パラダイス・ガーデンの喪失 の商品レビュー
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最終的には面白かったけど、複雑で頭の整理が少し疲れました。本当にキルトになぞらえるのにふさわしいと思いました。最後に彼女が残って、理不尽な気分にはなりました。
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初の葉崎シリーズ。若竹七海さんなら間違いないだろうと読み始めて期待に違わず、見事な伏線、見事な回収。最高だった。 これでもかという程に世相と社会と人を散りばめ、あらゆる世代あらゆる境遇のありとあらゆる価値観の生をつなぎ合わせた、なんとも贅沢で、苦味を纏った、まさにクレイジーキル...
初の葉崎シリーズ。若竹七海さんなら間違いないだろうと読み始めて期待に違わず、見事な伏線、見事な回収。最高だった。 これでもかという程に世相と社会と人を散りばめ、あらゆる世代あらゆる境遇のありとあらゆる価値観の生をつなぎ合わせた、なんとも贅沢で、苦味を纏った、まさにクレイジーキルトのような作品。 ちょうど1年前の今頃が舞台なので、コロナ感も季節感もぴったりで、静かな美しい庭の情景を思い浮かべながら、読み終えるのが惜しい本だった。 長く会えていない実家の母にも読ませたい。
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久々の葉崎市シリーズ。 コロナ禍、個人庭園で発見された自殺とみられる身元不明の死体。その個人庭園を巻き込む形で行われていた老人ホーム建設詐欺。そこに誘拐事件が起こり、関係者たちの意外なつながりが明らかになる。 なんともやりきれないビターな話。ドライブインのマスター夫婦が気の毒。
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面白いに違いないから、大事にじっくり読んだけど、やっぱりビターで面白い!ブラックではないところが好ましい。 葉崎シリーズは人間の嫌らしさが生々しく迫ってきて、いらっともやっとさせる、人物描写に優れている。今回はコロナ騒動と絡めて、老年よりの中年から老人が大暴れ(?)して、元気で頼もしい。 作者お得意の、バラバラパーツが集まって、壮大な絵を描く手腕も見事で、一見関係なさそうな描写があとからつながって、さながら今回のテーマのキルトのパーツ名からのパッチワークがノンストレスで紡がれる。膨大な登場人物の絡みや関わりは、恩田陸のドミノを彷彿。 女警官、二村さんもステキ。美貌の…ではなく、フッツーのおばさんが元気に頑張ってくれると、もうそれだけで明るい未来が見えてくる。 ちょっと人物多過ぎて、その後の道程がわからぬまま、匂わせフェードアウトな人もいるのでそこは残念。もっと知りたい!コスモくんとかね。 ラストは…しっかりモヤルけど、勧善懲悪にならないところがまた、若竹節のスパイス効いてて痺れる!
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葉崎市シリーズだとか。 知らなかったけど、若竹さんの書く本はやっぱり面白い!! 登場人物がこんなに沢山なのにそれぞれちゃんと顔がわかるようイメージ出来るし、束ねてある糸が組んず解れずキチンと織り上がってゆくような名人技。パッチワークの大きな作品も仕上がりを見せてくれたし。 イングリッシュガーデンの描写は脳内に美しく広がりをみせてくれるし、アチラコチラに散らばった伏線の回収方法は唸るほどお見事!だし、ドンデン返しのウルトラCも見せていたどきましたし。 挙げ句、社会問題にまで触れ、高齢化の波を浴びる地方都市の情景も目に浮かぶ。これはもう、その街だけの問題じゃないですけどね。 もう、一気によみおえてしまいましたよ。
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「葉崎市シリーズ」は初読み。コージーミステリと言いながらなかなかの読み応え。 作品の中にキルト作家が登場するが、この作品自体がまさにキルト、それも細かい柄からなる巨大なキルト。そしてその色調は若竹七海だけあってかなりどす黒い。 まるでパッチワークを形成するハギレのように登場する...
「葉崎市シリーズ」は初読み。コージーミステリと言いながらなかなかの読み応え。 作品の中にキルト作家が登場するが、この作品自体がまさにキルト、それも細かい柄からなる巨大なキルト。そしてその色調は若竹七海だけあってかなりどす黒い。 まるでパッチワークを形成するハギレのように登場する個性豊かな登場人物。複雑に絡み合い、一筋縄ではいかない人間関係。次々と起こる一見関係なさそうな事件が、一本の糸で見事につなぎ合わされていく過程にワクワクしっぱなし。 メモをとりながら読んでも終いには書ききれないほどの情報量の多さと、仕掛けの複雑さにもはやついていくのがやっと。 それでも、全ての伏線が見事に繋がり、一人の女性の人生の悲哀まで描かれた日にはもう完敗。 参りました。これだから若竹七海はやめられない。
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海に臨む庭園での老女の自殺、所轄署のクラスター騒ぎ、老人ホームを巡る不穏な噂、幼稚園児身代金誘拐――総勢15名以上の住民の物語がパッチワークのように交錯する。10年ぶりの〈葉崎市シリーズ〉は、とびきりビターな書き下ろし長編!
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