辺境下級貴族の逆転ライフ(2) の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
オネエ軍師2巻はツバイネル公との内戦を描いた、上下巻構造による完結巻。 元からネット連載版でこのサイズであり、綺麗に納めて完結している形である。 この作品の書籍化は(タイトル変更を除けば)よくできた書籍化だと改めて思う。 加筆による上積みはあまり感じられないが、元からよくできたストーリーであり、読み応えとしては文句なしに満足度が高い。 その上で、保志あかりさんの描くデザインはスマートで魅力的であり、例えばネルヴィス王子のキャラデザの爽やかイケメン王子様感などは完璧。 主人公と彼が対峙する挿絵などは、まさに書籍化の魅力だと思う。実に良い絵だった。 書籍版特設の加筆としては、巻末の「魔女秘術大全」は最高に楽しいファンサービスの類である。 キシモジン・シンジャの打ち手に軽く触れたり、あるいは魔女たちの素性を暗喩するようなエピソードが紹介されている。 特に、漂月さんの過去作ファンにとっては「ジュナの歪曲儀」に関する解説はすこぶる良かった。さらっと書かれている内容は実にエモい。 ガチ中世な西洋風の、土着貴族のゴタゴタ戦争物語、楽しませていただいた。 シンプルに星五つで評価したい。
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