アケメネス朝ペルシア の商品レビュー
確実かどうかよくわからない情報が、そうであることが知らされないままに、インターネットを通じて瞬く間に拡散されてしまう今の世。 そのような世の中とは一線を画しているのが本書である。舞台は紀元前、残された史料から、「世界最初の帝国」であるアケメネス朝ペルシアの栄枯盛衰を、王座に就い...
確実かどうかよくわからない情報が、そうであることが知らされないままに、インターネットを通じて瞬く間に拡散されてしまう今の世。 そのような世の中とは一線を画しているのが本書である。舞台は紀元前、残された史料から、「世界最初の帝国」であるアケメネス朝ペルシアの栄枯盛衰を、王座に就いた人物の記述から読み解く。冒頭の章で基礎資料とその特性(信頼性を含む)を紹介し、書き手の扱う世界はっきり示したうえで各王の記述に入る丁寧さが、読み手の信頼感を勝ち取最大の要因である。その後も各章で、典拠とした資料の性質についても付言されている。 安易な断定を避け、確からしいと思われることを、根拠(とその限界)を明示しながら論じる筆者の姿勢に、読者である私はすぐに引き込まれてしまった。 それにしても、広大な領土を手にした者が、更に広い土地を求めることは、紀元前から続く人間の性なのだろうか。
Posted by
古代オリエントを統一した大帝国の強く儚い、220年の興亡。9人の大王を軸に、「史上初の世界帝国」の全貌と内幕を描き出す。
Posted by
- 1
- 2