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日本ローカル放送史 の商品レビュー

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2021/11/14

偶然。里見修「言論統制というビジネス」を読んで、現在の地方紙一県一紙という新聞業界の「当たり前」のルーツに触れ、日本のメディアの歴史への視野がひろがったタイミングで本書が飛び込んできてくれました。近所の図書館の新着コーナーに『日本ローカル放送史「放送のローカリティ」の理念と現実」...

偶然。里見修「言論統制というビジネス」を読んで、現在の地方紙一県一紙という新聞業界の「当たり前」のルーツに触れ、日本のメディアの歴史への視野がひろがったタイミングで本書が飛び込んできてくれました。近所の図書館の新着コーナーに『日本ローカル放送史「放送のローカリティ」の理念と現実」の書名が…即、借り出し!「言論統制というビジネス」も新着コーナー本だったのですが、いま現状のエスタブリッシュなメディアの「来し方」についての研究が盛り上がっているのでしょうか?自分のことを決してメディアとは認めないプラットフォーマーの存在感の巨大化、コンテンツの置き所としての通信放送融合のはじまり…レガシーメディアの「行く末」を考えるにあたって「来し方」を知ることはナイスタイミング?ライトチャンス?そして本書を読んで、地方テレビ局の誕生にあたって、エリア毎の新聞社、そして電通が大きな役割を果たしていることにも改めて納得。いわゆる「吉田秀雄モデル」というものをそれぞれの事例で知ることが出来ました。それが国の産業政策と結びつき、地方の資本の論理と連携し、今に至ることも知りました。一方、人口減少社会の中でそのモデルが効かなくなっていることも事実。そのとき、中央と地方の結びつきで語られる地方局の在り方を、もう一度足下から見直す可能性の議論の出発点にもなりうる本だと思いました。グローバル経済とローカル経済を分けて議論するという視点がありますが、グローバルコンテンツとローカルコンテンツの棲み分け理論がさらに深まるといいと期待します。

Posted byブクログ