ウラジーミル・プーチンの大戦略 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
プーチンが望んだロシアの在り方とは、ヨーロッパの一部になるのではなく、自身が多極的な世界の中心となることであった。そして、その際に重要なのはロシアが帝国であるということだ。ロシア語を話すロシア聖教徒からなるロシアではなく、ロシア皇帝に忠実に従う複数の民族からなるロシアでなければならない。プーチンが率いる「統一ロシア」は両極の急進主義を排除した左右の統合を目指してきた。なぜなら、急進主義者による革命と、その後の反動が歴史上何度もロシアに崩壊の危機をもたらしたからだ。そして、プーチンのロシアが正義だとすれば、世界における悪の出現にはどう対応するか?そのときは、敵への愛を込めて、剣を持ち出すことも許される。なぜなら、戦争がもたらす残虐さはやがて消えゆくが、憎しみはいつまでも残るからである。
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