしみ」と言いかえて歌う子どもだった かずみ 〇キリンがゾウ…?「たのしみ」の歌のメドレー聴きたい
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