物語消費論 の商品レビュー
昭和天皇崩御の際に社会を覆ったあの不思議な空気感。物質ではなく「ストーリー」を共有し消費するという、今日では何の不思議でもなくなった行為の存在を、当時初めて可視化してくれた目から鱗の一冊。こういうみんながうすうす気づいているがまだ言語化に成功していない(したがって認識されていない...
昭和天皇崩御の際に社会を覆ったあの不思議な空気感。物質ではなく「ストーリー」を共有し消費するという、今日では何の不思議でもなくなった行為の存在を、当時初めて可視化してくれた目から鱗の一冊。こういうみんながうすうす気づいているがまだ言語化に成功していない(したがって認識されていない)漠然とした正体不明の概念を探し出し定義する力こそがプロの社会科学者なんだなと感銘した。
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あれこれって、最近書かれたものだっけ?という錯覚に陥る。出てくる固有名詞は30年前のものなので、確実に昔の評論なのだけれども。それぐらい普遍的な(?)内容なのかもしれない。 宗教のもつ構造とビックリマンのもつ構造が同じという指摘は興味深いし、宗教もアニメにしたらヒットするというブ...
あれこれって、最近書かれたものだっけ?という錯覚に陥る。出てくる固有名詞は30年前のものなので、確実に昔の評論なのだけれども。それぐらい普遍的な(?)内容なのかもしれない。 宗教のもつ構造とビックリマンのもつ構造が同じという指摘は興味深いし、宗教もアニメにしたらヒットするというブラックジョーク等は、その後の未来を見たかのようにも思える。 それだけ日本が変わっていないということの証左なのかもしれない。
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1989年に刊行された著作の復刊 サブカルチャーにおける成功コンテンツがマーケット上でどの様な位置どりだったかを論じている しかしながら要素を分解して捉えるとサブカルチャーに限らず、更に云うならば時代も限定せず通ずる原理が語られている つまるところ、顧客はモノを買うのでなくストー...
1989年に刊行された著作の復刊 サブカルチャーにおける成功コンテンツがマーケット上でどの様な位置どりだったかを論じている しかしながら要素を分解して捉えるとサブカルチャーに限らず、更に云うならば時代も限定せず通ずる原理が語られている つまるところ、顧客はモノを買うのでなくストーリーを買う ストーリーというのはメリットや効果といったモノから産毛程度に生えたものではなく、モノを購入した顧客の未来、ひいてはそれが作り出す社会の未来 近視的、即物的になっていく社会の中で改めて思考をリセットする契機をつくってくれた
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