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知ってるつもり の商品レビュー

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20件のお客様レビュー

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2024/02/04

いわゆる「無知の知」に関連する最新の知見に触れることができる。身近に情報が溢れ、知らずのうちに「知っている」感覚に陥ってしまうため、自身の理解度に対して常に謙虚でいる姿勢が必要だと感じた。 また、誤った情報を強固に信じている人々に対して、考えを軟化してもらうアプローチについても...

いわゆる「無知の知」に関連する最新の知見に触れることができる。身近に情報が溢れ、知らずのうちに「知っている」感覚に陥ってしまうため、自身の理解度に対して常に謙虚でいる姿勢が必要だと感じた。 また、誤った情報を強固に信じている人々に対して、考えを軟化してもらうアプローチについても述べられており、非常に示唆に富む内容だった。

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2023/10/26

人は自身を過大評価する。なのにこのような大きな文明を維持できている。なぜか?人間がどのように思考し、知っていると「錯覚」し、それで時に問題が起きたり、あるいはうまく物事が進むのか?が軽妙な語り口で、読者にも気づかせるように書かれている。非常に注意深くかかれ、「知っていると錯覚する...

人は自身を過大評価する。なのにこのような大きな文明を維持できている。なぜか?人間がどのように思考し、知っていると「錯覚」し、それで時に問題が起きたり、あるいはうまく物事が進むのか?が軽妙な語り口で、読者にも気づかせるように書かれている。非常に注意深くかかれ、「知っていると錯覚する」ことについても利点と欠点とが示されている徹底ぶり。 読みやすいが、一度時間を置いてまた読みたくなる本。まずは一読するのは良いと思う。

Posted byブクログ

2023/10/01

 スティーブン・スローマン他が取り組んだ、壮大な問い、私たちはなぜ自分の知識を過大評価するのか。知ってるつもりになって、平気で生活しているのか。トイレの水の流れる仕組み、自転車が動く仕組み、など日常的に使っているのに、簡単に説明できないことがたくさんある。  我々は、分かった気に...

 スティーブン・スローマン他が取り組んだ、壮大な問い、私たちはなぜ自分の知識を過大評価するのか。知ってるつもりになって、平気で生活しているのか。トイレの水の流れる仕組み、自転車が動く仕組み、など日常的に使っているのに、簡単に説明できないことがたくさんある。  我々は、分かった気になっているだけなんだと気付かされる。認知科学の観点では、極端な意見を持っているひとは、実は中身を理解していなかったりするんだと。これは、非常に気づきの多い本だと思う。てっきり知ったかのように振る舞っているけど、それは強がりであり、虚勢であり、実は完全に理解していない。 我々は、わかっていないということさえわかっていない時がある。これが、備えられず、一気にやられる可能性もある。戦争であれば、それは脅威だ。なぜ我々がこの世界を、知ってると勘違いして生きていけるのかというと、その答えは筆者からすると、嘘の世界を生きているからということになる。  因果関係の推論、という点に着目すると、我々がいかに愚かな判断をしているかがわかる。水道口の蛇口を撚れば、それだけ多くの水が出てくる。だから、空調の温度設定を急ぐ時には徹底的に低く、または高くセットすれば早くその期待値に到達すると勘違いする。身近な体験が、思い込み、知ってるつもりを生んでしまう。あると思い込んでいた知識は、実は別のところに置いてあるということだ。それが、インターネットのソーシャルの中にあるとすれば、知識は集合知のようなものになっているかもしれない。一方で、断絶すれば真の知識、つまり曖昧かつ限定的な知識のみとなり、判断軸として十分ではないかもしれないという説だ。GPSを切られた自動車、クルーズが、運転を誤った例などが、自動化のパラドックスと言える。自分自身の力で判断、行動できる力が必要だ。  もう一つ、大きな固定反応は、とにかく道徳的反応だろう。中絶はいけないとか、いいとか、戦争は反対、とか理由も個別事象も一切なく、ただただ理由なく決めてしまう。  そして、集団的な知識、チームワークによるアウトプットを最大化することが近年わかってきているという。その上で、正しい、賢い判断をすべきととく。オランダのチューリップを買って、暴落した人もいる。集団知を集めて、極めて賢い選択肢を進む。これには、正しいリサーチが必須だ。ことチームであれば、それぞれの得意分野を活かしてそれぞれ個人の無知、そして誤った感覚と判断をなるべく是正する。 無知であることを理解、集団知を活用する、そのために、しっかり自身の感性を高める。

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2023/09/30

・為末大・今井むつみ「ことば、身体、学び〜「できるようになる」とはどういうことか」(扶桑社新書)に言及あり。

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2023/07/24

主題はすでに題名に書かれている。 「なぜに」「いかに」を読み進める本。 読むだけでも楽しいけど、自身の謙虚さを育てる助けにもなれば、他人様を受け入れる助けにもなるやも。

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2023/07/19

理解していると思っていたのに、いざ説明を求められるとどう答えればいいか分からない。そんな「分かったつもり」の状態になっていることは自分も多々あるが、それは人間が、様々な知識を持った人々が集まり形成する知識コミュニティの中で生きているために起こる錯覚である。知識を共有してもらうこと...

理解していると思っていたのに、いざ説明を求められるとどう答えればいいか分からない。そんな「分かったつもり」の状態になっていることは自分も多々あるが、それは人間が、様々な知識を持った人々が集まり形成する知識コミュニティの中で生きているために起こる錯覚である。知識を共有してもらうことで、外から得た知識を「自分の頭の中にもともとあるもの」と混同してしまうらしい。それ故に己の無知にも気がつかない。 大事なのは、全てのことを知るのは到底無理であると理解すること。自分が無知であるということを自覚すること。自分がどれだけ理解できているかを確認すること。そして謙虚に学ぶこと。 本書を読んで、なるほどと思う部分も多々あったが、きちんと理解できているようには感じないので再読の必要あり。

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2023/05/06

第79回アワヒニビブリオバトル「24時間耐久ビブリオバトル@オンライン」第18ゲームで紹介された本です。オンライン開催。チャンプ本。 2021.09.19

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2023/03/16

 複雑な世界をすべて理解することなどできないため、人間の知性は新たな状況下での意思決定に最も役立つ情報だけを抽出するように進化してきた。我々は自身の外部、"知識のコミュニティ"に蓄えられた情報に頼って生きており、認知的分業を行っている。そこには、外から入手でき...

 複雑な世界をすべて理解することなどできないため、人間の知性は新たな状況下での意思決定に最も役立つ情報だけを抽出するように進化してきた。我々は自身の外部、"知識のコミュニティ"に蓄えられた情報に頼って生きており、認知的分業を行っている。そこには、外から入手できる知識と頭の中にある知識を混同して自分が多くを理解しているという"知識の錯覚"が生じており、飛躍的なイノベーションを促すなどのいい側面もある一方、薄っぺらい情報に流されやすいといった弊害もある。まずは自身が無知であることを自覚し、知識のコミュニティへ貢献するという精神を持つことが重要である。  筆者も述べている通り、新たな概念を提唱しているというよりは、無知を自覚しましょう、と促している内容。知識のコミュニティに貢献するという意識は、個々人のキャリア形成やナレッジ蓄積の根幹となるマインドになると感じた。

Posted byブクログ

2022/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

序章「個人の無知と知識のコミュニティ」が良かった。思考は行動のためにある(そもそも行動のほうが先に生ませているから。何故人類が成功を収めていたカギは、確かに囲まれた世界に生きてきたこと。いつの世にもあった認知的分業があったから、人は協力して生きてきたこと。理解の限界を認識することで、謙虚になり素直に他の人のアイデアを聞き入れられることだ。 無知は避けられないものであり、幸せは主観的なものであり、錯覚にはそれなりの役割があることは心に留めたい。

Posted byブクログ

2022/09/18

前半が特に面白かった。無知と錯覚。人は自分が思う以上に表面的な事しかわかっていない。思考の目的は行動。因果関係の推論。 知識のコミュニティは諸刃の剣。集団浅慮。真摯に学ぶ事、知識のコミュニティの恩恵を享受しつつ、そこに貢献しようとする姿勢が重要。

Posted byブクログ