幻月と探偵 の商品レビュー
太平洋戦争開戦直前の満州国での事件と云うことで、前半は結構鬱陶しく感じたのだが、中盤からどんどん面白くなって、最後満足でした。なんかその時代らしきハードボイルドっていいわ~ 月寒探偵とまた逢いたいものだ
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満州国が舞台の歴史ミステリ。探偵の月寒は、岸信介から依頼を受けて小柳津義稙の屋敷で起こった殺人の謎を解明しようとする── 時代がかった雰囲気がたまりません。伊吹さんの文章は簡潔で読みやすく、時代物でもサラッと読めますね。 近世の歴史知識がなく、知らないことばかりだったので、知識...
満州国が舞台の歴史ミステリ。探偵の月寒は、岸信介から依頼を受けて小柳津義稙の屋敷で起こった殺人の謎を解明しようとする── 時代がかった雰囲気がたまりません。伊吹さんの文章は簡潔で読みやすく、時代物でもサラッと読めますね。 近世の歴史知識がなく、知らないことばかりだったので、知識があればより楽しめただろうなと思います。ちゃんと勉強してから、もう一度読んでみたいです。
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大戦を前にした満州で、連続毒殺事件に挑む探偵、月寒。名探偵として、謎を解けるか。 久々に、正統派の探偵小説を読んだ感じだ。 大戦前夜の満州という時代と土地、特殊な背景で、 独特な雰囲気の中、現代より、探偵というものがしっくりくる。 毒殺、連続殺人、陸軍、大物、名家、 いわ...
大戦を前にした満州で、連続毒殺事件に挑む探偵、月寒。名探偵として、謎を解けるか。 久々に、正統派の探偵小説を読んだ感じだ。 大戦前夜の満州という時代と土地、特殊な背景で、 独特な雰囲気の中、現代より、探偵というものがしっくりくる。 毒殺、連続殺人、陸軍、大物、名家、 いわくありげな使用人たち…、 何か、ゾクゾクしてくる。 岸信介の秘書が、元陸軍の大物、小柳津義稙が主催する 晩餐会に出席した後、急死する。 秘書は、小柳津の孫娘、千代子の婚約者だった。 毒殺を疑う岸信介の依頼を受け、 名探偵、月寒三四郎が、事件の解明に乗り出す。 小柳津に届いていた、「三つの太阳を覚えてゐるか」と記された脅迫状、 秘書は、小柳津の身代わりに殺されたのか。 戦争、アヘン、さまざまな要素が絡み合って、様相は複雑化する。
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ここは夢の楽土か、煉獄か――。 1938年、革新官僚・岸信介の秘書が急死した。 秘書は元陸軍中将・小柳津義稙の孫娘の婚約者で、小柳津邸での晩餐会で毒を盛られた疑いがあった。 岸に真相究明を依頼された私立探偵・月寒三四郎は調査に乗り出すが、初対面だった秘書と参加者たちの間に因縁は見つからない。 さらに、義稙宛に古い銃弾と『三つの太陽を覚へてゐるか』と書かれた脅迫状が届いていたことが分かり……。 次第に月寒は、満洲の闇に足を踏み入れる。 (アマゾンより引用)
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久々に面白い小説に出会った。 満洲国を舞台に探偵の月寒が殺人事件の謎を解くべく闊歩するのだが登場人物の全員が、怪しい。(月寒を除く)善人の顔をした悪人は誰なのか?を見破るために読み進めると、物語が途中からいくつか枝分かれを見せ始めて意外な展開をし出した。が、それがまた面白くページ...
久々に面白い小説に出会った。 満洲国を舞台に探偵の月寒が殺人事件の謎を解くべく闊歩するのだが登場人物の全員が、怪しい。(月寒を除く)善人の顔をした悪人は誰なのか?を見破るために読み進めると、物語が途中からいくつか枝分かれを見せ始めて意外な展開をし出した。が、それがまた面白くページを次から次へと捲らせていった。 最後ネタバラシのところで満洲という国に蔓延る欲望、野望などがドス黒く露出し、あまり気分は良くなかった。
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昭和13年、第二次世界大戦の直前の満州が舞台 とある死亡事件を調査して欲しいと満州産業部次長の岸信介から依頼される探偵月寒 現在と過去、そして未来が複雑に絡み合って手に汗握る近代史ミステリー 近代史ゆえに最初は取っ付き難いかと思いましたが、軽妙に物語が進み、歴史上の知った名前...
昭和13年、第二次世界大戦の直前の満州が舞台 とある死亡事件を調査して欲しいと満州産業部次長の岸信介から依頼される探偵月寒 現在と過去、そして未来が複雑に絡み合って手に汗握る近代史ミステリー 近代史ゆえに最初は取っ付き難いかと思いましたが、軽妙に物語が進み、歴史上の知った名前がチラホラ出てくるので、歴史時代小説が好きな人は特に楽しめると思います
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満州が舞台となれば、出てくるのは軍部と財閥とアヘン。この小説もそこは王道で、さらに雰囲気は退廃的でいかにもという感じ。 ミステリ的にはまぁこの人だろうなという人が犯人で捻りは少ない。
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舞台は支那事変勃発直後の満州。細々と探偵業を営む月寒は、ある日岸信介から彼の秘書の青年が婚約者宅の晩餐会後に謎の死を遂げた真相を探るという断れない依頼を受ける。正式な依頼は婚約者の千代子から入り月寒はまずは千代子宅へ。彼女の祖父は満州で絶大な権力を持つ退役軍人で周りの人々はきな臭...
舞台は支那事変勃発直後の満州。細々と探偵業を営む月寒は、ある日岸信介から彼の秘書の青年が婚約者宅の晩餐会後に謎の死を遂げた真相を探るという断れない依頼を受ける。正式な依頼は婚約者の千代子から入り月寒はまずは千代子宅へ。彼女の祖父は満州で絶大な権力を持つ退役軍人で周りの人々はきな臭さ満点。青年は毒殺されたと考えられるが晩餐会での様子では犯人が絞り切れず…。様々な人種の思惑が渦巻く満州の猥雑な雰囲気の中、あくまで淡々と調査を行っていく月寒の姿がハードボイルドで格好良い。あと相変わらず舞台の空気感を感じさせるのが上手い。漢字の横に打たれるルビがいい感じ。犯人は早々に予想つくけど新情報や新たな事件の出現が絶妙でどんどん読み進めてしまったし、動機を加えて最終的な真相がそれしかない所に収まる手腕が見事。続編か前日譚あるといいな。
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第二次世界大戦直前の満州が舞台。 岸信介の秘書の不審死から始まる連続殺人事件。私立探偵月寒が身体を張って謎を解く… この時代の満州の光と影とうさん臭さ。でも嫌いじゃない。やたらと煙草や葉巻を吸うシーンが多くて映像化しにくそう、なんてどうでもいいことをふと。 フーはわかってもホワイがつかめず最後まで一気読み。『刀と傘』も読まねばな。
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昭和初期の満州の危ない雰囲気がよく出ている。本格ミステリであまりアクションシーンもなく、探偵が調査のため出会う人に話を聞いていくスタイル。地味ですね…淡々と読みました。
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