ホロコースト 最年少生存者たち の商品レビュー
子供ってよく覚えてるしよく見ている。忘れたように見えてもそれは自らがサバイブするための苦しい嘘なのかもしれない。 類型化されることを拒否しつつ、過去を知ることに取り組んだり取り組まなかったり。自分の内面との戦いだけじゃなく、養護施設の大人たちや家族、制度や学術的研究との緊張の記録...
子供ってよく覚えてるしよく見ている。忘れたように見えてもそれは自らがサバイブするための苦しい嘘なのかもしれない。 類型化されることを拒否しつつ、過去を知ることに取り組んだり取り組まなかったり。自分の内面との戦いだけじゃなく、養護施設の大人たちや家族、制度や学術的研究との緊張の記録。
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ホロコーストを生き延びたユダヤ人の中にあった「ユダヤ人差別」。ホロコーストの記憶がない、もしくはあいまいな幼い子供たちの多くは、戦後、同朋のユダヤ人社会から「生き残り」と認められないまま、なんらのメンタルサポートもなされることがなかった。幼いが故に名前を忘れ、あるいは生き延びるた...
ホロコーストを生き延びたユダヤ人の中にあった「ユダヤ人差別」。ホロコーストの記憶がない、もしくはあいまいな幼い子供たちの多くは、戦後、同朋のユダヤ人社会から「生き残り」と認められないまま、なんらのメンタルサポートもなされることがなかった。幼いが故に名前を忘れ、あるいは生き延びるために名前を変えられ、自らのルーツを断たれた子供たち。差別された者たちが、さらに無力な者たちを差別する、これが人間の本質なのだろうか。
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「子供は過去を忘れ、未来に目を向ける」「幸いにもまだ年が幼いから忘れるだろう」このような考え方を変えたのはホロコーストを生き延びた子供たち自身だった。子どもだって自分の本当の名前を知りたい。自分がどこで生まれたか、なぜ親がいないのか知った上で精神が安定することが一番幸せだ。
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被爆者の身内としては、身につまされる内容であった。時に「如何に大変であったのか、どのようなトラウマを抱えているのか」と質問されることこそ、トラウマとなる。
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ホロコーストを生き延びた子供たちにとって、名前は数多くの問題をはらんでいる。潜伏先の家やゲットー、収容所で戦時中を過ごしてきた子供たちの多くは、そのあいだやその後にもとの名前を失った。ある子供は身を守るため、ユダヤ人らしくない別の名前を与えられ、何年もそう呼ばれているうちに、出生...
ホロコーストを生き延びた子供たちにとって、名前は数多くの問題をはらんでいる。潜伏先の家やゲットー、収容所で戦時中を過ごしてきた子供たちの多くは、そのあいだやその後にもとの名前を失った。ある子供は身を守るため、ユダヤ人らしくない別の名前を与えられ、何年もそう呼ばれているうちに、出生時の名前を完全に忘れてしまった。またある子供は戦後すぐ養子n出されて養家の名前を与えられ、生まれた時には違う名前であったことを大人になるまで知らずにいた。こうして元の名前と照合できなくなってしまえば、戦争を生き延びた両親や兄弟、親戚がいたとしても、身内を見つけられる可能性はほとんどなくなる。
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