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アヤとあや の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2023/02/17

「神秘的な子供」「特別な少女」「無垢な女の子」「ただのわたし」 4話収録の連作短編集。 小学5年生の亜耶は画家の父、パート勤めの母、6歳の弟と家族四人で平穏に暮らしている。 亜耶が常に話し掛ける実態を伴わない彩。 少女期特有の妄想?それともホラー?イマジナリーフレンド? 先行...

「神秘的な子供」「特別な少女」「無垢な女の子」「ただのわたし」 4話収録の連作短編集。 小学5年生の亜耶は画家の父、パート勤めの母、6歳の弟と家族四人で平穏に暮らしている。 亜耶が常に話し掛ける実態を伴わない彩。 少女期特有の妄想?それともホラー?イマジナリーフレンド? 先行きが全く読めないまま、不穏なアイテム、ナイフの登場にビクつき、校舎の二階から飛び降りる亜耶に危うさを感じる。 自分を、神秘的で特別な存在だと信じこむ亜耶。 それこそが、幼さの象徴であると思うも、特別と凡人、大人と子供の狭間で揺れ動く心情がリアルだ。

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2022/09/22

自分を特別だと思っている子の話。子どもは自分を特別と思いたがるような気がする。大人になると、周りと比較したがるし、周りも比較してくる。場合によっては特別は嫌と思うこともある。素晴らしい能力がなくても、人間誰しも誰かにとっての特別でいられると思うし、私はそれでいい。

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2022/07/26

読書備忘録671号。 ★★☆。 久しぶりの★3つ以下。 読むのが若干苦痛だった。 画家の娘、亜耶が想像上の友達、彩を作り出し、特別な存在でいたかった、というお話。 なんで借りるリストに入ってたんだろう。多分読売新聞の小説エンターテイメント欄に紹介されていたからだ。アタリはずれ...

読書備忘録671号。 ★★☆。 久しぶりの★3つ以下。 読むのが若干苦痛だった。 画家の娘、亜耶が想像上の友達、彩を作り出し、特別な存在でいたかった、というお話。 なんで借りるリストに入ってたんだろう。多分読売新聞の小説エンターテイメント欄に紹介されていたからだ。アタリはずれがあるなぁ、小説エンターテイメント!笑

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2022/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小学5年生の亜耶は、常に自らの美意識と神秘性に特別なものを感じている。 彼女は相棒の彩といつも行動を共にする。イマジナリーフレンドと認識している彩とともに、自分を特別だと思ってほしい……。自分の中で折り合いをみつける。少しずつ自分のあり方を考える少女の話。 目次 一 神秘的な子ども 二 特別な少女 三 無垢な女の子 四 ただのわたし 気になった本文 特別というのは、周りの環境に支えられた状態でしかない。特別でいたいと願うことは、それ以外のふつうを強く意識するということ。特別でありたいと願う人は、誰よりも周りを気にしてるってこと。周りがどんなふうかを気にしてそこから抜け出そうとすることは、周りを気にしてそこに合わせようとすることと同じ。 「ありふれた言葉がありふれているのは、それがある程度、本当のことだからだよ。」 「そんな言葉ほしくない。みんながみんな、それぞれ特別な子だっていうんでしょ。そんなの誰も特別じゃないのと同じじゃない。」 「そう、特別な人なんて誰もいない。みんながみんな、それぞれ自分のふつうを生きてるだけ。」 わたしが欲しがった特別さとは違う、神聖でも、神秘的でもない、ごくふつうのありふれた特別さではあるけれど、それはそれで悪くないように思えた。

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2022/01/29

自分が神秘的で特別であるという感覚、幼い頃には多かれ少なかれ持っているものだと思う。 ありのままの自分を認めてあげると、きっと次のステージに進めるんだろうな。 それにしても、あやが11才にしてはかなり大人っぽい。

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2021/12/28

自分が特別であるという意識は、子供のころ誰もが持っていたんじゃないだろうか。 しかし、成長につれて自分は大勢の中の一人にすぎないということに気づかされ、それを受け入れなければならないようになる。 小学五年生の亜耶は年を経るにつれて自らの神秘性が失われていっていると感じている。 ...

自分が特別であるという意識は、子供のころ誰もが持っていたんじゃないだろうか。 しかし、成長につれて自分は大勢の中の一人にすぎないということに気づかされ、それを受け入れなければならないようになる。 小学五年生の亜耶は年を経るにつれて自らの神秘性が失われていっていると感じている。 彼女は神秘的でありたいと願うが、そう願ってしまっている時点で神秘的ではないということにも気づいてしまっている。 そのことにどう折り合いをつけていくのか。 序盤の亜耶からは傲慢さを感じるが、それがラストでは自己愛のように変わっていくのがよかった。 以前読んだ『自由なサメと人間たちの夢』同様、少しメンヘラっぽい小説だが、著者はそういう人間のちょっと暗い内面を描くのがとても上手だ。

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2021/10/09

自分は他の人と違って特別で、神秘的で無垢な女の子なのだと思っている女の子の話。 彩という「相棒」をもつ11歳の亜耶。 自分は他の人と違って特別だ、と思っていた時期には、私にも身に覚えがあって。 いつそれを卒業したっけな、と思い返した。 特別、神秘的、無垢、他の人と違う、って本...

自分は他の人と違って特別で、神秘的で無垢な女の子なのだと思っている女の子の話。 彩という「相棒」をもつ11歳の亜耶。 自分は他の人と違って特別だ、と思っていた時期には、私にも身に覚えがあって。 いつそれを卒業したっけな、と思い返した。 特別、神秘的、無垢、他の人と違う、って本当に素敵な響きだ。魅惑的。 そんな魅惑にばかりとらわれていて、 「普通」ってつまらない、と思っていたあの時期。 だけど本当は、普通が1番特別で尊くて輝いている。 普通でいることのほうが稀有で難しい。 ずっと特別だと思っていたものは、実は何の変哲のないものだった。 そう実感するようになることが、大人になっている証なのかな。

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2021/08/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

11歳。小学五年生。まだ、コドモである。けれど、もう純粋なコドモではいられない年頃でもある。 「自分」というものについて考え始める。「私とは」という永遠に答えの出ない問い。 油絵画家を父に持ち、そのモデルとして「神秘的な目を持つ」「特別な」私。その特別さが自分のアイデンティティ。 もし自分が「神秘的な目」を持たなくなったら。「特別な存在」でなくなったら。 その恐怖を自分の中で消化し昇華していく過程が痛々しくも鮮やかに描かれる。 「普通の人」であること。クラスの友だちと同じであること。背伸びせずに生きていく術を手に入れた特別じゃない「私」の未来は、多分きっと当たり前に素晴らしい。

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