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塔本シスコ シスコ・パラダイス の商品レビュー

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2022/03/04

2月20日日曜日の日曜美術館で熊本美術館で行われている「シスコ・パラダイス 塔本シスコ展」を取り上げていました。シスコさん、いま熊本に行っているんですね。自分が初めてシスコさんにあったのは去年の11月初め、世田谷美術館で、でした。なんで、行ったのだろう…環八沿いの美術館の「シスコ...

2月20日日曜日の日曜美術館で熊本美術館で行われている「シスコ・パラダイス 塔本シスコ展」を取り上げていました。シスコさん、いま熊本に行っているんですね。自分が初めてシスコさんにあったのは去年の11月初め、世田谷美術館で、でした。なんで、行ったのだろう…環八沿いの美術館の「シスコ・パラダイス」の看板が圧倒的に鮮やかで引き込まれた気分は覚えています。テレビ番組では展覧会では見れなかった息子さんがホームビデオで撮ったシスコさんの創作スケッチがふんだんで、四畳半のこたつの上にのって大きなキャンパスに向かう姿とか、団地のスペースに自分で植えた花々のスケッチをする際についくちずさんでしまう歌とかに、もう愛おしさMAXになってしまい、世田谷で初対面の時に買っておいた図録を引っ張り出してきた訳です。「描かずにはいられない」という意欲そのものが、そのまま定着されているのがシスコアートの魅力ですが、図録で現物の迫力を反芻しながらページをめくると、彼女の描く絵(そして添えられた言葉も含め…)そのもののオリジナリティにもまた引き込まれてしまいます。描かないと生きていけない、というアールブリュットという存在を自分に教えてくれたのはヘンリー・ダーガだったりしますが、彼の内向性に比して、シスコさんの外向性は太陽のようです。そして孤独のうちになくなったダーガと、シスコのまわりにはシスコを愛する人々がいたことが二人の芸術の違いを作っているのかもしれません。それは、絵の中にもたびたび自分を登場させるシスコさんの自己肯定感のなせる効果である気がします。シスコさんの人生も大変だらけ。でもネガティブをポジティブに変換させる行為としてのドローイング。展覧会に行って、テレビ観て、図録読んで、そのたびに人生バンザイって、思ってしまいました。

Posted byブクログ