ごめん。 の商品レビュー
加藤元さんの作品を読んだのは、『嫁の遺言』,『金猫座の男たち』に続いて本書『ごめん。』が3冊目となりました。 加藤さん、・・・・・やはり「凄い」です! 『嫁の遺言』でとてつもない衝撃を受け、『金猫座の男たち』で才能を確信し、『ごめん。』で加藤さんの全作品を読む決心をするに至りま...
加藤元さんの作品を読んだのは、『嫁の遺言』,『金猫座の男たち』に続いて本書『ごめん。』が3冊目となりました。 加藤さん、・・・・・やはり「凄い」です! 『嫁の遺言』でとてつもない衝撃を受け、『金猫座の男たち』で才能を確信し、『ごめん。』で加藤さんの全作品を読む決心をするに至りました。 さて、本書は主人公である吉本佑理(三十二歳独身女性)を中心として、恋人、職場の上司や同僚やその家族、友人、(時に猫)との間で、「ごめん」を共通のキーワードとした人生模様を描いた、十一話からなる連作短編集です。 最初に読んで衝撃を受けた『嫁の遺言』は短編集であり、収録されている全作品が「傑作」でしたが、本書の収録作品も勝るとも劣らない「傑作」揃いでした。 一冊の本として読んだ場合、連作短編集という特長(更に、共通キーワードを持った展開)を存分に生かした本書に分があるのかもしれません。それだけ面白く「凄い」作品でした。 本書のタイトルどおり、キーワードが「ごめん」であることから、謝罪に関する場面・文章・解釈が何度も描かれていますが、とりわけ、「誤魔化しのための謝罪」と「自己満足のための謝罪とそれによる暴力」の描写は考えさせられました。(町田そのこさんの作品『宙ごはん』を思い出しましたね) その都度、自分もそうだな、そうだったな、情けない。あの時のあの人の謝罪はどういう気持ちだったのかな。人と人が相手の身になって行動し、完全に理解し合うことがいかに難しいことか、と暗い気持ちにもなりましたが、それだけでは終わらないのが加藤さんの作品の「凄い」ところで、また、私が大好きなところでもあります。 そのあたりはあえて書きませんが、とにかく本書が面白くて「凄い」作品であることに間違いはなく、多くの皆さんの心に届くことを願うばかりです。
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11話の「ごめん。」の連作短編集。 そうだよね、と共感できることが多かった。 『第二話 いつも俺から』 口先だけのごめん。謝っているから受け入れろという態度。妻が病気でも優しい言葉をかけるだけでいいと思っている。子どもの世話は、いいとこ取り。義理親と妻は仲がいいと思っている。 ...
11話の「ごめん。」の連作短編集。 そうだよね、と共感できることが多かった。 『第二話 いつも俺から』 口先だけのごめん。謝っているから受け入れろという態度。妻が病気でも優しい言葉をかけるだけでいいと思っている。子どもの世話は、いいとこ取り。義理親と妻は仲がいいと思っている。 こんな杉田課長の行く末は、自己満足で、自分はなんでもしてやっているのにという夫の行く末。自分が、ではなく相手がどう思っているのかを、どうして考えられないのだろうか、と思う。義理関係は妻の辛抱で平和をもたらしていることもある。子育ても、1人では大変すぎる。夫になった人達に、妻に甘えていないか、職場の女性に対して軽んじたことをしていないか、考えてみてほしいと思った。 『第七話 ナニサマ』 「謝りなさいよ。」上から目線の言い方。一方的に謝罪を求める人には、毅然とした態度が必要なように思う。謝っておけば、丸く収まるわけではない。他人の理不尽な、ストレスの捌け口になっていい人なんていない。その結果、身を守るために図太くなってしまった人のことは悪くは言えない気がした。楓子を助けてくれた店長の言葉と杉原香奈の言葉に胸のすく思いがした。信じられる人もいることは、忘れないでいたいと思った。 私の場合、「ごめんなさい。」と泣きながら言う子どもの気持ちを、今ならばもう少し落ち着いて受けとめられるなぁと思った。あの頃は、余裕がなかった。周りの目も気になった。未熟だった。今更だけど、「ごめんね。」と、小さな我が子へ謝りたいと思った。
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杉田課長の話は旦那に読んでもらいたい… ただ同じことを考える人は多いだろうな…笑 ごめんって言ったんだから許せよって態度。 許すかは相手に任せてよ。というかそれを言う時点で反省してなくない…?って思うことは私も多々あり。。 自分は謝りすぎちゃう方なので、子どもの自立心を伸ばすため...
杉田課長の話は旦那に読んでもらいたい… ただ同じことを考える人は多いだろうな…笑 ごめんって言ったんだから許せよって態度。 許すかは相手に任せてよ。というかそれを言う時点で反省してなくない…?って思うことは私も多々あり。。 自分は謝りすぎちゃう方なので、子どもの自立心を伸ばすためにも自分のせいじゃない時は控えなきゃと思っている。 いろんな気持ちで発される「ごめん。」があり、いろんな受け取り方をされる。 改めて謝ることについて考えさせられた。
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11話の少しずつつながりのある短編集。 色んな夫婦が登場したが、すごく共感する部分が度々出て来て面白かった。そして、登場人物の心の声の部分のユーモアセンスが、すごく自分好みで笑えた。 初読みの作家さんだったけど、更にこの人の作品を読んでみたい。もしかしたら、ファンになるかも。
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あー!!!わかる!!! この旦那との会話のズレ感。 この絶妙なズレ感!!!!! 途中まではちゃんと合ってる、いや、合ってるんだと思うんだが、感覚とかが違うんだろうね。 え?今それ言う? ってのとか。 なんで、そうなるか? っていう。 面倒くさくなって話さなくなる。 これ、典型で...
あー!!!わかる!!! この旦那との会話のズレ感。 この絶妙なズレ感!!!!! 途中まではちゃんと合ってる、いや、合ってるんだと思うんだが、感覚とかが違うんだろうね。 え?今それ言う? ってのとか。 なんで、そうなるか? っていう。 面倒くさくなって話さなくなる。 これ、典型ではなかろうか。 いや、余計なこと言うよなぁ。って思うのもあるし、なんだ今ここでそのテンション、うざ! ってなることもある。 このズレはどーしたってどうにもならんのかな。 普段はいいのよ、多少ズレてても。 ここぞってときに、ズレ出されると離婚直結よね。 そして、この本に出てくる空気の読めない杉田課長。これはもう、婚姻届を出した夫婦に渡して欲しい。旦那として、こういうのは長く続きませんよ。と。絶対この説明書は読んでね。と。 物語形式になってますから、読みやすいですよと。 ちゃんと国から渡してほしい。 そしたら、離婚率少し減るんじゃないかな?と、思うんですが。どうでしょう。 子どものごめん。 この章は、、、ホント。泣けた、、、、、 何百回。子どもは親にごめんなさい。言い続ける。 そうよね、お母さんに怒られて、って。 お母さん、ごめん。って。 なんでこんなに怒ったんだろう。 そんなこと気にしなくていいのに。って、 風邪ひいちゃってごめんね。 って、たしかに。風邪ひくよ!って怒ってたなぁ。 なんて、思い出して胸がギュッとしました。。。 そして、ごめんは言う方も受け入れる方も気持ちが必要っていう、そんな話も。響きました。 #ごめん #子どもたち #子どもがいうごめんなさい #何回も何回も聞いたなぁ #全部子どもたちが悪いわけじゃなかった #なんかギューとした #胸が #加藤元 #身近すぎて身に染みすぎる
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誰もが一度は言うであろう「ごめん。」の言葉。 簡単に言えたり、なかなか言えなかったり。 この言葉一つで、多くの人生がある様に思う。 それぞれの登場人物たちの「ごめん。」を巡るストーリー。 個人的には『ナニサマ』が好きかな。
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加藤元さんの小説を読むのは『本日は、どうされました?』に引き続き2作目です。 今作は「ごめん(謝罪)」に関する短編集で、かつ登場人物が少しずつ繋がっている形式(連作短編集)です。 個人的に読み取ったテーマはこんな感じです。 ・家族 ・夫婦 ・恋愛 ・職場の人間関係 ・近隣住民...
加藤元さんの小説を読むのは『本日は、どうされました?』に引き続き2作目です。 今作は「ごめん(謝罪)」に関する短編集で、かつ登場人物が少しずつ繋がっている形式(連作短編集)です。 個人的に読み取ったテーマはこんな感じです。 ・家族 ・夫婦 ・恋愛 ・職場の人間関係 ・近隣住民との人間関係 ・ハラスメント ・男女差別(無理解) テーマを拾ってみて改めて納得しますが、20歳以上推奨の作品ですね。子どもだからわからない、ってことはないと思いますが、「大人になってみると分かる、このしんどさ」という感じです。 謝罪が生まれる環境というものは、必然的に人と人が交わるところ、ということになりますが、この作品では始めと終わりが対になっていることで、中盤に挟まれるドロドロとした苦しい状況や、人間の愚かさのようなものをすっきりと後味良く整えてくれるところが良いなと感じました。 甘く始まり、苦味や酸味などのあとにまた甘み。そしてすーっと消える、という感じでしょうか。 しかし、文体の折々で挟み込まれる手厳しさと鋭さの混じったツッコミは読んでいて大変面白くもあり、その容赦のなさにキリキリするものでもあり。あまり体験したことがないもので新鮮でした。 『謝罪って、一方的に押しつけて済むものじゃないと思う』と文中にある通り、謝罪って難しいものですよね。 学童期には「謝りなさい」と先生や親から言われて謝る子どもと、それを受ける子どもがいる。そうして「謝ったんだから、仲直りね」と言われる、といった場面に出くわしたものですが、ひねくれものの私などは「どうして謝ったら帳消しになるんだろう。謝罪を受け入れることは、謝罪された瞬間から暗黙の決まりなのだろうか」などとモニョモニョ考えていたものです(面倒な子供ですね)。 到底謝って許されないことでも「ごめん」であり、ちょっとした行き違いでも「ごめん」である。その時々の言葉の重みは、発した本人にしか分からないものでありながら、実は受け取った本人にしか分からないものでもある。 大人になった今ならわかることですが、受け入れられることを前提にされた謝罪など、本来どこにも存在しないはずなのです。 わかり切っている大人がわかりきった嘘をついていることに、幼い子供は目ざとくも気づいていたのかもしれません。恐ろしい子。 私からは以上です。
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猫目線のほっこりな「ごめん」やモラハラ上司のイラッとする「ごめん」。たった三文字で人はこんなにも喜び、悲しみ、そして怒る…。様々なシーンの「ごめん」を切り取った全11話。 日常によくある出来事も、ちょっとしたスパイスを加えるだけで素敵な物語になる。そんなストーリーを創るのが抜群に...
猫目線のほっこりな「ごめん」やモラハラ上司のイラッとする「ごめん」。たった三文字で人はこんなにも喜び、悲しみ、そして怒る…。様々なシーンの「ごめん」を切り取った全11話。 日常によくある出来事も、ちょっとしたスパイスを加えるだけで素敵な物語になる。そんなストーリーを創るのが抜群に巧いのが"カトゲン"さん。私たちが普段使いする「ごめん」が、シチュエーションによってこんなに意味が違ってくるとは…。
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素敵な内容の本を買ってじっくりと読む。できれば何日かに分けて読むのではなく、物語に没頭して一気に読み切ってしまう。本好きの方にとっては、こういう時間を過ごすのは贅沢なことなのではないだろうか。私も読書が好きなので「没頭して一気読み」という時間を過ごすのは大好きなのだが、「素敵な内...
素敵な内容の本を買ってじっくりと読む。できれば何日かに分けて読むのではなく、物語に没頭して一気に読み切ってしまう。本好きの方にとっては、こういう時間を過ごすのは贅沢なことなのではないだろうか。私も読書が好きなので「没頭して一気読み」という時間を過ごすのは大好きなのだが、「素敵な内容の本」と「じっくりと読める時間」と「一気読みできる気力」の三つが揃わなければ実現しない。 「素敵な内容の本」は自分の好きな作家さんの本であれば高い確率で出会える。緊急事態宣言でおうち時間が増えている今は「じっくりと読むこのとできる時間」も、いろいろと家庭の事情はありながらもなんとかなりそうだ。個人的に一番問題なのは「一気読みできる気力」。睡眠不足だったり体調が悪かったりすると気力が湧かないし、心配事などがあっても本を読む気にならない。暑すぎても寒すぎても気持ちが乗らないので、好きな作家さんの素敵な本を一気読みできる機会というのは案外少ないものだ。 逆に、だからこそ、そういった機会が訪れるととても得した気分になって、今日はなかなか良い日だったななどと自己満足に浸ることもできる。ちょっとしたことだが、本好きの私にとってはささやかで小さな幸せだし、精神的な安定度のバロメーターにもなっている。 加藤 元さんが書かれた「ごめん。 (集英社文庫)」は、久しぶりに一気読みをした素敵な内容の物語だった。「ごめん」という三文字が題材となった連作短編集で、人の心の中にある強さや弱さや哀しさなどが丁寧に綴られた素敵な物語だ。 連作短編集はたくさんあるが、今回読んだ「ごめん。」は全11話という話数の多さも特徴で、それぞれの物語の主人公がすべての物語に共通しているという点も興味深い。また、ある物語の中では無気力だった登場人物が、他の物語ではとても頼もしい活躍をする人物であったりと、人は単見る人、関わる人によって見方が変わるのだという当たり前のことを改めて教えてもらった。 第一話は学生服専門の用品店で働く吉本佑理が主人公。彼女は幼い頃から本好きで、友達と遊んでいるよりも一人で本を読んでいる方が好きな「変な子」だった。大人になってもその性格は変わらず自分の時間を静かに過ごしていたが、職場で無神経な発言を繰り返すセクハラ上司のせいで気持ちが沈みがちだった。そんなある日、セクハラ上司に対して「無礼ですね」と毅然とした態度で言い返した青年がいた。彼は出入りの配送業者の青年だったが、そんな彼に対して佑理は好感を持ち、それがきっかけで距離を縮めることになった。しかし、ちょっとした一言でちょっとした行き違いが出てしまうのだが、それでもそこから二人の素敵な付き合いが始まった。 第二話以降も、第一話の中に登場する人物や、その人物に関連する人物が主人公となるのだが、 読んでいる最中に胸に響く言葉が出てきたり、登場人物を探して前のページをめくったり、そして読み終わってからは心の中がふわっと暖かくなったりと、とても素敵な時間を過ごさせてもらった。 題材が「ごめん」という謝りの言葉なのだが、謝るということがどういうことなのかを改めて考えさせてくれるという意味でも、単に素敵なだけではなくてとても大切なことを教えてくれる一冊だった。
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