詰将棋サロン名作選 1960-2021 の商品レビュー
「詰将棋サロン」とは、『将棋世界』誌の読者投稿詰将棋欄のことであり、1960年から現在まで多くの詰将棋作家たちの発表の場となってきた。 「そうした読者の要望と作家の野心とのせめぎ合いのなかで、詰将棋サロン風と呼ぶべき作品ジャンルが育まれてきた。その特徴は次のように整理すること...
「詰将棋サロン」とは、『将棋世界』誌の読者投稿詰将棋欄のことであり、1960年から現在まで多くの詰将棋作家たちの発表の場となってきた。 「そうした読者の要望と作家の野心とのせめぎ合いのなかで、詰将棋サロン風と呼ぶべき作品ジャンルが育まれてきた。その特徴は次のように整理することができるだろう。 1.駒数が少なく自然な形であり、見た目に美しいもの 2.難易度は専門誌と比較してやさしく、手筋を駆使して解けるもの 3.駒がきれいにさばけて、解けた後にさっぱりと爽快な気持ちになるもの 4.(作家の立場から)既存の構想であっても、配置の機能性をつきつめて教材的価値を高めたものや、手順の快感を高めて洗練されたもの このような作品群はこれまで詰将棋史のなかであまり顧みられてこず、今回一冊にまとめることができるのは望外の喜びである。これらの作品を通じて、将棋を強くなりたい方にとっては、楽しんで解きながら手筋を学び、読みの力を養う格好の訓練ができるだろうし、詰将棋ファンの方にとっては、有力作家による専門誌とは系統の違ったパフォーマンスを楽しめることだろう。(まえがきより)」 60年以上の「詰将棋サロン」の歴史を一冊にまとめただけあって、とんでもないボリュームの本になっている。1960年2月号から2021年7月号までに発表された中から厳選して、なんと560作も収録!仮に1日4問ずつ解いていったとしても、140日間も楽しめる。勿論、量だけでなく、一つ一つの作品の質も素晴らしく、まさに「名作選」の言葉が相応しい。僕は、しばらくの間、自宅を出る前に図面をじっと見て1作配置を覚えておき、通学の道すがら、最寄りの駅に着くまでに頭の中で解くということをしていたのだが、できるだけ自力で解いて読みのトレーニングにも良し、盤に並べて鑑賞するも良し。しかも、最後まで解いたときには最初の方の作品を忘れているので、半永久的に楽しめてしまうという・・・ YouTubeに、谷川九段出演の宣伝動画が上がっています。 https://www.youtube.com/watch?v=LNwXcvR7bNw
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