クソったれ資本主義が倒れたあとの、もう一つの世界 の商品レビュー
資本主義は欲望を作り、富を独占する社会 これは資本主義の後の世界を求めた思想家、経済学者、IT技術者によるSFチックな世界を妄想し、現実の史上分析からなる創造力豊かな世界を描いた小説だ。「資本主義」とは「私たちの中に欲望を作り出す世界」だから富む者はより富む社会システムであり、人...
資本主義は欲望を作り、富を独占する社会 これは資本主義の後の世界を求めた思想家、経済学者、IT技術者によるSFチックな世界を妄想し、現実の史上分析からなる創造力豊かな世界を描いた小説だ。「資本主義」とは「私たちの中に欲望を作り出す世界」だから富む者はより富む社会システムであり、人々の間には様々な格差が生じる、と言う。その資本主義が滅びた後、GAFAのような独占巨大資本が失くなり銀行は中央銀行だけとなる。富の分配を公平にする世界が始まり、企業が納税者となり国民は納税の義務はなくなる。よって富の根源である投資・株市場も一変し社員が一人1株、議決権1票を持ち企業、個人を評価することで給与・ボーナスは定額を中央銀行から配給される。いわゆる富の集中化を無くし大きな格差も無くなる世界を模倣させるのだ。 現実の記事:「ザッカーバーグが「世界3位の富豪」に、株価急騰で資産27兆円」、これは一人の人間の域を超えた額であり、このような富が集中することが「資本主義」の典型なのだ。
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経済学とSF小説を組み合わせた内容。SF映画でよくあるパラレルワールドの世界の話。優秀エンジニアがパラレルワールドと繋げることに成功し、もう1つの世界の自分達とコンタクトを取れるようになる。もう1つの世界ではリーマンショックを機に資本主義が倒れ、別の世界ができていると言う内容。経...
経済学とSF小説を組み合わせた内容。SF映画でよくあるパラレルワールドの世界の話。優秀エンジニアがパラレルワールドと繋げることに成功し、もう1つの世界の自分達とコンタクトを取れるようになる。もう1つの世界ではリーマンショックを機に資本主義が倒れ、別の世界ができていると言う内容。経済学者の観点から非常に内容に凝っており、資本主義じゃなければそのような世界があってもおかしくないと感じさせられた。 しかし、内容が凝りすぎていて、経済用語・歴史に追いつけず、理解することが難しかった。正直読み飛ばしている部分は多い。経済学の要素が多く、小説(フィクション)の部分の内容は薄いと感じた。 経済学に強い人は楽しめるのではないかと思う。
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面白い,が,展開が込み入りすぎていてなかなか読みづらい作品だった. 語りや伝聞の形式ではなく,折角なので「もう一つの世界」の実際の様子が描かれていたら,もう少し映像化して読めるのになぁ.
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翻訳モノなのですが、こういう感じのって一般的なのかな。面白いなと読み進めました。実際の歴史や政治、経済と絡めての現代の前後をスペクタルに描かれております。日本ではあまり流行らないのでしょうか。でも、書かれている主義主張的な部分がクローズアップされてしまうのでしょうか。それはさてお...
翻訳モノなのですが、こういう感じのって一般的なのかな。面白いなと読み進めました。実際の歴史や政治、経済と絡めての現代の前後をスペクタルに描かれております。日本ではあまり流行らないのでしょうか。でも、書かれている主義主張的な部分がクローズアップされてしまうのでしょうか。それはさておき、こういう捉え方もあるって認識でも十分に面白いと思うのです。で、後書き的な部分を見やるに当該国でも稀有な作品らしく、そうなんだと少々納得。
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パラレルワールドと通信できる機械を使って、資本主義の滅んだ後の世界を見聞するというストーリー。 破天荒な設定で物語を紡ぐためにSF仕立てにするのはナイスなアイデアですが、資本主義を相手にするにしては詰めが甘い気がする内容でした。 資本主義が倒れたあとの「もう一つの世界」では、 ・銀行がなくなり、残るのは中央銀行1行だけ ・株式市場がなくなり、社員は1人1株、議決権1票を持つ ・独占巨大資本がなくなり、GAFA消滅し、情報や資本の過度な集中から開放される ・格差がなくなり、中央銀行が国民全員に定額を給付 ・上司がいなくなり、好きな相手とチームをつくり基本給は全員同額になる そうです。 でも、日本の場合は非正規雇用の労働者(労働人口の40%)を正社員化する必要があるし、政治・経済を円滑に回すために不正を防ぐための公明正大なコンピューター・ウィルスが開発・流布されないといけないし、ベーシック・インカムはあっても所得の差は解消されないし…つまり実現性の観点からは追加検討の余地が大き過ぎ。 SF仕立てにするにしても「そういう世界があっても良いかも」と思わせる程度のリアリティが必要と思いますが、本書のアイデアは騙されたくなる程度までには成熟されていないと感じました。 そのため、この小説の好みは、作者バルファキスの提示するパラレルワールドに賛同出来るかに依りそうです。
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資本主義は欲望を作り出し、必然的に欲求不満を生み出す。 最初から社会主義のシステムが完成されているのなら良いが、現実には資本主義から移行していかなくてはいけない。 そこにハードルがあるのではないか。 一方で、資本主義が万能でないことも確か。 企業のあり方、銀行のあり方、株式のあり方、今とは違う形について考えることは実現可能かどうかは別として、現状を振り返るためにも必要。
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経済的な内容について、判断できないですが資本主義が唯一の主義ではないことを気付かされるだけも価値がある。
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最近はポスト資本主義を提唱する本が多い。 それぞれ理想的であり、また欠陥も抱えているが、提案と議論があることは良い環境と思う。 読んで、どこが良いか、欠陥は何かを読者が考えることが重要ではないかと思う。 さて、本書は2008年、リーマンショックを機に資本主義と分かれたパ...
最近はポスト資本主義を提唱する本が多い。 それぞれ理想的であり、また欠陥も抱えているが、提案と議論があることは良い環境と思う。 読んで、どこが良いか、欠陥は何かを読者が考えることが重要ではないかと思う。 さて、本書は2008年、リーマンショックを機に資本主義と分かれたパラレルワールドのポスト資本主義がどうなったかをSF小説仕立てで書かれている。 作者が、特に重要視して説明したいところは図が示されている。 ・給与体系 ・株式市場亡き後の議決権 ・配当、相続、積立 その後もジェンダーやテック企業の市場支配について書かれているが、作者の主張は概ね上の3つだろう。 さて、給与体系についてはメンバーシップ型からジョブ型、さらに先のプロジェクト型への移行は、おいおい日本でも進んでいくだろう。 株式保有比率ではなく、一人一票の議決権というのは、プロジェクト専門の合同会社という形が広がっていけば成り立つのでは。 スタートアップの資金調達も株式市場以外にも、クラウドファンディングという手法が取れる現在では、非上場は株式会社ではなく、合同会社でよいのではと思う。 そして一点、どう考えても解決できそうにないのが「配当」にあると考える。 社会資本から個人への配当は、つまりはベーシックインカムである。 ベーシックインカムは、必要だとは思う。 最低限の生活保証があるだけで、失敗しても最悪生きていけるというセーフティネットがないと、挑戦ができない。 財源問題が出てくるが、ベーシックインカムは現金給付ではなく、クーポンの形になら実現できるのでは。 しかし、俺が思うにベーシックインカムの欠陥が一点。 ”誰がエッセンシャルワークを引き受けるのか”という疑問が解消できない。 最低限の生活が保証されれば、誰が好き好んでキツイ仕事を引き受けるのか。 ゴミ回収、建築物の解体、インフラ保全、その他諸々、更には国防とか。 最低限の生活が保証されているのに、誰が率先してそんな仕事をやりたがるのか(仕事に貴賤はないと言うけれどさ)。 ベーシックインカム論に違和感を覚えるのは、頭のいい連中が理想論で語るけど、実際に社会を支えている仕事を見ていないのではないか。 労働者全員が頭脳労働して社会が回るってわけじゃないんだぜ。 ベーシックインカムが可能になるのは、おそらく社会インフラが技術的に完全無人化を達成できればと思う。 それができずにベーシックインカムの導入は、何らかの理由で無戸籍とかで社会保障から外れた人が、そういったエッセンシャルワークを引き受ける、本物の格差社会のディストピア社会が生まれると思うのは妄想すぎるだろうか。 そんなことを読後に考えました。
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仮に資本主義が転覆して、あたらしい主義が台頭したとしたら、2008年からの世界はどんな風に転がっていったか?という実験的小説。 ただし、かなり人間の善性に寄ったものであると思う。 この本では目の敵にしている株式市場という存在も、 本来はもっとまともな姿であったわけで、人間の富への...
仮に資本主義が転覆して、あたらしい主義が台頭したとしたら、2008年からの世界はどんな風に転がっていったか?という実験的小説。 ただし、かなり人間の善性に寄ったものであると思う。 この本では目の敵にしている株式市場という存在も、 本来はもっとまともな姿であったわけで、人間の富への欲望が、その在り方を大きく変えてしまったように、 ここで提唱されている世界の有り様も、そこに生きる人々の 心根によって、良い方にも、あるいは悪い方にも、変わってくるのではないかな、と思う。
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