いきもののカタチ の商品レビュー
「ゾウの時間ネズミの時間」に匹敵する面白さ。カタチや模様が生化学的にどう形成するかは非常に難しい学問だと思うが、本書ではくだけた文章が気になりつつも説明がとても上手くて読みやすい。 個人的には貝殻の形が一番腑に落ちて面白かった。 「梃子の第2原理」について評しているが、そもそもフ...
「ゾウの時間ネズミの時間」に匹敵する面白さ。カタチや模様が生化学的にどう形成するかは非常に難しい学問だと思うが、本書ではくだけた文章が気になりつつも説明がとても上手くて読みやすい。 個人的には貝殻の形が一番腑に落ちて面白かった。 「梃子の第2原理」について評しているが、そもそもフィボナッチ数でもその倍数でもない数字は21までに4つしかない、フィボナッチ数もジンクピリチオン効果ともいえるのではないか
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進化論の自然選択でいきもののカタチが決まるといういつものヤツかと思いきや、変わったカタチや模様がどのように作られているかという進化論から1段掘り下げたお話。
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カブトムシのツノが幼虫の時から既に体内に格納されていて、風船みたいにして膨らんで形成されることが面白いと思った。 天皇陛下が研究者であったことを初めて知って驚いた。理解できるように色々な質問をしたりお話をしっかり聞いて楽しんだりする姿勢はとても見習いたいと思ったし、深い知識があっ...
カブトムシのツノが幼虫の時から既に体内に格納されていて、風船みたいにして膨らんで形成されることが面白いと思った。 天皇陛下が研究者であったことを初めて知って驚いた。理解できるように色々な質問をしたりお話をしっかり聞いて楽しんだりする姿勢はとても見習いたいと思ったし、深い知識があってもそれを見せびらかそうとしないところは真似したいと思う。 所さんの目がテンで前にやっていたオセロで作る体の模様の実験が近藤先生のお助けだったことを知ったし実際に再びその原理を読んで大まかに理解できて面白さを感じた。
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本編も間違いなく面白いが、エピソード挿話がそれを引き立てるのも本著の魅力。例えば、天皇陛下との食事会の話や猿の惑星についてのコラム。リアルな研究者の日常を垣間見ながら、読書を通じて生物を規定する根源を探る旅のよう。 カブトムシの角やカイメンの設計、海底のミステリーサークル。猫や...
本編も間違いなく面白いが、エピソード挿話がそれを引き立てるのも本著の魅力。例えば、天皇陛下との食事会の話や猿の惑星についてのコラム。リアルな研究者の日常を垣間見ながら、読書を通じて生物を規定する根源を探る旅のよう。 カブトムシの角やカイメンの設計、海底のミステリーサークル。猫や魚、ヘビの縞模様やそこに潜む色素細胞の規則性を解き明かす解説など、生物学に明るくなくても楽しく理解できる内容。 猿を人間の知性まで高めるのは難しくても、人間の外見を猿に近づける事は、それに比較すれば容易。オオカミから多種多様な犬の外見を生み出した事にも触れながら、著者の説得力のある論説には、なるほどなと思った。外見に限らず、また、技術力に拠らず人間の遺伝子操作は倫理観による。面白いなと思うが、生物の根源を探りながら、倫理道徳を守り、最後まで原始的な状態を保つのは、あるいは人間自身かも知れない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
生物がなぜその形になっているのかを探求すると、簡単な法則に行き着くところが面白い。巻き貝の貝殻の形をシミュレートする貝殻作成ソフトでパラメータ次第で2枚貝の形状まで作れることにびっくり。また、耳小骨がテコの原理で内耳に音を伝えるという説(私も信じていた)に疑問を感じ、あの奇妙な形に別の意味を見出したところで、自分の頭で考えることの大切さを教えられた気がした。
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前作「波紋と螺旋とフィボナッチ」以降の研究、前作同様おもしろい話題満載。なのですが・・・本書を読む直前に「魚にも自分がわかる」を読んでしまったので、インパクトが相対的にかなり小さくなってしまった。それでも、カブトムシの幼虫のお腹をぐっと押すと角がピンと伸びるという話を読んだときは...
前作「波紋と螺旋とフィボナッチ」以降の研究、前作同様おもしろい話題満載。なのですが・・・本書を読む直前に「魚にも自分がわかる」を読んでしまったので、インパクトが相対的にかなり小さくなってしまった。それでも、カブトムシの幼虫のお腹をぐっと押すと角がピンと伸びるという話を読んだときは思わず笑ってしまった。授業のネタにも使わせていただいている。また、貝殻のつくられ方が巻貝でも二枚貝でも同じ原理で、パラメータを変えるだけであんなにバリエーションに富んだカタチがつくられるというのも驚きだった。それから、カイメンや魚の尾びれの作られ方。細胞がなんだか大工さんのように、材料を作って、それを運んで、組み立てる、なんとも笑えるお話だ。そういうことが見えるようになってきたわけだな。というか、いままででも技術的には見えるものだったのかもしれないが、そこに興味を持って見てみたというのが大切なわけだろう。もうこれは本書全体で「生物建築学」とでも名付ければ良いようなテーマばかりだ。と思ってちょっとググってみたら、「建築生物学」が出てきた。こちらは、どちらかというと建築家が生物や環境とどう向き合っていくかを研究されているような感じだろうか。本書の方は生物の建築学。生物を建築物ととらえたときの構造や意匠の研究。なかなかおもしろい。これらはまた、実際の建築、もっと大風呂敷を広げれば宇宙開発などにも応用範囲が広がっていくような気がする。実におもしろいテーマだ。
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