ハロー、ユーラシア の商品レビュー
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本書のテーマは帝国としての中国と、都市国家としての香港の対比を意識・観念のレベルで描き出すことにある。 筆者は、ユーラシアの辺境を第一地域、ユーラシアの内陸を第二地域とする梅棹忠夫の考えを援用する。今日、第二地域では帝国が再び頭をもたげようとしている。一帯一路の名のもとで、帝国化を進める中国がその代表格である。 中国による抑圧のもと、コスモポリタニズム的であった香港はナショナリズムへの転換を見せている。
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【当時の日本人が日本の「皇道」と西洋の「覇道」を対比させたこと、それ自体が儒教のレトリックの複写であった。大東亜共栄圏という帝国日本のアイディアはそのスケールをユーラシアにまで広げて、二一世紀の中国に里帰りしたのだ】(文中より引用) 現代の中華圏における政治思想を論考したエッセ...
【当時の日本人が日本の「皇道」と西洋の「覇道」を対比させたこと、それ自体が儒教のレトリックの複写であった。大東亜共栄圏という帝国日本のアイディアはそのスケールをユーラシアにまで広げて、二一世紀の中国に里帰りしたのだ】(文中より引用) 現代の中華圏における政治思想を論考したエッセイ本。西洋や「没落の二〇世紀」と対比させつつ、大陸の、台湾の、そして香港の思想家は自身の政治制度とヴィジョンについて何を考えてきたのか。著者は、中国研究者であると同時に、日本文学についても鋭い批評を加える福嶋亮大。 中華圏の考え方を内側から覗くことができる稀有な一冊でした。大陸中国が抱える超ナショナリズム的なナショナリズムの危うさを感じることもできましたし、何より香港という一都市におけるナショナリズムの捉え方がお見事でした。 こういう作品がもっと出てきてほしいかも☆5つ
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