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誰にも奪われたくない/凸撃 の商品レビュー

3.7

17件のお客様レビュー

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2024/09/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

児玉雨子さんの歌詞が大好き。 『とろとろした風に綿毛が舞っている』(p16) こういう表現が素敵だし、さすがだなぁと思う。 『説明は、他人が知らない言葉を呪文にして威圧している気分になるから、なるべく生活する中で避けて通りたい』(p21) ここも雨子さんの感受性の豊かさを感じられて良いなと思った。 『わたしをわたしたらしめる何かを誰にも奪われたくない。でも、守ろうとしているそれがわからないままでいる。』(p94) この小説のタイトルである「誰にも奪われたくない」ってこういう事だったのね。 自分らしさって多分自分が一番よくわからない。 自分らしさを客観的に理解できてる人っているんだろうか。 自分だけの自分らしさ、自分の良いところを大切に守っていきたいけど難しい。 「社会や他者」と「自分」を融け合わせると自分らしさが「奪われる」と感じるのが新鮮だった。 なんとなく形作られてる自分が、他人に同調したり、社会に適応することで「ぼやける」みたいな感覚は私もあるけど、「奪われる」とは思ったことないんだよなぁ。 自分を自分たらしめているものが、詳細はわからないけど明確にある、と感じているからこその「奪われる」なんだろうか。 私は、そもそもあるかどうかもよくわからないって感覚だから「奪われる」感じは無いのかもな。 それとも、社会で自分らしくいるためには自分が削られていってしまうっていう感覚なんだろうか。 また時間をあけて読み直そう。

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2024/07/18

腑に落ちなくてずっと何が言いたいのかを掴み損ねたまま読み終えてしまったけど、好きな本だなと思った。なんかわからんけどとてもおしゃれな感じがして良かった。表紙が合ってる。 奪ったり奪われたりしながら生きてるって感覚、よくわかるな… この世界の片隅に原作ラストの右手のポエムを思い出し...

腑に落ちなくてずっと何が言いたいのかを掴み損ねたまま読み終えてしまったけど、好きな本だなと思った。なんかわからんけどとてもおしゃれな感じがして良かった。表紙が合ってる。 奪ったり奪われたりしながら生きてるって感覚、よくわかるな… この世界の片隅に原作ラストの右手のポエムを思い出した。あっちはもっと穏やかなニュアンスだったけど。 凸撃も苦しかったけど良かった。 ケンカの配信なんてものがあるんだなあ。 私も人生でそれなりに惨めな思いしてきたつもりだけど怠惰でいられるのは本当に心の底からは惨めで悔しい思いをしてないからなんだろうなと思った。幸せな人生だ… あと、全体的になんか資格の話めっちゃされるから息が荒くなった。やっぱ取ったほうがいいよね、資格…

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2024/06/16

児玉雨子さん、ハマりそう、! 描写や設定が、スマホ世代でわかる、わかる、、、共感の嵐で、スマホを自分も使っているかのように物語が進んでゆく。 別にいまのこのSNS世代を批判するつもりなんてさらさらないし、進化は日々続いてゆくけれど、だからこそ、そこに潜んでいる暴力的な欲求、欲求...

児玉雨子さん、ハマりそう、! 描写や設定が、スマホ世代でわかる、わかる、、、共感の嵐で、スマホを自分も使っているかのように物語が進んでゆく。 別にいまのこのSNS世代を批判するつもりなんてさらさらないし、進化は日々続いてゆくけれど、だからこそ、そこに潜んでいる暴力的な欲求、欲求ってそもそも暴力か、?まあそうゆうSNSの暴力さをありありと感じましたっ

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2024/03/03

今っぽい〜!と思った。著者が作詞家ということを読んでから知って、なんか納得した。 「誰にも奪われたくない」の主人公の「わたしを林の中のわたしに変形させようとしないで」という言葉にハッとなったんだけど、「凸撃」がアンサーになってて良かった。

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2023/10/27

この作品は本当に自分にとって良い作品だった。 生き辛さを表現する作品は多いけど、この表現の仕方は斬新で面白かった。タイトルがこのように回収されると思わなくて驚いた。 「1人じゃ生きていけない」の解釈がとても面白い。 気付いたら1人で生きてなかった。みたいな感じで、自然に他者あり...

この作品は本当に自分にとって良い作品だった。 生き辛さを表現する作品は多いけど、この表現の仕方は斬新で面白かった。タイトルがこのように回収されると思わなくて驚いた。 「1人じゃ生きていけない」の解釈がとても面白い。 気付いたら1人で生きてなかった。みたいな感じで、自然に他者ありきの自分が成り立っていて、それは感情とか依存心的な話でもない。その点はこの本の魅力だと思う。 終盤の真子ちゃんの生き方はとても響いた。 これからは自分の力で自分を作るという強い意志がその人物にとても好感を持てた。 その反面1人で生きていくことは寂しくもあり、遠い存在にも感じてしまう。 こういったシンプルな意味でも1人で生きていけないのだと思う。 様々な何かを他者から吸収して、人が形成されるけど、じゃあその人を成り立たせるものは何なのか。 吸収され尽くしたらその人は何になってしまうのか。 せめて自分だけでも、自分が自分である為の何かを守りたいと思ってしまう。 1人では生きれないことと自分を守ることは正反対にも感じてしまい難しい。 自分個人の解釈はこのようになりました。 間違いなく読んで良かった本でした。

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2023/10/21

著者が作詞家さんとのことで毛色の違う文章を読んでみたく。 コロナ禍、YouTube、iPhoneSE2、AirPodsPro、あつ森等が頻出し「現代の文章」を摂取した感覚。 会話の描写がテンポがいいようで流れるようにぬるりとした感覚を受けたのはLINEやチャットでの会話に慣れてい...

著者が作詞家さんとのことで毛色の違う文章を読んでみたく。 コロナ禍、YouTube、iPhoneSE2、AirPodsPro、あつ森等が頻出し「現代の文章」を摂取した感覚。 会話の描写がテンポがいいようで流れるようにぬるりとした感覚を受けたのはLINEやチャットでの会話に慣れているからなのか、意外と目が滑らない。 自分を奪われたくない、だが無意識に自分も誰かから奪っているのか?盗んでいるのか?それがいいのか悪いのか。自己の生成とその中身を考えさせられた。

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2023/08/04

2023.8.4 読了 ##NAME##が好きだったため、こちらも読んでみたが、こちらの方がもう少し文章に尖りがある比喩表現な気がする。好きな文章。みんななにかしら抱えているわねぇ。

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2022/12/25

面白いかと聞かれると答えづらいんだけど、なんか良かった。タイトルと内容がA面B面みたいな感じも良い。

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2022/07/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

歌詞だと伝わってくるものが大きい。それと比べるとまだ小説はという気がする。何か「純文学」になっている気がする。

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2022/05/09

著者の作詞が好きなので、今回この本を手に取りました。 自分が実生活でうっすらと感じていたことが、所々ではっきりと言語化されている2編でした。 『凸撃』p.147で宏通が少年に伝えたことは、あまり共感したくはないけれど、確かにそれが人間かもしれないな、と思いました。 (これは本...

著者の作詞が好きなので、今回この本を手に取りました。 自分が実生活でうっすらと感じていたことが、所々ではっきりと言語化されている2編でした。 『凸撃』p.147で宏通が少年に伝えたことは、あまり共感したくはないけれど、確かにそれが人間かもしれないな、と思いました。 (これは本の感想になのか分かりませんが…)『誰にも奪われたくない』の主人公レイカは、繊細なところが、著者が共作詞した、つばきファクトリーの『表面張力〜surface tension〜』の主人公を思わせる部分があるな、と思いました。

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