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国語をめぐる冒険 の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2023/02/03

偶然にも、同じく、ジュニア新書の『読むという冒険 イギリス児童文学』と同時期に読む。 こちらは五人の著者による共著。ゆえに、やや語りがとっちらかっているが、国語と中高生をつなぐ新書を読んだのは久しぶりなので、新鮮に感じた。 1章…導入にふさわしく、軽くて楽しく読みやすい。 2章…...

偶然にも、同じく、ジュニア新書の『読むという冒険 イギリス児童文学』と同時期に読む。 こちらは五人の著者による共著。ゆえに、やや語りがとっちらかっているが、国語と中高生をつなぐ新書を読んだのは久しぶりなので、新鮮に感じた。 1章…導入にふさわしく、軽くて楽しく読みやすい。 2章…突然の占いの話。和歌占いの世界って、タロットカードなんかと同じですね。 3章…メロスおよび、みんな大好き山月記。著者の隠したいものとは。まさに国語の授業です。 4章…中高生への文を作るテクニック講座。なんの説明もなく、さくらももこのエッセイの一部を読んでからの解説。わかりやすい。読みやすい文、印象に残る文、共感しやすい文の作り方がこれなんだろうな。 5章…国語の歴史、言葉を強要する植民地主義を忘れてはならない。国内であっても方言や手話のたどってきた道も忘れてはならない。ニュースで方言が話されることも、ない。 (ただ、関西ニュースはNHKであっても方言が表に出まくる番組もあります。それも週一の放送ですけどね。おそらく方言のなかで、もっとも❮強い❯はずの関西弁さえこの現状。かつてはこれが標準語だったのに。いつの時代もヒーローは標準語を話してきたし、それが標準語になり…という、経緯は『役割語』の話にもあったなと思ったらやはり巻末にもその本が出てた。) ドーデーの『最後の授業』、こうしてみるとすごくイヤな話だな笑。 牢獄の鍵は言葉なのは確かだけど、それがどの言語なのかを決めるのは自分ですよね。 温さんのママ語のエピソードが楽しい。 私は、国語の授業が好きではなかった。 スピードが合わなくて窮屈だし、当たり前の話ばかりでつまらなかった。 それでも、自分が最も勉強しなくても点がとれたのは国語だった。 今も、国語を学ぶのはなぜ?と言われたら、あまり説明はできないと思う。 私には、古い言葉や他者の言葉が好きだから、面白いから、としか言えない。私が言葉にまつわることには興味があるタイプの人間だから、としか。 この一冊はそれを代わりに説明してくれる。 国語嫌いな若い読者にとってはやはり手にとりにくいとは思うが笑、国語好きな人にとって、さらに楽しい世界への入り口になると良い。

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2022/05/04

面白かった。二章の歌占の話や、三章の物語の裏を読む読み方が、正当な読みの際ぎりぎりを攻めるテクスト論の限界って感じ。歌占はむしろ自分に引きつける点でアウトかもしれないけれど、テクストを自分のものとしてあそぶのは面白い。

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2022/02/04

山月記、走れメロス、 そんなふうにも読めるのか! 普段の授業では、オモテの読み方しかしないから、 ウラの読み方、新鮮だったなあ。 しかも、有難かったのは、 授業でやるオモテの読み方も尊重してくれているところ。 文学を受験で扱うのは難しい。 でも、文学を授業で扱うのは、やっぱり意...

山月記、走れメロス、 そんなふうにも読めるのか! 普段の授業では、オモテの読み方しかしないから、 ウラの読み方、新鮮だったなあ。 しかも、有難かったのは、 授業でやるオモテの読み方も尊重してくれているところ。 文学を受験で扱うのは難しい。 でも、文学を授業で扱うのは、やっぱり意義があると私も思います。

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2021/12/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「国語は冒険だ」と言われて始まっても、その冒険感は全く伝わってこず。「国語」の範囲が広すぎるのも問題なんだとは思いますが、異なる専門のものを無理に一つにまとめようとするからそうなるのだと思いました。

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2021/11/19

国語に関する本は多くの数があるが、この本は出版が2021年8月とあり、その中でも新しい本である。英語を学ぶべき、という風潮は日本の社会に、とりわけ若手の社会ではとても力のあるものとなっている。そんな「当たり前」を打破するにはもってこいの本。

Posted byブクログ

2021/11/02

第一章と第五章が面白かった。 特に第五章で日本で話されている日本語以外の言語として日本手話が取り上げられているのは、私にとって新鮮だった。

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2021/11/16

(まだぱらぱらっとしかみてないが、帰省してた大学1年生の長女が興味を持って持ってった) (読了したらしく、戻ってきた。11月5日) タイトル&ジャケ買い。でも、思った以上におもしろかった。 伊勢物語の和歌、歌占、小説、コミュニケーション、「国語」「日本語」「母語(第一言語)」と...

(まだぱらぱらっとしかみてないが、帰省してた大学1年生の長女が興味を持って持ってった) (読了したらしく、戻ってきた。11月5日) タイトル&ジャケ買い。でも、思った以上におもしろかった。 伊勢物語の和歌、歌占、小説、コミュニケーション、「国語」「日本語」「母語(第一言語)」とは…と、章ごとに異なる5人の筆者がそれぞれのテーマで言葉を学ぶ意味や言葉の持つ可能性を語り、言葉の世界の豊かさ奥深さ、そして言葉のもつ力について考えさせてくれる好著。一冊全部じゃなくてこのなかの1章だけでもおもしろくよめたら、言葉を見る目が変わる。 「国語なんて勉強する必要があるの?」「国語の授業なんて退屈」と思ってしまう人にこそおすすめ。

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2021/08/30

国語の専門家が一章ずつ分担したものだが,それぞれが「冒険」というキーワードで関連付けられている.国語の夢を説く本である. 国語は役に立つ良い学科だというのが全体としての主張であるが,あまりにも国語や小説や文学の「副次的」効果を強調しすぎているように感じた. 心を知るための学問は国...

国語の専門家が一章ずつ分担したものだが,それぞれが「冒険」というキーワードで関連付けられている.国語の夢を説く本である. 国語は役に立つ良い学科だというのが全体としての主張であるが,あまりにも国語や小説や文学の「副次的」効果を強調しすぎているように感じた. 心を知るための学問は国語だけではない.心理学もある. 生き方を知るための学問は国語だけではない.哲学もそうだし,物理学や数学でさえ,そういう側面を持っている. 書かれていないことを推測するのは可能であるが,それが正しいという保証はない. 古典の価値を認めたとしても,古文・漢文の価値はそれに劣る.必要な人が学べば良い.全員が必須だというのであれば,何故その元となる甲骨文字まで戻らなくて良いのだろうか? 国語の第一義は,日本語としての言語のスキルを教育するものであるが,その側面を取り上げているのは第4章のみである. 日本語のリテラシー・スキルが十分でない人に,副次的効果を期待することは難しい. それは,高校物理だけを学んだ人に相対論や量子論の哲学的背景を語るようなものである. 冒険には夢があるが,準備が不十分な冒険は危険でさえある. まずは,日本語・言語としての能力を付けた上で先を目指すのが,正しい優先度であろう.今は,その最低限のスキルさえない人が多い状況である.

Posted byブクログ