陰陽師 水龍ノ巻 の商品レビュー
8話の短編集 博雅の人の良さと純粋さが人を救い知らぬ間に自分も救っているって面白い 彼にはそのままでいて欲しいです 鬼になりたくはないだろうに人の心って思うようにならず難しいですね 『秘帖・陰陽師 赤死病の仮面』は悪夢を見そうに怖かったです
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しみじみと味わいながら読みました。毎回、冒頭の晴明と博雅のお酒を酌み交わすシーンが大好きです。季節ごとの情景の描写と美味しそうなお酒。二人の会話。憧れます。 今回は博雅の音楽関係のお話が印象的。無垢なところが彼の魅力ですが、でも無垢は罪ですね。
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シリーズ35周年とか…めでたいを通り越してちょっと茫然としてしまいます。私が最初に『陰陽師』を読んだのは…多分30年前くらいか?以来、シリーズはすべて読んでますが、まだまだ終わらないんだろうなぁ。今回は博雅の音楽の才が冴える話が多かったですが、太薫が非常にカワユかったと思います(...
シリーズ35周年とか…めでたいを通り越してちょっと茫然としてしまいます。私が最初に『陰陽師』を読んだのは…多分30年前くらいか?以来、シリーズはすべて読んでますが、まだまだ終わらないんだろうなぁ。今回は博雅の音楽の才が冴える話が多かったですが、太薫が非常にカワユかったと思います(^^♪ そして、「赤死病の仮面」は今の時世に重なるなぁと思いました。
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新しい本が出たことを知らなかった~葉二を吹いて歩いて呼んだのは唐の高祖・李淵と狐の怪との娘。望むモノを与えて歌とそれに使われる言葉を盗むモノを説得したのは博雅の涙だった。芦屋道庵と話をしたと言われて病に陥ったのは言うなれば呪いだ。枯れた御所の井戸の真上で笄を右手の親指で操っていた...
新しい本が出たことを知らなかった~葉二を吹いて歩いて呼んだのは唐の高祖・李淵と狐の怪との娘。望むモノを与えて歌とそれに使われる言葉を盗むモノを説得したのは博雅の涙だった。芦屋道庵と話をしたと言われて病に陥ったのは言うなれば呪いだ。枯れた御所の井戸の真上で笄を右手の親指で操っていた蹴鞠の名手が笄を落としてしまって詰まらぬ嘘を付き、切り落としてしまった螭の腕を返して一段落。赤舞瘡を恐れた貴族は高い塀を巡らして98人で立て籠もり外界との接触を遮断したが、ついに生き残りは自分一人になってしまった。死者の魂を蘇らせる蝉丸の不思議な舞・蘇莫者を逆に舞わせて死者の魂を帰した~今回は博雅と葉二が主役ですね。相変わらず清明の話は呪で、博雅はそれに辟易しているってことで、いつものこと。蘇莫者って亡き者を蘇らせるって意味だよ。それにしても、花闢とか烟矗とか、聞いたことのない言葉が出てくるなぁ
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『陰陽師』シリーズ第17巻。 博雅の才能が爆発してる一冊。やっぱり大好きなシリーズ。 特に「読人しらず」は博雅の心根の良さが出ていて好き。 「蘇莫者(そまくしゃ)」は蝉丸の恋のお話で、舞台用の本。 「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」はちょっと別世界のお話だと理解しました。晴明も出てこないし。 あとは「いそさぎ」がいつもの『陰陽師』っぽくて良かったな。嫉妬から鬼の面が取れなくなってしまった母の顔が、面通りの顔になってしまっている怖さ。たぶんこういうオチだろう、と思ったけど、あぁやっぱりというやるせなさ。そこが、また良いのだけど。 人の心までは、晴明でも変えられない。人間の本質をついていて、面白い。
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「生きるに上手下手はありません」 さすが、源博雅。 楽に愛され、天に愛され、まっすぐなお方。 私の架空の人物ベスト3の一人。 清明は 「お前と飲むために生まれてきたのかもしれぬな」 と、言っていたけれど 「博雅様にお会いするために、『陰陽師』を読んでおります」 とお伝えしたい。 ...
「生きるに上手下手はありません」 さすが、源博雅。 楽に愛され、天に愛され、まっすぐなお方。 私の架空の人物ベスト3の一人。 清明は 「お前と飲むために生まれてきたのかもしれぬな」 と、言っていたけれど 「博雅様にお会いするために、『陰陽師』を読んでおります」 とお伝えしたい。 シリーズいち作者の博雅愛が、あふれてしまっている作品集。 たぶん。
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シリーズ17作目。初出2018〜21年「オール讀物」 7短編と1中編 冒頭の「麩枕」は清明の出番はなく、唐から雅博に会いに来た白狐の娘の求めで鬼から教えられた曲を吹くと、鬼と葉二の笛の来歴が明らかになる。 「いそざき」は怖い。嫉妬で夫と愛人を殺すために蘆屋道満から教えられたとお...
シリーズ17作目。初出2018〜21年「オール讀物」 7短編と1中編 冒頭の「麩枕」は清明の出番はなく、唐から雅博に会いに来た白狐の娘の求めで鬼から教えられた曲を吹くと、鬼と葉二の笛の来歴が明らかになる。 「いそざき」は怖い。嫉妬で夫と愛人を殺すために蘆屋道満から教えられたとおり、鬼の面を彫って被って殺したが、面が外れなくなり、20年ぶりに再開した最明寺の和尚となっていた子供に連れられて清明の許にきたが、外れた面の下は面と同じ顔になっていた。 「秘帖・陰陽師 赤死病の仮面」は清明も雅博も登場しない。道長に擬せられた左大臣満長は、太宰府からの猛烈な疫病の報せに、建設中の別邸の規模を拡大して完全に外と隔離して百人ばかりで住む。邸外は疫病であふれ、帝さえ助けを求めに来るが拒絶する。やがて邸内にも疫病が侵入し、満長は部屋に閉じこもる。満長はやがて人々が死に絶えた世界に一人出て行く。コロナ禍の寓意。 最後の「蘇莫者」は朗読劇用に書かれた者らしい。 聴いた曲は演奏できてしまう雅博は、鬼から返して貰った御物の玄象の琵琶で天皇の前で秘曲を弾き、音すら鳴らせない琵琶の第一人者敦実親王から嫉妬され命を狙われるが、暗殺者たちは笛の音に殺意をなくす。敦実親王はかつて「蘇莫者」という曲と舞を使って、死者を呼び出して絶えていた秘曲を習得していた。清明は親王の野望の犠牲になった蝉丸と藤原能子を呼び出し、再度「蘇莫者」を演奏させて使者を呼び出して解決する。
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2021年第一刷、文藝春秋のソフトカバー本。8編。『蘇莫者』が以前の雰囲気に近いかな。やはり晴明+博雅+αでないと、という感じがするのです。『秘帖・陰陽師赤死病の仮面』のように完全に別物となれば話は別。これはこれで面白い。『いそざき』久々の救えない話。救われなくて当然、というよう...
2021年第一刷、文藝春秋のソフトカバー本。8編。『蘇莫者』が以前の雰囲気に近いかな。やはり晴明+博雅+αでないと、という感じがするのです。『秘帖・陰陽師赤死病の仮面』のように完全に別物となれば話は別。これはこれで面白い。『いそざき』久々の救えない話。救われなくて当然、というような人物ではなくて救えそうな人なのに救われない。うーん、悪事は為しているのだからその報いなのだろうけど、哀れが深まる。 収録作:『麩枕』p5-34.『野僮游光』p35-61.『いそざき』p63-92.『読人しらず』p93-132.『腐草螢と為る』p133-149.『跳ねる【カミ】【カキ】踊る針』p151-180.『秘帖・陰陽師赤死病の仮面』p181-215.『蘇莫者』p217-307. 初出:すべて「オール讀物」、『麩枕』2018年7月号、『野僮游光』2019年1月号、『いそざき』2019年3・4月合併号、『読人しらず』2019年5月号、『腐草螢と為る』2019年7月号、『跳ねる【カミ】【カキ】踊る針』2020年3・4月合併号、『秘帖・陰陽師赤死病の仮面』(前編)2020年9・10月合併号、(後編)2020年11月号、『蘇莫者』2021年1月号
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博雅さまは、ただ音楽が好きなだけなのだけど… たとえ人並みの才能であっても同じように音楽が好きだったのだろうけど… 天に愛された才能は、まわりを狂わせるものなんだなあ
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今回も大満足。 晴明と博雅のコンビ、最高。 そして、博雅は本当にいい漢。 「麩枕」と「読人しらず」でそれが顕著で素晴しかった。 蝉丸の過去、そうだったのか。 人の心って、、、 「赤死病」の話は、ポーにインスパイアされたようだけど、時節柄他のことと重なってしまった。 いずれにしても、晴明も博雅も登場しない珍しい作品。 シリーズ開始から35年って素晴しい。 2人の活躍をまだまだ読ませてほしい。
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