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藤丸物産のごはん話 の商品レビュー

3.6

13件のお客様レビュー

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2021/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 藤丸物産の社食で働く杏子は、上京に反対だった両親との約束で28迄に結婚しないと郷里に戻って見合いする事を言い渡されていた。そんな杏子は2ヶ月前にエレベーターでぶつかった時に優しくしてくれた男性を探す事に。コンタクトが外れて顔は解らないが「藤」の字が入っている男性で…  社食がテーマなので、出てくる料理はどれも美味しそう。  ナポリタンの話はお互いもう少し踏み込めたらと思うけど、結婚となるとそう簡単ではなかった様で切なかったけど、素敵な思い出ですね。 「藤の君」の正体は割と最初から気づきましたが、渚が社長の息子だったとは。それと、渚の杏子への態度がまだハッキリしていないので続編あるのか期待しています。

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2021/10/22

「社食っていろんなことがあるんだね。」(p268) この一言に尽きる作品。 個人的にほぼ読んだ事がない食事系の小説だったが、もちろん味付けや盛り付けの様子は文字で書かれている訳で、そこから実際の香りや味を思い浮かべることと並行しつつ物語を読むというのはとても斬新な体験だった。 ...

「社食っていろんなことがあるんだね。」(p268) この一言に尽きる作品。 個人的にほぼ読んだ事がない食事系の小説だったが、もちろん味付けや盛り付けの様子は文字で書かれている訳で、そこから実際の香りや味を思い浮かべることと並行しつつ物語を読むというのはとても斬新な体験だった。 ナポリタンの話が好きだな。 よく恋の味は’甘酸っぱい'と表現されるけど、ケチャップには加えて辛味や塩味もあるし決め手のオイスターソースのイメージがそれらに深みを与え、お子様ランチで出て来る若々しいナポリタンとは全然違う、大人の年輪と深い懐を備えた一皿を想像した。 照り焼きチキンも良い話なんだけど、女性って20代後半に差し掛かるとこんな急に達観するものなの?と紗由さんのキャラに馴染めず。 締めに焼きおにぎりの出汁茶漬けというチョイスは素晴らしいんだけど、もうちょい料理のディテールを描いて欲しかったな…と。 縦軸の「藤の君」の件は大方の予想通りだった訳だが、恋の行方は続きで、なのかな。 1刷 2021.10.22

Posted byブクログ

2021/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

社食が美味しそうで楽しそうなのは羨ましい限り。 自分のところは、作中にも出てきた昔ながらの質より量より派なので、女性だと利用しづらい場所。 こういう社食は憧れである。 出てくるメニューも割と細やかに描写されているので、どのメニューも本当に美味しそうだった。 特に昔ながらのナポリタンは作中食べてみたいナンバーワンメニュー。 関わるエピソードも含めて、一番印象深い話。 恋はなかなか実らないものと、しみじみ思った。 杏子が再会を願っている「藤の君」が誰なのか。 社食に関わる騒動の最中でも、彼探しを諦めていない彼女である。 その割に、その恋愛フラグは最後まで立ったような立たないような、中途半端な感じになってしまうが。 頑なに社員証を出さないキャラがいるし、ある意味王道的な展開なので、「藤の君」が誰なのか想像はつく。 つくのだが、核心的なところまでは結局ツッコミを入れきれないまま終わってしまって、ちょっと物足りなかった。 恋愛話よりは、美味しい社食に関わるお仕事小説としての方に重きが置かれている、そんな感じがした。 それが証拠に、杏子の視点ばかりではなく、第三者の視点で進む場面もそれなりにある。 そこが面白くもあり、同時にもったいない部分でもあったと思う。 第三者の視点を入れるのなら、社食メンバーも多数いるのだから、彼らの誰かを主軸にして主人公交代制でも面白かったかも。

Posted byブクログ