1,800円以上の注文で送料無料

輝山 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    4

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2023/07/03

しろがねの葉と同じ石見銀山の物語、と聞いて手に取りました。 銀山で暮らす人々が皆、本当にいきいきと描かれていて 素晴らしかったです。 堀子の男達は、その職業病ともいえる病気で皆長くは生きられない。自分の短命がわかっているからこそ 短い一生を、情熱を、命ある限り山へと注ぐ。 その一...

しろがねの葉と同じ石見銀山の物語、と聞いて手に取りました。 銀山で暮らす人々が皆、本当にいきいきと描かれていて 素晴らしかったです。 堀子の男達は、その職業病ともいえる病気で皆長くは生きられない。自分の短命がわかっているからこそ 短い一生を、情熱を、命ある限り山へと注ぐ。 その一生を思うと切なくなりますが 物語は、気持ちのいい終わり方で良かったです。

Posted byブクログ

2023/05/05

石見銀山を舞台とした江戸時代の時代小説。 千早さん「しろがねの葉」読んだばかりなので、その後の石見銀山が見れてよかったです。 「しろがねの葉」のような骨太の歴史小説ではなく人情時代劇風なのも描かれた時代の違いという感じがあってよかったです。 ただ、著者の作品としては古代・中世の...

石見銀山を舞台とした江戸時代の時代小説。 千早さん「しろがねの葉」読んだばかりなので、その後の石見銀山が見れてよかったです。 「しろがねの葉」のような骨太の歴史小説ではなく人情時代劇風なのも描かれた時代の違いという感じがあってよかったです。 ただ、著者の作品としては古代・中世の歴史小説の方が好きでした。

Posted byブクログ

2023/03/28

 江戸時代の島根県石見銀山(大森町)を舞台にした作品。  千早茜さんの『しろがねの葉』を読了後、読みたいリストに入っていた同じ地を舞台にしているこの本を読んだ。  歴史小説と分類されるのかは定かではないが、主人公からみたこの地を描いた『しろがねの葉』とは対照的に、『輝山』は石見銀...

 江戸時代の島根県石見銀山(大森町)を舞台にした作品。  千早茜さんの『しろがねの葉』を読了後、読みたいリストに入っていた同じ地を舞台にしているこの本を読んだ。  歴史小説と分類されるのかは定かではないが、主人公からみたこの地を描いた『しろがねの葉』とは対照的に、『輝山』は石見銀山の地とそこに根付く人々をトータルで描きだそうとしたように思える。それがゆえに「江戸から派遣された代官所の中間である下っ端の役人」というこの地にとって外様といえる存在を主人公に据えたのかもしれない(主人公の色は強くなく、あくまで時代を反映したよくある役人の一人)。  この時代の説明や、江戸との関わり、温泉津をはじめとした隣町、商人たちとの攻防など、ともすればまどろっこしく、わかりづらく、書き手からすれば端折ってしまいたくなるかもしれないものも含められている誠実な作品に感じた。たくさんのものを取りこぼさまいとした結果、視点や情報がずれて描写が飛びがちになり、小説としての入り込みやすさはやや物足りなく感じるかもしれない。それでも、分散していた背景や視点が、最後には人間模様に収斂していくさまには筆者の力量をみることができたと思う。  石見銀山を訪問する人であれば、『しろがね~』よりもこちらが圧倒的におすすめ。

Posted byブクログ

2023/01/10

江戸時代の石見銀山が舞台。代官の身辺を探るために江戸から遣わされた中間の金吾。銀山で命を削りながら働く堀子やその仲間達と酒を酌み交わし、代官の真の姿に触れ、気持ちが揺れる。生きること、真の政とは何か、大事なことを教えてもらった気がする。

Posted byブクログ

2022/07/26

『輝山』というタイトルの思いが込められた、 とても素晴らしく輝く物語でした。 江戸表から石見国大森代官所に赴いてきた金吾が、銀山の町で懸命に生きる人々と出会い、触れ合いながら魅せられていく様、またその銀山で暮らす人々のドラマ、そして時代劇特有の何か匂う役人たちのドラマ、全てが面白...

『輝山』というタイトルの思いが込められた、 とても素晴らしく輝く物語でした。 江戸表から石見国大森代官所に赴いてきた金吾が、銀山の町で懸命に生きる人々と出会い、触れ合いながら魅せられていく様、またその銀山で暮らす人々のドラマ、そして時代劇特有の何か匂う役人たちのドラマ、全てが面白かった! 堀子頭である与平次の存在、そして彼の生様が、この作品のタイトルさながらに輝いている。 ***ネタばれ*** 短命とわかっていながらも、堀子という仕事に誇りを抱き、懸命に働き、周りの人々を思い、命が尽きる最後まで、町を、そこに暮らす人々を愛し、それによって自らの生を確め続けるという与平次の姿は、本当に輝いていて、お手本みたい。 とうとう気絶えにやられ痩せ衰えた与平次を、金吾が背負う場面は、込み上げるものがあり、目が潤んでくる。物語の最後、二人が出会った徳一の飯屋で、金吾が「なぁ、与平次。明日も店に来るんだろう」と与平次に語りかける金吾の言葉に、金吾の思いが伝わってきて、この場合も込み上げるものがありました。

Posted byブクログ

2022/06/20

時代物なので難解なのかと警戒して読み始めだが、読みやすく、どんどん話に引き込まれていった。死についての解釈が良かった。

Posted byブクログ

2022/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

去り行く人を見送る事は、確かに辛い。だがその苦しみはいずれは自分もこの世を去る事実を忘れたがゆえの、不遜な苦しみなのだ。誰もが死の定めを逃れられぬ世であればこそ、残された者は限りある命を慈しまねばならぬ。そしてその輝きを目にすることで、此岸をさる者たちは自らの生の美しさをはっきりと悟り得る。 石見銀山でのお話。

Posted byブクログ

2022/03/15

読んでいるうちにどんどん気持ちが温かくなってきた。とても味のある本だった。命の重み、儚さを教えてくれた。

Posted byブクログ

2022/03/03

巻頭の登場人物の説明はかなり詳細なんだけど、銀山特有の用語の説明もあるとよいなと思った。 人物説明の方は、少々親切過ぎて、実直とか、情が篤いとか、読者が読んで理解すればよいのでは。

Posted byブクログ

2022/02/09

 江戸から派遣された金吾を主人公に、落盤・気絶(けだえ:鉱山のガスや油で罹患)などから命短いとされる銀山の「堀子」たちの人情話を展開しています。  金吾が勤める代官所や堀子たちの話が前半まで続きますが、この本の面白さは後半から。手に取ったら、最後まで読まれることをお薦めします。 ...

 江戸から派遣された金吾を主人公に、落盤・気絶(けだえ:鉱山のガスや油で罹患)などから命短いとされる銀山の「堀子」たちの人情話を展開しています。  金吾が勤める代官所や堀子たちの話が前半まで続きますが、この本の面白さは後半から。手に取ったら、最後まで読まれることをお薦めします。  巻末につけられた参考文献はそう多くないのですが、銀山の専門用語・事情をよく調べてあります。また、恐らくは史実に基づいたストーリーも含まれているのでしょう。当時の銀山を取り巻く環境もよく理解できました。  仲間を大切にする山師・堀子などを軸に、後半は大岡裁きを加えたような出来に仕上がっており、まさにいぶし銀のような1冊です。

Posted byブクログ