小説 ムッソリーニ(下) の商品レビュー
ファシズムの成立をムッソリーニを中心として描いた作品(「ファシズムの成立」ということ場自体が曖昧だが)。 第一次大戦後の1919-1924を舞台としている。小説としては登場人物と舞台/情景を短い節で描くことを繰り作りになっているので、瞬間瞬間の熱量を強く感じる。正直、本書を読んで...
ファシズムの成立をムッソリーニを中心として描いた作品(「ファシズムの成立」ということ場自体が曖昧だが)。 第一次大戦後の1919-1924を舞台としている。小説としては登場人物と舞台/情景を短い節で描くことを繰り作りになっているので、瞬間瞬間の熱量を強く感じる。正直、本書を読んでファシズムの成立から政権奪取までをよんでも「ファシズムとは何か」がわかるのは難しい。ただし、少なくとも暴力性がその根本にあることだけは確かだ。また、今のイタリア議会に通じるのかもしれないが、ファシズム政権成立の過程は、民主主義の脆弱性を改めて考えさせられる。元祖ファシズムを学ぶにも、ムッソリーニについて学ぶにも、この時代のイタリアを通じて民主主義について考えるにも適した一冊。続刊があるとのことなので、是非翻訳、出版してほしい。
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そもそもヒットラーに比べて影薄いムッソリーニやけど、先駆者はこっちなのよね。むしろヒットラーの方が少なくとも最初は格下やったわけで。 で、1924年までの、ヒットラーが台頭する前のムッソリーニとなるとローマ進軍をピークとする権力獲得までの話がオモロいのかと思ったら、意外や意外、権...
そもそもヒットラーに比べて影薄いムッソリーニやけど、先駆者はこっちなのよね。むしろヒットラーの方が少なくとも最初は格下やったわけで。 で、1924年までの、ヒットラーが台頭する前のムッソリーニとなるとローマ進軍をピークとする権力獲得までの話がオモロいのかと思ったら、意外や意外、権力の座についた後の味方に足を引っ張られながらもがくところが良い。「本当にこわいのは有能な敵より無能な味方」ってヤツ。 4部作らしいんで次作あたりでヒットラーが出て来て、その次で逆転して、最後でシチリア上陸からミラノで愛人と吊られるくらい?
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