格差の自動化 の商品レビュー
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貧困に陥った人を人が救うのではなく、デジタルで切り捨てていく、ということである。特に病気や障害にかかった人が切り捨てにあう。それが機械による分別である。 ただなかなか読むのに時間がかかったのは活字が読みにくい、という点もあったかのように思われる。
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序章 危険信号 デジタル状の救貧院 1 救貧院からデータベースへ 貧困者をプロファイルし、取り締まり、罰する 2 アメリカの「心の故郷」で行われた福祉給付審査の自動化 デジタル状の機構→福祉給付、正当な法の手続き、尊厳、人生そのものを手に入れることを阻止 3 天使の街のハイテク...
序章 危険信号 デジタル状の救貧院 1 救貧院からデータベースへ 貧困者をプロファイルし、取り締まり、罰する 2 アメリカの「心の故郷」で行われた福祉給付審査の自動化 デジタル状の機構→福祉給付、正当な法の手続き、尊厳、人生そのものを手に入れることを阻止 3 天使の街のハイテクホームレス事情 福祉の介入を受けるには健常でありすぎ、援助成なしで何とかやっていくには脆弱すぎる状態 4 アレゲニー郡のアルゴリズム ホットラインに通報→AFSTのスコアが高くなる 5 デジタル上の救貧院 貧困者を分類するための自動化ツール→大きな不平等 終章 デジタル上の救貧院を打ち壊すには 歴史の神:「それでは不足だ!」
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社会福祉サービスの資格決定やサービスのマッチング,虐待やネグレクトのリスク予測にデジタル技術が使われており,そのことをかつての救貧院になぞらえて「デジタル上の救貧院」と位置付けている。社会福祉のサービス利用を遠ざけるという意味で確かに「デジタル上の救貧院」といえるかもしれないと...
社会福祉サービスの資格決定やサービスのマッチング,虐待やネグレクトのリスク予測にデジタル技術が使われており,そのことをかつての救貧院になぞらえて「デジタル上の救貧院」と位置付けている。社会福祉のサービス利用を遠ざけるという意味で確かに「デジタル上の救貧院」といえるかもしれないと思った。 取り上げられていたのは,インディアナ州の自動化によるメディケイド等の受給決定システム,ロサンゼルスのホームレス支援に関するマッチング・アルゴリズム,ペンシルベニア州アレゲニー郡の児童虐待に関するリスク予測モデル。 ロサンゼルスの事例では低所得層向けの住宅供給が少なすぎること,アレゲニー郡の事例では児童虐待のホットラインの通報の多さと通報者の偏見(通報された親が周りの人から監視されているような感じに思えた)が,デジタル技術の運用方法以前に問題のように思う。 「デジタル上の救貧院」を解体する一歩として,貧困層と労働者階級の連帯による貧困問題の解決に言及されていた。 あと,「そのツールは貧困者の自己決定と行為主体性を助長するだろうか?」(274頁)という著者の問いは大事だと思った。
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