小説 銀河鉄道999 ANOTHER STORY アルティメットジャーニー 2巻セット の商品レビュー
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以前出たバージョンから、(おそらく著作権的に問題が起きる)宇宙戦艦ヤマト要素をごっそり削った改訂版。そのためか、今作ははっきりと「私の宇宙とは別な次元」としている。 前作は松本先生のプロットをほぼそのまま使ったということだったのだが…。 (変にヤマトとの関わりを設定してしまったために、イルミダスが出せないのはなんともはや!一歩間違えばハーロックも出せなかったろうなあ) で、内容はヤマト要素は削られたが、変わらず松本作品の熱烈ファン向け。 貴重な?艦隊戦力になるヤマトがいない分、いろんな作品からその代替戦力がかき集められ、艦隊戦がかなりカオスになっている。 大宇宙とはほぼ無縁のはずの大四畳半ものからサラリーマンものまで動員されるとは。 どれだけ人が足らんのや…。 ポッと出て、それっきりキャラがかなり多いのも前作と変わらず。 キャラを我が子と考える松本先生の世界観としてはどの子にも活躍が与えられているとも思えるが、「もっと引き算できなかったのかな?」と思うことしきり。 映像化が頓挫して全容も曖昧な「まほろば」、平成の漫画作品で多発した放棄作品のなかでも最終期に出た「幻想新幹線0」なんかは、出ても「はあ…?」となってしまう。 「幻想新幹線0」だすなら、ミレニアムをもっとはっきりしっかり出してくれ。 なので、肝心の松本作品オールスター!な艦隊戦シーンで目が滑る目が滑る…。 一松本作品ファンとしては、ポッと出にも大好きなキャラはいたが、「これならむしろ出なくてもいいかな」になってしまう。 加えて、重要キャラにして人気のハーロックやエメラルダスといったキャラの奮闘ぶりが薄まることにも繋がっている。 なぜ後半になるとトチローさんの影が薄くなる…?999にしろ、ハーロックにしろ、重要キャラなのに。 先生もお亡くなりになり、これの映像化(やエターナル完結の映像化)はもう難しいだろうが…。 何か進展や再改訂があるなら、引き算を徹底してほしい。 『銀河鉄道999』を主軸に、『宇宙海賊キャプテンハーロック』(わがアル、SSX、指輪含む)『クイーンエメラルダス』『SF西遊記スタージンガー』『惑星ロボ ダンガードA』『銀河鉄道物語』で固めて、過去はもちろんメーテル関連作品、『1000年女王』。艦隊戦力は『まほろば』『コスモウォーリアー零』あたりで補給。 (そういえばアニメ『コスモウォーリアー零』も艦隊戦の寄せ集め感、貧弱さが目立ってたな) あとは『漂流幹線000』『ミライザーバン』『ダナサイト999.9』あたり。 出しすぎはむしろ混乱の元。 お祭りとしては楽しいけど、あまりに騒々し過ぎて、思考が止まる。 そんな作品体験だった。 島崎先生のコミックはもう少しまとまって下さることを祈る。
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