玉藻前アンソロジー 殺之巻 の商品レビュー
昨年真っ二つに割れた事が話題となった殺生石も関係する玉藻前(九尾の狐)にまつわるアンソロジー。 栃木を代表する妖怪であり、ゲーム「真・女神転生」の妖獣タマモ(剣反射能力を持つ悪魔で自動戦闘モードにしておくと大惨事になる事も)も思い出す印象深い存在。 そんな彼女は美しい姿や一騎当千...
昨年真っ二つに割れた事が話題となった殺生石も関係する玉藻前(九尾の狐)にまつわるアンソロジー。 栃木を代表する妖怪であり、ゲーム「真・女神転生」の妖獣タマモ(剣反射能力を持つ悪魔で自動戦闘モードにしておくと大惨事になる事も)も思い出す印象深い存在。 そんな彼女は美しい姿や一騎当千の戦闘力だけでなく、積極的に論破していく頭脳明晰な女性でもある。この巻の半分以上のページを占める大作「絵本三国妖婦伝」ではその魅力を遺憾なく発揮している。「封神演義」でも印象的な妲己を始め、天竺(インド)、再び中国、そして京都→那須とあちこちで大暴れ。 こちらのストーリーでは、昨年の大河ドラマで話題になった上総介広常と三浦介義純(義澄、というか年齢的には彼の父・三浦義明に当たる)よって討たれるが、「玉藻の草子」では三浦介単独。「糸車九尾狐」ではその三浦氏の子孫(光村)との因縁。「那須記」では三浦一族の和田義盛も関わっている。三浦氏とこれでもかというほど因縁がある。また、「玉藻の草子」では玉藻前を成仏させる玄翁和尚が佐原氏(後の三浦道寸や蘆名氏へ繋がる三浦一族)ゆかりのお寺に住むとまで書いてある。 最後には、付録エッセイとして人に化けた妖怪などを見抜く呪文「狐の窓」も紹介されている。
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