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きみの体は何者か の商品レビュー

4.1

26件のお客様レビュー

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2022/12/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

優しいイラストと黄色の表紙で中高生向けの入門講座的内容。 自分の体がうまく動かなくなってきた年頃、体の大事さに痛感。 「きみの体はきみの思い通りにはならない」「思い通りにならないこと」は、「思いがけないこと」でもある「きみが与えられた体、その体が教えてくれることが必ずある」という。 「しゃべる」ということを重点的に論じていて、社会的な行為であり、体がエラーを起こすものの一つ吃音は「わたしと相手とのあいだで起こる」「難発とは、体がフリーズしたように固まってしまう」ことらしい。 言えなかったことを思い出して小声で言うのは私もある。「成仏できなかった言葉たちを愛でるような時間が、結構好き」という伊藤さん。 「自分の体に100%満足している人はいない。」「体は自分のものであると同時に、社会のなかに、「あいだ」に存在する」自分のからだを探求するって難しいけどからだとつきあいつつ少しずつ観察してみよう。

Posted byブクログ

2022/11/23

普通に暮らしていると絶対に気が付かないこと。誰もが、歳を重ねていくと、自分のカラダは、なんて思い通りにならないと思い知る事になるでしょう。 自分のカラダを研究し、自分のカラダを好きになろうという本。 考えようによっては、思い通りにならないことが、思いがけない出会いを連れてくるとま...

普通に暮らしていると絶対に気が付かないこと。誰もが、歳を重ねていくと、自分のカラダは、なんて思い通りにならないと思い知る事になるでしょう。 自分のカラダを研究し、自分のカラダを好きになろうという本。 考えようによっては、思い通りにならないことが、思いがけない出会いを連れてくるとまで書かれています。ここまでいければすごいね。

Posted byブクログ

2022/09/29

『どもる体』のライト版。 ちくまプリマーの、さらに初級版が出たというので読んでみた。30分ほどで読了。 背表紙には「14歳からの身体論」とあるけれど、読んでみた感触では小学校中?高?学年くらいでも十分読めるのでは? 読書に不慣れな子の朝読書向けかな。

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2022/06/13

2022/6/13 496.9||イ (5階自然科学・医学) 「もっと背が高かったら」 「もっと運動神経がよかったら」 「もっと視力がよかったら」 自分の体の生まれ持った特徴について思い悩んだことは、誰もが1度はあると思います。 今回ご紹介するのは、美学の研究者である伊...

2022/6/13 496.9||イ (5階自然科学・医学) 「もっと背が高かったら」 「もっと運動神経がよかったら」 「もっと視力がよかったら」 自分の体の生まれ持った特徴について思い悩んだことは、誰もが1度はあると思います。 今回ご紹介するのは、美学の研究者である伊藤亜紗さんの身体論。この本では、伊藤さん自身の「吃音(きつおん)」を例に挙げ、「吃音」である体の声に耳をすまし、その声を優しくあたたかな言葉で表現しています。自分にとって「思い通りにならないこと」が、「思ってもみなかったこと」を連れてきてくれると、伊藤さんは言います。 偶然与えられてしまった体をどう生きるか。自分の体を信頼する勇気をくれる一冊です。

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2022/05/02

吃音を一例に、人間に備わった、自身の身体に適応する能力が示される。思い通りにならなくても、次第にそれに順応する力が身についていく。

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2022/05/01

最近気になる伊藤亜沙さんの著作。 目の見えない人は世界をどう見ているのか、も伊藤さんの著作だった。 自身のもつ吃音という現象を例に、人の体は自分の思う通りにはならないもので、その思う通りにならないところを観察して、言葉で言い表してみようと書かれている。 YA向けだからすぐ読める。

Posted byブクログ

2022/03/13

〈自分の体の感覚を言葉にする〉 『どもる体』『目の見えない人は世界をどう見ているのか』などを執筆し、本人も吃音当事者である筆者による、「吃音」を例にしながら体と世界の関わり方について記した一冊。 そもそも「吃音」とは、しゃべろうとしたときに同じ音を連続して言ってしまったり、言葉...

〈自分の体の感覚を言葉にする〉 『どもる体』『目の見えない人は世界をどう見ているのか』などを執筆し、本人も吃音当事者である筆者による、「吃音」を例にしながら体と世界の関わり方について記した一冊。 そもそも「吃音」とは、しゃべろうとしたときに同じ音を連続して言ってしまったり、言葉につまったりする症状のことです。「どもり」とも言われています。 第1章で筆者は、自分の「体」というものは「思い通りにならないもの」だと言っています。 どんな顔になるのか、どんな運動が得意なのか、どんな障害を抱えるのかなど。化粧、美容整形、トレーニングなどで理想に近づくことは可能ですが、思ったままにすることは不可能です。 けれど「思い通りにならないこと」が「思っても見なかったこと」を連れてくると筆者は言っています。では、どのような「思ってもみないこと」を連れてくるのか。筆者は吃音の経験と研究を通じて学んだことを教えてくれます。 第2章から第5章までは主に吃音に関する解説です。 筆者はそもそも「しゃべれるほうが変」だと言っています。 声帯から出てくる音をなめらかな喉や舌、口の動きで新たな音に変えて、その後に続く音との連続を想定しながらスムーズな音の運びにして言葉にしていくことは、当たり前ではあるけれど簡単なことではないと言っています。 吃音の人はそれらの口周辺の体の動きにエラーが起き、体と心が連動しなくなり、それらをなんとかしながら言葉にしている。つまり、その試行錯誤の結果が吃音の症状として出ているのだそうです。 本書の中では吃音の以下の症状を紹介しています。 「ててててててがみ」のように最初の音を続けて言ってしまう「連発」 「連発」を隠そうとして、体が石のように固まってしまって言葉が出なくなる「難発」 「難発」を対処しようとして、ある言葉がつまりそうになったら、その言葉を似た意味の言葉に換える「言い換え」 吃音の症状でイメージしやすい、最初の音を繰り返す「連発」が、実は体がリラックスした状態で起こると答えている人が多いと筆者は紹介しています。つまり、体が先行してしまっている、言い換えれば体が開放されている状態で起こっているということです。それを隠そうとして「難発」が起こり、「難発」をごまかそうとして「言い換え」が起こるということでした。 私は「連発」の原因が体の緊張によるものだと思っていたため、その解説には驚きました。また前の症状をなんとかしようとして、「体」が次の症状を生み出していると知り、「体」の影響の大きさを知りました。 「言い換え」に関しては、吃音が治ったようにも思われるためにその症状を受け入れている人がいるそうです。一方で「言い換え」によって言葉のニュアンスが変わってしまい、自分の本意が伝わらないことで自分を偽っていると感じ、「言い換え」をしないようにして、あえて再び「どもり」が起こるように選んだ人もいるとのことでした。 私は、自分の体の状態を把握し、どのような体の状態が自分らしいか、つまり「体のアイデンティティ」を選択するということを知りました。 第6章では、それらの具体例を通じて「メタファー(隠喩)を味方につけよう」とまとめています。 吃音の症状がどうしてメタファーの話に?と思うかもしれませんが、筆者は、メタファーを獲得することで現実を見る見方をつくりだし、人々のふるまい方を変えると言っています。 それまでの章で、吃音の症状を説明するためにパソコンでのキーボード入力のメタファーを紹介していました。また、筆者が三島由紀夫の『金閣寺』での吃音の説明で使われているメタファーを引用して、吃音患者の方が「難発」をどのように捉えているのか紹介していました。まさに自分の言葉で体の感覚を語ることで、読者の「吃音」に対する現実の見方を変えていたのです。 また、体の反応をメタファーにして周りの人に伝えることで、知識ではなく「体」の感覚で相手に理解してもらうことができる可能性を示していました。 本書を読むと、まず吃音について理解を深めることができます。 そして、自分の体を見つめ、感覚を言葉にしたり相手に伝えたりすることで、体が発している力を信頼することができるということを学べます。 この「ちくまQブックス」シリーズに共通することですが、イラストが豊富、かつ二色刷りのため、読みやすいです。章ごとに区切られ、一冊あたりのページ数も少ないため、気軽に読めます。 自分の体って何なの?と思っている人にオススメの一冊です。

Posted byブクログ

2022/02/05

さくさくぱらーと読める。「恥ずかしいのはやだ」の章が面白かった。 なぜ恥ずかしいと思うのは、人の目を気にするからで、他人から見てこうありたいという自分をうまく演じられない時、恥ずかしいという気持ちが出てくる。それはとても自然なことで,自分をつくるということ。 に唸らされた!た...

さくさくぱらーと読める。「恥ずかしいのはやだ」の章が面白かった。 なぜ恥ずかしいと思うのは、人の目を気にするからで、他人から見てこうありたいという自分をうまく演じられない時、恥ずかしいという気持ちが出てくる。それはとても自然なことで,自分をつくるということ。 に唸らされた!たしかに!

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2022/01/27

中学生、高校生を対象にしたシリーズだが、大人が読んでも考えさせられる1冊。 「自分の身体は思い通りにならない」ということを考える内容。前半では著者自身の経験を中心に、吃音について説明されている。同じ音を繰り返す「連発」、言葉が出てこない「難発」の状態について語りながら、そんな身体...

中学生、高校生を対象にしたシリーズだが、大人が読んでも考えさせられる1冊。 「自分の身体は思い通りにならない」ということを考える内容。前半では著者自身の経験を中心に、吃音について説明されている。同じ音を繰り返す「連発」、言葉が出てこない「難発」の状態について語りながら、そんな身体とどう付き合うのかという視点で考える。吃音についての知識が自分になかったのもあるが、「言い換え」をするという回避法があるということ、しかし、言い換えをすることで自分のアイデンティティに影響が出る、と考える人もいるということが非常に興味深かった。 後半、最後の2章は「言葉を獲得しよう」と言い、自分の身体のままらならなさについて、メタファーで表現することで他者とつながることができると述べている。三島由紀夫の『金閣寺』を例にとりながら、自分がしっくりくるメタファーを見つけることへと話が展開していくのはとてもおもしろく、納得感もあった。

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2021/12/29

”メタファーは感じ方に形を与える”。読後これが私に一番響いたことでした。著者は一例に三島の『金閣寺』をあげています。やっぱり言葉は重要。語彙は悩める人を救う力を持つ。そんなことを想いました。このシリーズは中学生くらいの人々を対象にしているちくまのQブックスです。筑摩書房は優れた青...

”メタファーは感じ方に形を与える”。読後これが私に一番響いたことでした。著者は一例に三島の『金閣寺』をあげています。やっぱり言葉は重要。語彙は悩める人を救う力を持つ。そんなことを想いました。このシリーズは中学生くらいの人々を対象にしているちくまのQブックスです。筑摩書房は優れた青少年向けのレーベルを多く出していますね。私のような、成人でも読解力が貧弱な者にもありがたい。伊藤亜紗さんの著作は、何気ないことに気づきを与えてくれるものが多いです。

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