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奥行きをなくした顔の時代 の商品レビュー

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2023/12/28

面白かった。日本の正面顔文化、面白い。 「変わりたい」願望に関する話も面白かった。変身の結果に対する願望ではなく変身そのものへの願望。「なりたい」は現在の自分に戻らないノーリターンの願望であり、「変わりたい」はイメチェンする身近な願望だという記述が印象に残った。 また、女性が自...

面白かった。日本の正面顔文化、面白い。 「変わりたい」願望に関する話も面白かった。変身の結果に対する願望ではなく変身そのものへの願望。「なりたい」は現在の自分に戻らないノーリターンの願望であり、「変わりたい」はイメチェンする身近な願望だという記述が印象に残った。 また、女性が自分の行き着く先にある顔を収集・好む傾向にあるというのもなるほど、確かに…と感じた。 作り込まれた顔を批判する声は今はほぼない、という話に実感があった。SNSに流れてくる提示された世界観にあっている、プロデュースされた顔を私は普通に楽しんでいたなと思った。また、あえて雑多で生活感のある背景の自撮りにどことなく二次元感を感じて好んでいることにも気づいた。 私は自撮りをSNSにアップすることに抵抗感を感じているのだが、案外楽しいもんなのかもなぁ〜と思った。 服のように簡単に顔を脱げなくて苦しい 当時の女性の顔に対する意識というか…美醜があまりに大きな価値を占めてたことが伺えて、とても印象に残る詩だった。

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2023/10/10

はじめに 実在的なものと潜在的なものが共存する時代 第1章 脱げない顔から着替える顔へ―「私遊び」の変遷 第2章 誰もが美人の時代―美の民主化がもたらしたもの 第3章 肖像写真の奥行き―顔の類型学とシミュレーション 第4章 自撮りと私―キャラ化したコミュニケーション 第5章 対談...

はじめに 実在的なものと潜在的なものが共存する時代 第1章 脱げない顔から着替える顔へ―「私遊び」の変遷 第2章 誰もが美人の時代―美の民主化がもたらしたもの 第3章 肖像写真の奥行き―顔の類型学とシミュレーション 第4章 自撮りと私―キャラ化したコミュニケーション 第5章 対談:アフターコロナ時代の身体 おわりに 奥行きをなくした顔の時代

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2022/04/24

美容とか自撮りとかをとりあげたエッセイ集、という感じ。ミスコンの話が一部にあったり、エロキャピや美容資本の話もあるが、どこも薄い。本当に書きたいのは、収録されている「自撮りと私」みたいなかなりスカした論考なのだろうが、学生様にはちょっとむずかしい。

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2022/03/09

『#奥行きをなくした顔の時代―イメージ化する身体、コスメ・自撮り・SNS―』 ほぼ日書評 Day558 "奥行きをなくした" 顔、この表現には実に多くの意味を含ませている。 人物や性格等、ビジュアルの裏に隠された個性や品性といった抽象表現としての奥行きが...

『#奥行きをなくした顔の時代―イメージ化する身体、コスメ・自撮り・SNS―』 ほぼ日書評 Day558 "奥行きをなくした" 顔、この表現には実に多くの意味を含ませている。 人物や性格等、ビジュアルの裏に隠された個性や品性といった抽象表現としての奥行きがひとつ。映える写真があつかうのも、当然ながら、この表層としての顔である。 "つけま" から始まり、薬剤注入や二重手術のような、ごく手軽に行える変身を気軽に行うという事実も奥行きの喪失に一役買っている。 もちろん、「二次元」と言われるアニメ等の世界や、Zoom会議に代表される仮想空間の重要性が増してきたことも、そのバリエーションのひとつである。 が、何よりも重要なのは、顔の物理的な奥行きが持つ「価値」の陳腐化である。 かつては、フランス人形のような彫りの深い顔が美しいとされた。今の価値基準は真逆である。これに対して、いまや、日本人の奥行きの少ない顔が「カワイイ」として、フランスの少女たちの憧れとなる。 のっぺりした平面的な顔こそが、自由な表現を可能にするキャンバスとして、最も優れているというわけだ。 "シミュラークル" 等の哲学用語が、ほとんど説明なく登場する箇所に戸惑う向きもあるかもしれないが、現代という世相をかなり適切に斬っている一冊と感じた。 https://amzn.to/3t4Q65b

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2022/02/19

コロナウイルスが日本に広がって、変わったことはたくさんある。その中に顔も入る。マスクで顔を覆うようになり、表情を読み取りにくくなっている。目とマユ毛で読み取る必要が出た。女性の場合、メイクする部分が減った。 今回の本はクリーム、「イメージ化する身体、コスメ・自撮り・SNS...

コロナウイルスが日本に広がって、変わったことはたくさんある。その中に顔も入る。マスクで顔を覆うようになり、表情を読み取りにくくなっている。目とマユ毛で読み取る必要が出た。女性の場合、メイクする部分が減った。 今回の本はクリーム、「イメージ化する身体、コスメ・自撮り・SNS」ということで、コロナ時代の顔について取り上げた珍しい本だ。 昔の顔に関する認識を言い表したものとして詩人の作品を取り上げている。それは井坂洋子が1979年に発表した「素顔」という作品だ。 服のように簡単に顔をぬげなくて苦しい 顔は服のように着せ替えできないのだからそうだ。しかし、SNSの発達で、自分の顔を変えるアプリの出現で顔を服のように着せ替えることができる時代がやって来た。 対談:アフターコロナ時代の身体で、ファッション雑誌の世界にも変化をもたらしていると述べている。今ではモデルというよりも、アイドルがファッション雑誌の表紙を飾ることが増えている。 ファッション雑誌はアイドルのファンに買ってもらうことで、何とかやって来ているという厳しい現実があった。 対談:アフターコロナ時代の身体で、ありのままでいいと言いながらも、必ずしもそうならないと指摘している。 例に出しているのが田中みな実の人気はありのままではなく、「現実的には、わりと一元的な価値観に基づいた美容資本がいまだに有効に働いているからではないでしょうか」と述べている。 キレイゴトだけでは生きていけない社会。キレイ、カワイイ、あるいはイケメン、カッコイイと言う言葉や価値観はなくなるものではない。 ただ、メディアで強調すると差別だとして叩かれるようにはなるだろうが。 コロナウイルスが収束したあとの人々の顔がどうなるのか。マスクを外して歩けるようになっても、見た目を気にして「ウイズマスク」で生活する人がどれだけいるのか気になる。

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