経営戦略と経済安保リスク の商品レビュー
経済安全保障というワードを目にすることの多くなっさ昨今であるが、本書は米中対立の中、企業経営において、各国の安全保障政策に準拠しつつビジネスを継続するために必要な論点を提示したものである。 米国の安全保障上の国家目標として、中国の成長スピードを遅らせることが要であり、30年の...
経済安全保障というワードを目にすることの多くなっさ昨今であるが、本書は米中対立の中、企業経営において、各国の安全保障政策に準拠しつつビジネスを継続するために必要な論点を提示したものである。 米国の安全保障上の国家目標として、中国の成長スピードを遅らせることが要であり、30年のスパンで企業経営を考えるべきだと、始めに著書は言うが、見通しの不透明な国際情勢を考えると、企業にとって現実的な対応となるものなのか、先ずは疑問に思えた。 内容としては、経営戦略の目標、研究開発、組織風土文化の改革、経営管理、財務戦略、リスクマネジメント強化、ガバナンス、人事管理、サプライチェーン、情報システム対策、以上10章に分けて、論点と著者の提言が示されている。 正直、現実味に乏しい対策も含まれており、どうかと思う箇所も多いが、経済的合理性の下にグローバル化を進めてきた企業や産業界においても、経済安全保障の観点を考えなければならない時代になっていることは間違いないだろう。 米国やEUの最新動向なども紹介されており、参考になると思う。
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