基礎から学ぶ実証分析 の商品レビュー
基礎から学ぶ実証分析というタイトルになっているものの、どちらかというと副題の確率統計が中心の本。 最初にデータを用いた実証研究を行う上での作法を説明し、それから確率統計の説明に移る。 ページ量としては薄いものの、相関と因果の違いはもとより反証可能性などについても触れられており、...
基礎から学ぶ実証分析というタイトルになっているものの、どちらかというと副題の確率統計が中心の本。 最初にデータを用いた実証研究を行う上での作法を説明し、それから確率統計の説明に移る。 ページ量としては薄いものの、相関と因果の違いはもとより反証可能性などについても触れられており、まさしく実証研究を行う上で踏まえておく観点がまとめられている。 分析を行う者にとってはここだけでも読む価値がある。 確率統計の話題に関しては、σ加法族や確率空間の話から始まり、行列表記の回帰までが抑えられている。 同シリーズの他書は学部1,2年生を向けの入門書が多いと思われるが、本書籍はそれよりも高いレベルを対象としている印象を受けた。 またその一方で、難しい概念でも具体例を用いて説明されており、イメージも掴みやすく、数理統計に進む前の一歩手前のレベルになっていると思う。 統計的議論を正確にしたいと考えており、確率統計に対する理解が曖昧だと感じている人に読んで欲しい本。
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