ストーリー・マンガとはなにか の商品レビュー

森下達(著者)

2021/12/03

2021年12月1日読了。手塚治虫の初期の作品を中心に、一部つげ義春作品との対比も踏まえ、手塚のマンガ表現がどのような試行を経てどう変化・進化してきたか、それが日本の漫画の物語の可能性をどう広げたか、という点を論じる本。初期の作品、『地底国の怪人』『メトロポリス』などは読んだことはなく、今読んでも「古いなー」と感じるだろうとは思うのだが、時系列で読み込むことで色々な彼の思索の手がかりが得られるものなのだな…。ある漫画家や作家のファンになり、その作品を追っていくことは、単にアウトプットを楽しむだけでなくその進化の過程・思考の変遷を追体験できる、という楽しみもあるものなのだな。